銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

人事制度・労働環境

出張中の移動時間は残業にならないのか~時代は変化している~

組織に所属していると業務で出張をしなければならないことがあります。 日帰り出張もあるでしょうし、前日に宿泊して朝から顧客訪問ということもあるでしょう。出張は移動時間が長いものです。 時折の出張であれば気分転換になるかもしれませんが、毎週出張…

厚労省の「派遣社員と正社員との待遇格差是正の指針」への懸念

厚生労働省が派遣社員に勤務年数や能力に応じた賃金を支払うように企業に義務付けるとの報道がなされています。 同一労働同一賃金の流れもあり、正社員と非正規社員との処遇格差のみならず、派遣社員の処遇も見直しを目指すとしています。 今回の義務付けは…

注目されない健康(医療)保険~問題は年金だけではない~

老後資金2,000万円必要とした金融庁の審議会の報告書が大きな話題になりました。改めて年金制度とは何かについて報道されるようになってきました。 年金制度については話題になってきているのですが、社会保障という観点では健康保険(医療保険)制度にも注…

「手取り収入の継続した減少」が日本の苦しさの要因

老後資金2,000万円必要とした金融庁の審議会の報告書が大きな話題になっています。 そして、消費税の増税が予定されています。 個人としては、増税や老後に備えて、節約や貯蓄・資産運用を考えている方も多いでしょう。 日本が一億総中流とされていた時代は…

会社の飲み会への強引な誘いはパワハラではないのか?

日本企業のような日本的組織には、飲み会(酒席)文化があります。 近時は、飲み会を忌避する従業員の増加や、共働き・子育て世帯の増加、パワハラやセクハラの発生への懸念、働き方改革等から、会社の飲み会への参加圧力は緩和されてきているかもしれません…

新卒の賃金制度変更は、日本型雇用・終身雇用の終焉を示すシグナル

ユニクロを運営するファーストリテイリングが人事制度を見直し、入社3年で年収3000万円となる可能性まである制度とすると報道されています。 日本企業は経団連会長が終身雇用の維持が難しいと発言する等、日本型の雇用のあり方について見直す気運が高まって…

転勤は拒否できないのか?~カネカの事案にみる~

化学メーカーのカネカが育児休業明けの従業員に転勤を命じ、従業員が退職にまで至った事象が話題となっています。 本件はパタニティ・ハラスメント(略してパタハラ)という「男性の育児休業取得等に対し、職場で嫌がらせを受けること」に該当するとして、カ…

終身雇用は現在の法体系では簡単になくせないという事実とこれから向かうべき方向

終身雇用という日本企業に存在していた幻想を財界トップが否定するようになりました。 特にリストラを行わないことで有名なトヨタ自動車の豊田社長が終身雇用を守っていくのは難しいと発言したことは、大きな波紋を呼んでいます。 終身雇用が終了する時、既…

令和という時代において学生・社会人に企業が求める能力・教育

経団連が新卒一括採用偏重から脱し、通年採用・即戦力採用に舵を切る方針を発表しました。 この経団連と大学側が発表した共同提言では、学生に求める教育・能力についても触れられました。 今回は、現在の企業が個人である学生(そして社会人)に求めている…

新卒一括採用を縮小していくことは、企業の終身雇用放棄の裏返し

日本企業にとって当たり前だった新卒一括採用の慣行が見直される方向となってきました。 経済界(経団連)と大学が採用と教育について継続的に議論する初の枠組みとして設置した「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」にて今後のアクションも含めて様々…

終身雇用を守れないのであれば、日本政府や企業にはやるべきことがある

経団連の会長が「終身雇用を続けていくのは難しい」と発言したと報道されています。 このニュースだけを聞くと企業に勤める従業員にとっては不安を感じるかもしれません。 今回は、経団連会長の発言を確認すると共に、終身雇用について考察してみましょう。 …

スーツ代は経費にならないのか

新卒一括採用を行う企業が多い日本では、4月から新社会人・新入社員が大量に誕生します。 新入社員が企業に入って最初に感じることの一つが「会社に着ていくスーツの費用負担が重い」ということではないでしょうか。 会社が着用を求めているのに、会社は費用…

会社の飲み会は「残業」として認められないのか

新卒一括採用を行う企業が多い日本では、4月から新社会人・新入社員が大量に誕生します。 新入社員が企業に入って最初に疑問に思うことの一つが「会社の飲み会は残業ではないのか」ということではないでしょうか。 歓迎会、送別会、期末の打ち上げ等々の名目…

レオパレス21の施工不良問題に見え隠れする日本企業の根本的な問題

レオパレス21が施工不良問題で、外部調査委員会が中間報告を発表しました。 この報告では、創業者であり当時の社長によるトップダウンの指示があったことも判明しています。 一部ではレオパレス21の問題について報道されていますが、調査委員会の報告書その…

三井住友銀行の一般職廃止は不可逆であり時代の転換点~RPAのインパクト~

三井住友銀行が一般職と総合職を統合するとの報道がなされています。 一般職を廃止する動きは銀行のみならず他業界でも行われてきましたが、銀行業界では業績が厳しいこともあり、人事制度の変更が今後相次ぐ可能性があります。 今回は一般職と総合職の統合…

高度プロフェッショナル制度の対象業務が金融に偏っているのはカモフラージュでは?

