銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

銀行の営業

口座維持手数料は愚策〜銀行離れを加速させる可能性も〜

銀行の口座維持手数料導入の動きが出てきています。 各国が金融緩和に動く中、日本銀行もマイナス金利の深堀を行う可能性が出てきたことに起因するものでしょう。 今回は銀行の口座維持手数料について簡単に考察してみたいと思います。 直近の動き なぜ口座…

金融庁がノルマより重視する経営理念とは?~基本的に銀行の体質はブラック~

銀行の経営環境は厳しい状況が続いています。米国は利下げに転じており、各国中央銀行の金融緩和競争が始まる可能性は高まっています。 現状では、銀行の経営環境が好転する可能性は低いと言わざるを得ないでしょう。 このような環境下では、いくら立派な「…

銀行のダイバーシティ対応には障害者向けサービスは含まれないのか?

金融庁から「障がい者団体と金融機関関係団体との意見交換会」の議事概要が公表されました。 この議事概要には、金融包摂(インクルージョン)やダイバーシティ等、非常に重要な観点が入っています。 そして、筆者にとっても改めて銀行の公共性やサービス・…

これでもメガバンクから投資信託を買いますか?

日本の投資家が購入している投資信託が、運用歴の長い商品にシフトしてきていると報道されています。 金融業界の販売姿勢が変わってきたことが主因と思われますが、金融業界自らが変わったというよりは、金融庁の指摘・圧力によって変わりつつあるという方が…

【決定版】法人営業担当におくる会食の心得~当日開始前編~

法人の営業に携わっている方が気にかけるべき要素の一つが接待です。 接待の一つである会食は、相応にお作法が決まっています。 前回、会食の事前準備について取り上げましたが、今回は当日の会食開始前について取り上げます。 会食は上手くいって当たり前で…

三井住友銀行の個人営業ノルマ廃止に思う

三井住友銀行が個人営業での金融商品販売目標、すなわちノルマを廃止したことが報道されています。 「ノルマ」「目標」「KPI」「課題」「割当」等、様々な言葉はあるでしょうが、銀行はいわゆるノルマによって動いてきました。厳しいノルマこそが銀行員を縛…

窓口にいる銀行員は午後3時以降何をしているのか~そこに未来はあるのか~

通常の銀行は午後3時に窓口が閉まります。 この銀行の営業時間に腹を立てたことがある方は多いのではないでしょうか。 現在は以前よりは銀行の窓口に行くことは減っているはずですが、それでも一部の取引等では窓口に行く必要があります。 ところが、銀行の…

銀行の融資残高500兆円台の回復は「個人・不動産」向けに偏重

銀行の融資残高が20年ぶりに500兆円台を回復したと日銀が貸出金統計にて発表しました。 しかし、融資残高の内容は「ゾンビ」企業への貸出も含んでおり健全ではないと報道されています。 今回は、この銀行の融資残高の内容について簡単に見ていくことにしまし…

金融庁の次のターゲットは外貨建一時払い保険か

金融庁が投資信託等の販売会社における「顧客本位の業務運営」の足元の取組状況について公表しました。 この公表では、金融庁の問題意識、取り組みを求めている事項が記載されています。 今回は、銀行のリテール(個人)営業において将来的に影響する「顧客…

三菱UFJ銀行の一部店舗での昼休み導入はキャッシュレス化の加速を引き起こす可能性あり

三菱UFJ銀行が一部の店舗で昼休みを導入しました。 店舗の昼休み導入がニュースとなるのは違和感があるかもしれませんが、銀行の営業時間に疑問を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。 なぜ、銀行は一般に9時から15時までしか空いていないので…

銀行が平日も休むようになるという近い未来

(写真と本文は関係ありません) 銀行の休日規制が緩和される方向となりました。 このニュースは銀行の単なる休日の話ではありますが、銀行のビジネスモデルを考えるきっかけともなります。 今回はこの銀行の休日規制緩和について考察します。 金融庁の発表 報…

AIの銀行への導入実験~社員監視も可能に~ 

金融庁が「FinTech実証実験」の3件目の認定案件を公表しました。 この実験では人口知能(AI)が、金融業界における人材の課題や働き方改革の推進に対してどの程度貢献できるかが実験されます。 今回はこの実証実験の内容について考察するとともに、金融機関…

個人型確定拠出年金(iDeCo)の銀行窓販解禁について

一部報道で、個人型確定拠出年金(iDeCo)の銀行窓販解禁が報道されました。 2018年4月20日に厚生労働省が社会保障審議会企業年金部会を開催し議論をした後、2018年度中に関連規制の改正を目指すとされています。 今回はこのiDeCoの銀行窓販解禁について確認し…

期末に不動産取得資金貸出を狙う際の「公拡法」という落とし穴

最近は少し傾向が変わってきているかもしれませんが、基本的には「銀行員は数字が全て」です。 3月末の期末に目標(ノルマ)を達成していなければ人間扱いされません。 特に年が明けたこの時期になると、毎日のように会議が開かれ、営業担当者は上司から追い…

