銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

三菱UFJ銀行の一部店舗での昼休み導入はキャッシュレス化の加速を引き起こす可能性あり

三菱UFJ銀行が一部の店舗で昼休みを導入しました。 店舗の昼休み導入がニュースとなるのは違和感があるかもしれませんが、銀行の営業時間に疑問を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。 なぜ、銀行は一般に9時から15時までしか空いていないので…

銀行の経営トップはなぜ「頭取」と呼ばれるのか

銀行という組織は特殊だと思う方は存在するでしょう。 例えば、「銀行員」という用語が存在します。銀行も会社ですから、普通に「会社員」「サラリーマン」等と言えば良いのに、なぜか銀行員です。 このような銀行の特殊性の一つが、組織のトップの名称です…

銀行保有情報の第三者への提供は新たなビジネスの芽になり得る

金融庁の金融審議会「金融制度スタディ・グループ」が金融機関による情報の利活用に係る制度整備についての報告を公表しました。 この報告書では、銀行本体で情報を活用したビジネスを営むことを可能とすべきとの方向性が述べられています。 今回はこの報告…

地方銀行の会計「装飾」は是正した方が良いという話

日経新聞が地方銀行(地銀)の会計「装飾」について記事としています。 今回はこの問題について確認します。 報道内容 私募投信の問題 所見 報道内容 日経新聞は『会計「装飾」のからくり 地銀波乱(3)2019年1月16日』とあう記事を掲載しました。 ポイント…

金融庁が要請したスルガ銀行への預金支援はナンセンス

スルガ銀行を金融庁が預金支援したと報じられています。 これはどのようなことでしょうか。 今回はスルガ銀行への預金支援について考察します。 報道内容 その他の報道等 所見 報道内容 日経新聞が非常に興味深い報道をしました。スルガ銀行の資金繰りを支え…

SMBC信託の「高級車信託」に対する考察

三井住友FG傘下のSMBC信託が面白い商品をリリースすると報道されています。 スパーカーやクラシックカーなどの希少・高級な自動車を対象とする「高級車」信託です。 今回はこの高級車信託について考察しましょう。 報道内容 信託という商品性 高級車マーケッ…

【余話】金利、利子、利息の違い

金利、利息、利子。 それぞれ、銀行と取引する際に関係する用語です。 この違いを意識して使っている人はどれだけいるでしょうか。 今回は、この似たような用語の違いについて確認してみましょう。 それぞれの用語の定義 銀行実務における用語の使用 まとめ …

日本学生支援機構の奨学金事業の不良債権はスルガ銀行並み

日本学生支援機構の貸与型奨学金で借入額に応じた保証料の徴収が検討されています。 この背景にあるものは何でしょうか。学生が社会人になっても奨学金を返すことが出来ない理由はどのようなものでしょうか。親族による保証を廃止するということはどのような…

銀行店舗等の空きスペースを外部へ賃貸可能にすべき

大手銀行で業務効率化で生まれた支店等の空きスペースを活用する動きが始まっていると報道されています。 この報道がピックアップされているニュースサイトの書き込みには、銀行の空きスペースは、同系列の財閥企業へ貸し出す、もしくはコワーキングスペース…

高度プロフェッショナル制度の対象業務が金融に偏っているのはカモフラージュでは?

高度プロフェッショナル制度、いわゆる脱時間給制度の詳細なルールを厚生労働省がまとめました。 この高度プロフェッショナル制度の対象業務は、かなりの部分が金融に関係しています。 今回はこの制度の対象業務について主に確認していくことにしましょう。 …

スルガ銀行の創業家ファミリー企業向け不適切融資問題は他人事ではない

スルガ銀行が創業家ファミリー企業向け不適切融資問題に関連して現旧取締役に対して損害賠償請求訴訟を提起しました。 提訴の理由は、創業家ファミリー企業にかかる与信管理についての職務執行の善管注意義務違反等になります。 本件創業家ファミリー企業向…

TATERUの改ざん問題は信用棄損という大問題

東証1部上場のTATERU(タテル)がアパートオーナーの銀行融資にかかる申請書類を改ざんしていた問題で、第三者の調査委員会の調査報告書を公表しました。 今回はこの調査報告書の内容および今後の影響について考察します。 報道内容 報告書の内容 所見…

スルガ銀行の創業家向け融資は特別背任の可能性も

(画像と本文の内容とは関係ありません) スルガ銀行が、創業家およびファミリー企業向け融資について元会長らを提訴するとの報道がなされました。 スルガ銀行は業務改善計画を金融庁に提出し、会社としての再出発を図ろうとしています。その業務改善計画に…

ゆうちょ銀行の貯金預入限度額の限度額引き上げは「問題無し」

日本郵政グループのゆうちょ銀行の預入限度額の撤廃・引き上げをめぐる論議が大詰めを迎えています。郵政民営化委員会は2019年4月の預入限度額の引き上げ実現に向けて年内に結論を出したい考えと報道されています。 ただし、ゆうちょ銀行への資金シフトを懸…

日産自動車ゴーン前会長が行ったデリバティブ取引とはどのようなものか

日産の前会長であるゴーン氏の事件が連日報道されています。 近時では当初の逮捕容疑であった有価証券報告書の虚偽記載のみならず、個人の資産管理会社におけるデリバティブ取引を日産自動車に付け替えたという特別背任容疑でゴーン氏が再逮捕されました。 …