高度プロフェッショナル制度、いわゆる脱時間給制度の詳細なルールを厚生労働省がまとめました。 この高度プロフェッショナル制度の対象業務は、かなりの部分が金融に関係しています。 今回はこの制度の対象業務について主に確認していくことにしましょう。 …

役員退職慰労金という嫌われもの~キーワードは株主との利害一致~

役員退職慰労金という言葉をご存知でしょうか。いわゆる企業の役員に対する退職金です。 この退職慰労金を廃止する上場企業が増加しています。 今回は役員退職慰労金が廃止されている背景について確認していきましょう。 報道内容 役員退職慰労金とは コーポ…

富士通が実施する従業員の大規模配置転換は何を意味するのか

富士通が5,000名規模の従業員を配置転換させると発表しました。総務や経理等の間接部門の従業員が対象です。 この対象者は営業やSE等に育成していくとしています。そして、配置転換後の仕事に合わない従業員は転職支援を行うのです。 この発表から読み取れる…

もうそろそろ銀行の働き方を見直した方が良い理由

日本銀行が開催した金融高度化セミナー「金融機関の働き方」の講演要旨が公表されました。 この講演では、人事制度や働き方について、銀行員のみならず企業で働くビジネスパーソンにとって有用な示唆がなされています。 今回はこの講演の一部を取り上げ、働…

スルガ銀行のパワハラ等問題事例はかなりスゴい~第三者委員会報告書より~

スルガ銀行が調査を依頼していた第三者委員会が調査結果を報告しました。 この第三者委員会は2018年1月に株式会社スマートデイズがシェアハウスオーナーに対する賃料支払を中止したことに端を発するシェアハウス関連融資問題の発生を受け、ステークホルダー…

銀行の休業日緩和と共同店舗運営は、結果的に自らの首を絞めるのでは?

(写真は本文とは関係ありません) 銀行の平日休業が可能となる銀行法施行令等が8月16日に施行されました。 銀行の休業日は規制されていましたが、今後は柔軟な店舗運営が可能となります。 この休業日が中心に報道されていますが、今回の規制緩和は共同店舗…

持投資口制度(持ち株制度のREIT版)について

持ち株制度のREIT版を大和ハウスが導入するとの報道がなされています。 この持投資口制度(持ち株制度のREIT版)については聞き慣れない方も多いかもしれません。 今回はこの持投資口制度およびその原型である持株会制度について確認しましょう。 報道内容 持…

最高裁判決(ハマキョウレックス、長澤運輸)の影響を考察する

銀行員を含む会社員にとって、非常に影響のある最高裁の判決が出ました。 この判決は契約社員や定年後の再雇用者と正社員との待遇格差についてのものです。 特に銀行には契約社員も多く、再雇用の問題もあります。 今回は、この最高裁判決について考察します…

あおぞら銀行の働き方改革はまともでは?

日本銀行金融機構局 金融高度化センターは、2018年4月17日、日本銀行本店にて「ITを活用した金融の高度化に関するワークショップ(第3期) (第5回『ワークスタイル変革』)」を開催しました。 このワークショップは、ITあるいはデジタル技術を使って、生産性向…

みずほFGの採用半減というニュース自体は「価値無し」

みずほFGが採用を半減することが報道されています。 この動向を報道各社は「銀行の収益が苦境に置かれていることが背景にあり、今後、銀行は構造改革が必要となり人員・店舗等が大幅に削減される」との論調で報道しています。 今回の記事では、みずほFGの新…

高度プロフェッショナル制度にもきちんとした理解を

高度プロフェッショナル制度の導入が国会で議論されています。 この高度プロフェッショナル制度とは、法案として提出された当初は「ホワイトカラーエグゼンプション」として「残業ゼロ法」として批判されたものです。 今回の記事ではこの高度プロフェッショ…

裁量労働制対象拡大法案の見送りについて

今回の国会で審議され、様々な批判の声が巻き起こっていた裁量労働制の対象範囲拡大に関する法案について、政府が成立を目指す働き方改革法案から分離され、今国会出の成立を政府が断念したことが分かりました。 これに対して経済界から失望の声が挙がってい…

裁量労働制についての正確な知識と銀行における問題点

今回の記事は裁量労働制についてです。 政府が導入対象を拡大しようとしている裁量労働制は「定額働かせ放題」の制度であるとの批判が多くなってきているようです。 今回は、裁量労働制についての正確な内容を確認するとともに、特に銀行における問題点につ…

転職を阻害する退職金・年金の問題点

前回の記事ではブラックな職場を改善する処方箋には雇用の流動化=転職の容易化があるとの記事を書きました。 www.financepensionrealestate.work ただし、現在の環境は決して転職が容易というものではないでしょう。 20歳~30歳台の時はまだしも年齢が上が…

ブラック職場を改善する処方箋の一つ~雇用の流動化という策~

政府は同一労働同一賃金等、働き方改革を政策の目玉の一つにしています。 しかし、残業代を削減する法案である等、野党や労組が反対しており、様々な問題を抱えています。 この働き方改革は、複雑な利害がからみ本質が非常に分かりにくいのが現状ではないで…