銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

人事制度・労働環境

配属ガチャについて考える

「配属ガチャ」という言葉をご存じでしょうか。ネットで話題になっているようです。 配属ガチャは、新入社員が希望する勤務地や職種に配属されるか分からないことを、おもちゃ売り場やソーシャルゲームの「ガチャ」になぞらえた俗語です。 入社後の自分の運…

日本銀行の給料水準に興味はありますか?

食料品、ガソリン価格や電気代が上昇し生活に物価高の影響が出てきている中で、円安に注目されることが多くなってきています。円安と言えば、もちろん日本銀行の金融政策について注目が集まるのは当然です。低金利政策を採用したままだから円安の進行が止ま…

いつの時代でも若者は転職している

コロナ禍においても新年度は到来します。2022年4月に多くの企業や学校等が新年度入りしました。 この時期は、入園式・入学式のみならず、日本の雇用慣習である新卒の一括採用に伴う入社式もあります。 そんな新卒を迎える企業では、一方で中途退職者、中途入…

非正規雇用は固定化する傾向にある

コロナ禍で非正規雇用が改めて注目されているように感じます。 新型コロナ感染症は、日本に新しい形の格差や貧困をもたらしたとされていますが、コロナ禍は「女性不況」と呼ばれるほど女性の雇用に深刻な影響を与えました。 これは、非正規雇用者の大半が女…

少子化の理由は「貧乏人が増えたから」とデータが示している

ロシアのウクライナ侵攻は世界のパワーバランスのみならず、様々な秩序を再構築するきっかけとなりそうです。そして、資源・エネルギー価格の上昇を招く可能性が高くなってきました。 わずか1年前には世界中がインフレの影に怯えることは想定されていなかっ…

銀行口座を旧姓で使用すること

日本は夫婦別姓が認められていません。結婚すれば、どちらかが新姓を名乗ることを基本的に強要される国です。 しかし、旧姓で仕事をしてきた方が姓(苗字)を変更するのは想像以上に面倒です。特に銀行口座の名義が変わることは様々な影響を及ぼします。 今…

我々はそろそろ所得の低下を怒って良い時期に来ていないか

日本の厳しい現状を実感させられる資料が公表されました。 令和4年第2回経済財政諮問会議で発表された内閣府の資料は、35歳から54歳の働き盛り世帯の所得が大幅に減少していることが如実に示されています。 今回は、この経済財政諮問会議の資料を用いて日…

日本では本当に労働所得格差が広がっているのかという素朴な疑問

「日本は労働所得格差が広がっている」と聞いても大半の方は違和感を持たないのではないでしょうか。 非正規雇用者数が増えてきたことは誰もが知っています。 「生活が苦しい」というような話はニュースやネットに溢れています。以前は、NHKのニュースで取り…

成長と分配~企業の行動はどうなっているのか~

岸田総理が「新しい資本主義」という言葉を使っています。そして、新しい資本主義は「成長と分配の好循環」を目指すとされています。 なぜ、このような成長と分配という言葉が使われるようになったのでしょうか。 この理由は、主に「給料が上がらない」こと…

ワクチン未接種の従業員を日本で解雇することは出来るのか

日本国内ではコロナ感染症の再拡大が見られるようになってきました。 米国では、国内の新型コロナウイルスの1日あたりの感染者数が2022年1月3日には100万人を超え、過去最悪となっています。ワクチン接種を個人に強制すべきかという議論が繰り返されるのは当…

大企業でパワハラが増えているのか

日本経済団体連合会(経団連)が、職場のハラスメント防止に関するアンケート結果を発表しました。 この調査は、職場のハラスメント防止に関する法律等の施行から1年が経過したことを踏まえ、企業における課題や取組みについて調査し、今後の政策を検討する…

転勤拒否し解雇されていたNEC子会社元社員の裁判を考察する

長男の病気等を理由に転勤命令に応じず、懲戒解雇されたのは不当だとして、NECソリューションイノベータ(NEC子会社)の元社員が同社を相手取り、解雇の無効確認や慰謝料100万円の支払い等を求めていた訴訟の地裁判決が出ました。 結果は、元社員の訴え棄却…

経団連会長が賃上げについて「総人件費で対応」と発言する意味

日本経済団体連合会(経団連)会長が、政府が経済界に対して求めている積極的な賃上げについて、記者会見で「総人件費で対応」で考えていきたいと語りました。 今回はこの総人件費について、少々考察してみたいと思います。 経団連会長の発言 福利厚生費の推…

年功序列賃金と言われる日本の賃金カーブは本当に特殊か

「年功序列賃金」という言葉を聞くことが増えたように思います。 世の中は、経営者がジョブ型雇用・賃金を推進しようとしており、年功序列賃金は維持できないとの論調が多く出てきたからでしょう。 また、従業員(労働者)側としても、特に若い年代の方にと…

健康保険組合の2020年度決算動向と今後の悲観的な見通し

健康保険組合の連合組織である健康保険組合連合会(健保連)が、1,388組合の2020年度の決算集計を発表し、全体の33%にあたる458組合の決算が赤字となったことが判明しました。 新型コロナウィルス感染症の影響が大きかった宿泊・飲食業、生活関連サービス・…