地方銀行の2018年9月中間決算を総括してみる~第二地銀の苦戦が明らか~

全国の地方銀行の業績が厳しいと報道されて久しい状況にあります。 そこで、今回は全国地方銀行協会および第二地方銀行協会が集計した地方銀行の2018年9月中間決算について確認しておきましょう。 第一地銀の業績(概要) 第二地銀の業績 第一地銀と第二地銀…

これから世界で吹き荒れる可能性のある「外資規制」というモノ

外資規制という言葉をご存知でしょうか。 様々な国において、自国産業育成や安全保障等の観点から、重要な企業については、外国資本の株式保有を規制しています。 外国からの対内直接投資を歓迎するとともに、外国投資家を公正かつ同等に扱う米国ですら、国…

【余話】「PAYPAY」の不正利用はかなりヤバい問題~アプリ利用者以外にも影響あり~

かなり大きな問題となりそうなニュースが報道されています。 今回は速報として、記事を掲載します。 報道内容 「PayPay」 不正利用相次ぐ 覚えない請求に注意を2018年12月17日 16時36分 NHK Web News QRコードを使ったスマートフォンの決済サービス…

昭文社の早期退職者募集~短期的な信用懸念は僅少~

全国各地の道路地図「スーパーマップル」、旅行ガイドブックの「まっぷる」、「震災時帰宅支援マップ」などで知られる昭文社(東証1部)が2019年3月期の業績予想を下方修正し、希望退職を募ると発表しました。 今回は、出版不況の中、昭文社がどのような状況な…

仮想通貨規制の今後~金融庁案の全体像~

金融庁の仮想通貨交換業等に関する研究会が報告書の案を公表しました。本研究会は、仮想通貨交換業者の不正アクセス・仮想通貨流出等の状況を受け、仮想通貨交換業等を巡る諸問題について制度的な対応を検討するため、2018年3月に設置されていたものです。 …

産業革新投資機構の社外取締役の辞任コメントから見る日本の問題点

産業革新投資機構の民間取締役全員が辞任表明をしました。 一部報道では、役員の報酬で経済産業省と対立したとされていますが、辞任理由はもっと根本的なものです。 今回は、社外取締役が辞任表明に際してコメントを発表していますので、その全文を掲載しま…

2018年9月中間決算における主要行と地方銀行の決算比較~やはり地銀は厳しいという現実~

金融庁が銀行の2018年9月期決算(2019年3月期中間決算)の概要を取りまとめました。 今回は、個々の銀行の中間決算ではなく、銀行業界としての中間決算状況について確認しましょう。決算のとりまとめ内容としては、主要行と地方銀行に分かれています。地方銀…

株式市場が不調な時に見直されるマーケットニュートラルという投資戦略

近時、株価の変動幅が大きくなってきています。ここしばらくは大幅な下落もあり、投資で損失を出している個人もいるでしょう。 このような相場の時には、リスクを抑えて安定的に収益を得たいと考える投資家が増えます。また、「買い建て(ロング)」のみの株式…

保険会社のビッグデータ活用方法~情報の使い方には留意が必要~

金融審議会「金融制度スタディ・グループ」(平成30事務年度第4回)が開催されました。 この審議会では「情報通信技術の飛躍的な発展等を背景に、金融と非金融の垣根を超えた情報の利活用が可能となり、従来は存在しなかった利便性の高い革新的なサービスが…

大塚家具の在庫一掃セールの影響について考える

大塚家具が2018年10月に続き11月も増収を確保しました。これは9月下旬から開催している在庫一掃セールの効果です。 大塚家具は、2018年10月に増収に転じるまで15カ月連続で売上が対前年割れとなっていました。 それでは、大塚家具の業績は持ち直したのでしょ…

ESG投資にリターンは期待出来るのか~現時点での研究結果~

ESG(環境・社会・ガバナンス)投資に変調の兆しがあると日経新聞が報じています。そして、そのESG投資が減少する可能性の理由に投資リターンを挙げています。投資家が、理念先行の投資よりもリターンを重視するシナリオがあり得るとしているのです。 今回は、…

JR北海道は今後も存続可能か~JR北海道の決算分析~

北海道旅客鉄道(JR北海道)の経営が厳しいと報道されています。 地方は人口減少、過疎化が進み、交通インフラもそれに伴い乗車人数が減少しています。インバウンド等の観光での利用も路線が限定されています。 では、鉄道事業とは、どの程度厳しいのでしょ…

スルガ銀行の業務改善計画は一読の価値あり

シェアハウス問題等の渦中にあるスルガ銀行が金融庁へ業務改善計画を提出しました。 投資用不動産融資に関する不祥事を反省し、業務運営を抜本的に改める内容としています。 今回は、スルガ銀行が金融庁に提出した業務改善計画について確認していきましょう…

貸金業関係資料集にみる業界の衰退と銀行への教訓

金融庁が貸金業者にかかる統計データを公表しました。 このデータ内には長期的な動向が掲載されており、貸金業者の「衰退」が現れています。 今回は、貸金業者の長期的な動向・推移について確認してみましょう。 貸金業者の長期的推移 消費者金融の残高推移 …

ASEAN主要国における不動産規制~ベトナム・マレーシアの事例~

日本の不動産価格は高止まりが続いています。そろそろピークを迎えるのではないかと言われながらも、下落に至っているわけではありません。 しかし、日本の人口動態を見れば、長期的には確実に人口対比で不動産が余剰となります。 そのため、個人として投資…