銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

人事制度・労働環境

新型コロナウイルスの影響による内定取り消しの法的有効性

新型コロナウィルス感染拡大の影響で企業の業績が悪化し、この春、就職予定だった高校生や大学生が内定を取り消されるケースが全国で報告されています。 そして、厚生労働省は3月19日、新型コロナウイルス感染症の影響を理由に、新卒者の採用内定を取り消す…

今後大きな問題となってくる介護保険について確認する

日本政府が閣議決定した介護保険法などの改正法案について「高齢化で介護費の膨張が続くなか、焦点となっていた現役世代の負担軽減に向けた法改正はすべて見送られた」と報道されています。 年金や健康保険については若い世代の方も実際に保険料の納付をして…

コロナウィルスは残業代減少を通じても消費に大きな影響を与えるおそれ

コロナウィルスへの感染対策として、在宅勤務やテレワークをスタートしている企業が増加しています。また、自宅待機や有給休暇の消化もなされているでしょう。 そもそも、世の中の様々な活動が急激に縮小している中で、業務量も減少している方は多いのではな…

コロナ対策で在宅勤務や時差出勤が出来るのは「上級国民」か?

コロナウィルスへの対応として企業が在宅勤務や時差出勤を相次いで実施しています。 「休めるのは“上級国民”だけ」と非正規雇用者が嘆いているとの報道もされていますが、そもそも、在宅勤務や時差出勤はどの程度の企業で導入されているのでしょうか。 今回は…

あえて言うならば、学校休校よりも公共交通機関対策こそが重要では?

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために政府が全国一律の休校要請を行いました。 小中高校について一斉に休校を促すものです。 今回はこの要請について、ほんの少しだけ考察します。 小中高の在学者数 駅の乗降客数 ちょっとした「異見」 小中高の在学者…

年収890万が社会のお荷物という説にモノを申す

老後2,000万円問題に代表されるように、高齢者が生活していくことについて話題となっています。また、格差について関心が高まっているのも間違いありません。 2019年初には「年収で890万円〜920万円ないと社会のお荷物という説がある」と解説したタレント・…

これから急増するかもしれない早期退職募集について確認しておく

先日、コンビニのファミリーマートが40歳以上の社員を対象に早期退職制度を募集し、全社員の約15%にあたる1,000人超の社員が3月末で退職すると発表しました。割増退職金は総額約150億円です。 現在、日本では大手企業が次々と早期退職の募集を行っています…

なぜ企業はDCに移行したがるのか?〜従業員不在の退職給付制度の実情〜

先日、長期的に退職金の水準が低下しているとの記事を掲載致しました。 その中で読者の方から、勤務する企業の退職給付制度が、退職時一括現金払いから企業型確定拠出年金制度へ切り替わったが、日本企業では同じような動きがあるのか、現金払いから確定拠出…

給料水準も厳しいのに「退職金も減額」という事実を誰か注目しませんか?

2,000万円問題が話題になる等、老後の生活に対しての関心が増加してきているものと思います。 老後資金を準備するにあたり重要な要素として、企業が用意する退職金があります。これは、公的年金である厚生年金(会社員等が加入)とは別個に企業が支給するもの…

経団連がすすめるジョブ型雇用の表と裏

経団連が春闘の経営側指針となる経営労働政策特別委員会報告を公表しました。 この報告書では、日本型雇用制度の見直しに重点が置かれていると報道されています。 今回は、経団連が目指す日本型雇用制度の見直しについて考察します。 報告書の概要 ジョブ型…

可処分所得の推移を見れば生活が改善しない理由が分かる

いわゆるアベノミクスにより景気が回復し、賃金も上昇しているとの報道を目にしたことは誰しもあるのではないでしょうか。 一方で、個人としては所得の上昇を感じられないという意見が多いのではないでしょうか。 今回は「可処分所得」に注目して、景況感に…

みんなのボーナスってどうなっているのか?~2019年冬~

大手企業の冬のボーナスが2年連続で過去最高を更新したと報道されています。 日本全体は「景気が良い」のでしょうか。皆のボーナスはどのようになっているのでしょう。 今回は日本全体の冬のボーナスについて確認してみます。 報道内容 経団連調査 民間全体…

日本型雇用見直しを簡単に実施されたら困るのは、政治家も経営者も含めた国民全体

日本企業の経営者から、年功賃金、終身雇用等のいわゆる日本型雇用制度が限界を迎えているとか、見直しが必要だという発言が相次ぐようになってきました。 産業構造の変化等が起きている中で、経営者達の発言は理解できるかもしれません。しかし、日本型雇用…

みずほの人事制度改定は一般職廃止に加え大量採用世代の処遇問題も

みずほFGが総合職と一般職を統合(一般職の廃止)すると報道されています。 この一般職の廃止は、RPAの導入等デジタル化の進展により事務や窓口業務が減少してきたことが背景にあると指摘されています。 今回はみずほFGの一般職廃止および人事制度の変更につ…

竹中平蔵氏の言う「90歳まで働く」というのは十分にあり得る未来

竹中平蔵氏が「90歳まで働くことになる」と発言したとして、ネットで話題になっています。総じて批判的、悲観的な反応が多いようです。 今回は、この「90歳まで働くことになる」ということについて簡単に考えてみたいと思います。 話題となった記事 元の記事…