日本の終身雇用と呼ばれる雇用慣行は世界から見て特殊なのか

日本的雇用とされる終身雇用(もしくは長期雇用)が話題になっています。 サントリーホールディングスの新浪社長が、経済同友会のセミナーで45歳定年を提唱したところ、インターネット上で多数の否定的意見が寄せられたのは記憶に新しいところです。 ここで…

「年功序列賃金には合理性がある」ということを知っていますか

「年功序列賃金」と聞くと、否定的な感覚が呼び起こされる読者は多いのではないでしょうか。 マスコミ等では日本型賃金制度の問題として、年功序列賃金を取り上げることが一般的です。「働かないおじさんに、なぜあんなに給料を渡しているのか」「若手・中堅…

NTTの転勤・単身赴任廃止は大きな流れになる

NTTが、新型コロナウイルスの感染が収束した後もテレワークを基本とし、転勤・単身赴任を原則廃止していくと発表し話題になっています。 転勤や単身赴任は、従業員の人生・生活に対して強い影響を与えるものです。そもそも、共働き世帯が当たり前になってき…

45歳定年は現状では愚策。まずは個人が転職を容易となる仕組みの整備を。

サントリーホールディングスの新浪社長が45歳定年制を主張して、炎上していると報道されています。 新浪氏は、『経済同友会の夏季セミナーにオンラインで出席し、ウィズコロナの時代に必要な経済社会変革について「45歳定年制を敷いて会社に頼らない姿勢が…

銀行員数と店舗数でみるとリストラが遅れているのは第一地銀

銀行は「構造不況業種」と言われています。 マイナス金利政策が導入されてから、銀行の苦境は一気に加速しました。 地方銀行は、政府が統合させようとしています。 コロナ融資で各銀行とも貸出残高は増加していますが、今後不良債権が増加する懸念もあります…

これからも東京一極集中は続き、地方の魅力は高まらないという想定

コロナ禍は、リアルの世界からデジタルの世界への社会構造の大転換を加速させることについては疑問を持たない人が大半ではないでしょうか。 コロナウィルス感染症拡大は、仕事の内容によっては場所を選ばない働き方が可能であることを見せつけ、東京への人の…

1日8時間働いて「普通の暮らし」ができる最低賃金は時給1,500円らしい

全国労働組合総連合(全労連)という労働組合団体が、2020年まで6年間で取り組んだ22都道府県の最低生計費試算調査結果について報告し、最低賃金を1,500円に引き上げ、全国一律最低賃金制度を実現すべきだと訴えています。 なぜ、労働組合は最低賃金を1,500…

東京女子医科大学の医師・看護師大量退職問題から経営状況を確認する

東京女子医科大学の3つの付属病院で、100人を超える医師が2021年3月までに一斉退職したと東洋経済が報じています。 2020年夏季のボーナス支給ゼロに対して、看護師約400人が辞職の意向を示した混乱に続き、医師100人超の一斉退職という異常事態が発生してい…

日本経済低迷の理由は個人消費にある

日経平均株価が30年ぶりに3万円台を回復したと話題となっていますが、この主に平成に重なる30年間は「失われた30年」とも言われ、日本経済は低迷してきたと認識されています。 日本経済低迷の要因は様々に言われています。 「企業が生産拠点を海外に移管して…

朝日新聞社の新聞購読料補助廃止を題材に自爆営業について考えてみる

朝日新聞社が、社員に対する自社の新聞購読料の補助を廃止することが、明らかになったと東洋経済が報じています。 自社新聞の購読料の廃止ぐらいは「何ら問題ないだろう」と考える方もいるとは思います。 一方で、自社新聞の購読を中止したいと意向を示した…

従業員の給与が上がらなかったのは「株主への配当より大事ではなかった」だけ

日経平均株価が約30年ぶりに3万円台を回復し、ビットコインが5万ドルを突破する等、資産運用への関心が高まっています。これは日本のみならず、世界各国において起きていることのようです。 2000年代に入ってから、日本は株主を重視する政策を展開し、世界の…

もう、健康保険組合は解散して協会けんぽに移りますか

日本政府は、年収200万円以上の後期高齢者が支払う医療費の窓口負担を1割から2割に引き上げる医療制度改革関連法案を閣議決定しました。 この施策は、後期高齢者への支援金を拠出している現役世代の健康保険料の増加を抑制する効果があります。但し、軽減効…

首相が「国民皆保険の見直しを発言した」と話題になってしまうワケ

菅首相が国民皆保険の見直しを発言したと話題になっています。 この話題は、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う医療法改正を検討するかという質問に対して、菅首相が「医療法についても今のままでいいのかどうか。国民皆保険、そして多くの皆さんが診察を受…

受験生よ!少なくともおカネの面では「学歴が関係ない」なんてことはない

2021年1月から大学入試においてセンター試験が廃止され、大学入学共通テストがスタートします。 受験生の皆さんにとってみれば、緊急事態宣言の対象地域にお住まいの方もおり、移動するのも心配でしょう。そして、受験期間中に新型コロナウィルスに感染して…

医療費が将来確実に上昇していく未来をなぜ誰も語らないのか

少子高齢化が進んでいます。 日本の社会保障は、基本的に現役世代から受給世代への仕送り方式です。 そのため、現役世代の負担がこれから重くなっていくことは間違いありません。 社会保障の中では、年金への不安が話題となることは多いのですが、筆者はむし…