銀行の貸し手責任は変わっていく可能性大~アパート建築案件を事例に~

先日、ガイアの夜明けという番組でレオパレス21の強引な営業等が取り上げられました。 筆者はそれに関する記事を掲載しています。 www.financepensionrealestate.work この記事に対して様々なご意見を頂きました。 このご意見の中では「銀行の貸し手責任」を…

「美術品信託」という面白い試み

2004年に信託業法が改正されて信託可能な財産には制限がなくなっています。 そのような状況下、日経新聞の記事によるとSMBCグループが「美術品信託」というサービスを開発したようです。 筆者は、この美術品信託は非常に面白い試みだと思います。 今回は、こ…

生産緑地の2022年問題という時限爆弾

(この記事は2017年8月に作成した記事を再掲しています。最新の情報を更新していない点がありますが、ご容赦ください。) 皆さんは生産緑地という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。 実は、2022年に生産緑地が宅地として大量にマーケットに供給される…

AI 運用の拡大に伴うIR の今後

AIというワードを新聞やマスコミ等で見かけない日はありません。 この大きな波は金融の現場にも及んでいます。これから続々と普及するであろうAI運用です。 本日はこのAI運用について軽く触れるともに、投資される側の企業にとって意識すべきこと、このAI運…

IFRS新リース会計による不動産市場への影響

国際会計基準(IFRS)における新リース会計基準が公表されています。 この基準の導入により不動産の「賃借」が「保有」と比べて、あまり変わらなくなります。 これは不動産市場に対しては大きな影響を与える可能性があります。 今回はIFRSの新リース会計基準…

自動運転が不動産価値を変える可能性

自動車の自動運転技術の開発競争が激化しています。 2020年代にはある程度の自動運転化が本当になされている可能性もゼロではありません。 この自動運転技術が完成、普及となった場合には、金融業界にも不動産業界にも非常に大きな変化をもたらすことになり…

企業は個人型DCではなく企業型DCを導入した方が「お得」

企業型確定拠出年金(DC)の加入者数は2017年8月末時点で632万人(厚生労働省ホームページ)となっており順調に拡大してきました。 制度(規約)数は5,564件とこちらも着実に増加しています。 企業型DCは転職者の脱退一時金やDC資産を受け入れるための制度と…

金融庁の金融レポートにみる銀行の運用商品販売の今後

今回は2017年10月に公表された金融庁の金融レポートから、金融庁が問題意識を持つ「銀行の顧客本意の業務運営」等についてみていきます。 この金融庁の問題意識を確認することにより銀行の個人・リテール部門における販売商品・販売方法の将来的な方向性等が…

機関投資家の株主総会における議決権行使結果の開示

機関投資家が守るべき行動規範であるスチュワードシップ・コードが2017年5月に改定されたことに伴い生命保険会社、信託銀行が株主総会における議決権行使結果について開示をしています。 今回は、この議決権行使結果の開示について背景・今後の影響を考…

投信等の回転売買問題

金融庁が主要行に立ち入り検査を実施するとの記事が出ていました。 www.bloomberg.co.jp 金融庁が国内の主要な銀行などを対象に、顧客本位の投資商品を提供しているかどうかに焦点を当てた立ち入り検査を実施する方針であるとのことです。 金融庁は銀行の投…

広大地の規定改正による相続対策への影響

平成29(2017)年度税制改正大綱において広大地の規定見直しが明記されました。 実際の適用は2018年1月以降の相続等により取得した財産の評価に適用されることになる予定です。 この広大地の規定見直しは広大地の保有者にとっては大きな影響を及…

iDeCoを銀行が積極的にセールスしない理由とは

2017年1月から個人型DC(iDeCo)の対象者が拡大しました。 これによりiDeCoの普及拡大が見込まれています。 一方で銀行の店頭ではiDeCoの積極的なセールスは行われていないのが現状です。 今回はなぜiDeCoを銀行があまりセールスをしないのか考察します…

退職給付費用を理解するポイント

前回まで退職給付会計、退職給付債務について説明してきました。 今回は退職給付費用について解説します。 退職給付費用とは 退職給付費用にかかる用語 勤務費用 利息費用 期待運用収益 過去勤務費用 数理計算上の差異 退職給付費用のポイント 退職給付費用…

退職給付会計の基本

銀行員にとって退職給付会計の理解はやっかいなものです。 ただし、取引先企業が財務体質を着実に改善し企業の資金需要がなくなってきている現在の環境下では、簿外債務といえる退職給付会計を理解することは法人営業・業務に携わる銀行員にとって必須といえ…

株式報酬型ストックオプションの行使時期と売却時期

ストックオプションは上場企業のうち600社程度が導入している制度です。 この制度は役員退職慰労金の廃止と引き換えに導入された企業も多く存在します。 今回は株式報酬型ストックオプション(いわゆる1円ストックオプション)において、なぜ退職後の短…

DCの運用改善に関する改正法の影響

2016年6月に確定拠出年金法等の一部を改正する法律が交付されました(施行日は公布より2年以内)。 この法改正により金融機関においても営業のチャンスとなる点、留意すべき点等が出てきています。 今回はDC法改正による金融機関への影響について考察…