厚労省が作成した微妙な「パワハラ防止指針」

厚生労働省(厚労省)が労働政策審議会の分科会で、企業などが行うべき職場でのパワーハラスメント(パワハラ)防止策の具体的内容を定める指針の素案を示しました。 この指針案が、むしろパワハラを助長するのではないかとの疑問の声が出ています。 パワハ…

ブラック企業撲滅のためにも「未払賃金請求権の消滅時効延長」は妥協しないことを厚労省に求めたい

未払賃金の請求期間、すなわち賃金債権の消滅時効についての見直しが議論されています。 現在は賃金に関する債権は2年で時効を迎えます。今回の賃金債権の消滅時効の見直しについては、2020年4月の改正民法施行によって債権の消滅時効が見直されることに対応…

銀行の定期人事異動ルール廃止の背景には、キャッシュレス社会の到来があるのか?

銀行の定期異動ルールを金融庁が撤廃するとの報道がなされています。 銀行の担当者を定期的に異動させるルールは、不正や癒着防止のために作られたものです。このルールを撤廃するというのはどのような意味・背景があるのでしょうか。 今回は、銀行の定期異…

日本全国の銀行員数の推移はこうなっている

銀行が「構造不況業種」と言われて久しい状況が続いています。 特に地方銀行の苦境は報道が相次ぎ、銀行員の退職が増えているとの報道も見られるようになりました。メガバンクもRPAやAIを導入し業務量の削減、新卒採用の抑制による人員減等の動きをしていま…

賃金が抑制されてきた要因と、これから上がるかもしれない背景

日本では労働者の賃金が長期傾向として減少してきたことをご存知の方は多いでしょう。 しかし、なぜ賃金は減少してきたのでしょうか。 また、現在は人手不足と言われています。ヤマト運輸のドライバー不足の問題や、コンビニの24時間営業問題等が報道されて…

出張中の移動時間は残業にならないのか~時代は変化している~

組織に所属していると業務で出張をしなければならないことがあります。 日帰り出張もあるでしょうし、前日に宿泊して朝から顧客訪問ということもあるでしょう。出張は移動時間が長いものです。 時折の出張であれば気分転換になるかもしれませんが、毎週出張…

厚労省の「派遣社員と正社員との待遇格差是正の指針」への懸念

厚生労働省が派遣社員に勤務年数や能力に応じた賃金を支払うように企業に義務付けるとの報道がなされています。 同一労働同一賃金の流れもあり、正社員と非正規社員との処遇格差のみならず、派遣社員の処遇も見直しを目指すとしています。 今回の義務付けは…

注目されない健康(医療)保険~問題は年金だけではない~

老後資金2,000万円必要とした金融庁の審議会の報告書が大きな話題になりました。改めて年金制度とは何かについて報道されるようになってきました。 年金制度については話題になってきているのですが、社会保障という観点では健康保険(医療保険)制度にも注…

「手取り収入の継続した減少」が日本の苦しさの要因

老後資金2,000万円必要とした金融庁の審議会の報告書が大きな話題になっています。 そして、消費税の増税が予定されています。 個人としては、増税や老後に備えて、節約や貯蓄・資産運用を考えている方も多いでしょう。 日本が一億総中流とされていた時代は…

会社の飲み会への強引な誘いはパワハラではないのか?

日本企業のような日本的組織には、飲み会(酒席)文化があります。 近時は、飲み会を忌避する従業員の増加や、共働き・子育て世帯の増加、パワハラやセクハラの発生への懸念、働き方改革等から、会社の飲み会への参加圧力は緩和されてきているかもしれません…

新卒の賃金制度変更は、日本型雇用・終身雇用の終焉を示すシグナル

ユニクロを運営するファーストリテイリングが人事制度を見直し、入社3年で年収3000万円となる可能性まである制度とすると報道されています。 日本企業は経団連会長が終身雇用の維持が難しいと発言する等、日本型の雇用のあり方について見直す気運が高まって…

転勤は拒否できないのか?~カネカの事案にみる~

化学メーカーのカネカが育児休業明けの従業員に転勤を命じ、従業員が退職にまで至った事象が話題となっています。 本件はパタニティ・ハラスメント(略してパタハラ)という「男性の育児休業取得等に対し、職場で嫌がらせを受けること」に該当するとして、カ…

終身雇用は現在の法体系では簡単になくせないという事実とこれから向かうべき方向

終身雇用という日本企業に存在していた幻想を財界トップが否定するようになりました。 特にリストラを行わないことで有名なトヨタ自動車の豊田社長が終身雇用を守っていくのは難しいと発言したことは、大きな波紋を呼んでいます。 終身雇用が終了する時、既…

令和という時代において学生・社会人に企業が求める能力・教育

経団連が新卒一括採用偏重から脱し、通年採用・即戦力採用に舵を切る方針を発表しました。 この経団連と大学側が発表した共同提言では、学生に求める教育・能力についても触れられました。 今回は、現在の企業が個人である学生(そして社会人)に求めている…

新卒一括採用を縮小していくことは、企業の終身雇用放棄の裏返し

日本企業にとって当たり前だった新卒一括採用の慣行が見直される方向となってきました。 経済界(経団連)と大学が採用と教育について継続的に議論する初の枠組みとして設置した「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」にて今後のアクションも含めて様々…