銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

衛星画像はどこまで投資に使えるのか~技術を理解する~

衛星の画像データが軍事目的だけではなく、民間の運用会社でも利用されていることをご存じの方も多いでしょう。 今まで運用会社が活用してきた情報は、事後に政府・企業等が集計したデータでした。 例えば、住宅の着工戸数、GDP、消費者物価指数、企業業績等…

地銀の有価証券運用には論外の事象も~金融庁のモニタリング結果~

(画像 NHKホームページより引用) 2018年7月に金融庁が地域銀行(≒地銀)の有価証券の運用状況についてモニタリングを行った中間結果を公表しました。 近時公表されている様々なペーパーから、金融庁の地銀に対する高い問題意識は伺えますが、有価証券の運…

そろそろ地銀のビジネスモデルは限界では~金融庁の地銀モニタリング結果~

2018年7月に金融庁が地域銀行(地銀等)へのモニタリング結果のまとめを発表しました。 地銀が目先の収益確を優先し持続可能性に課題を抱える等のかなり厳しい内容となっています。 今回は、このモニタリング結果について確認していきましょう。 報道内容 モ…

東日本銀行の行政処分は他銀行にとって他人事か

コンコルディア・フィナンシャルグループ傘下の東日本銀行に対して行政処分がなされました。 同行は収益増加のためお客様から根拠不明確な融資手数料を徴収していました。また、融資の一部を強制的に定期預金させる不適切な融資もありました。 東日本銀行に…

投資と投機とギャンブルの違い

株式投資はギャンブルのようなものだと言われることがあります。 損をする覚悟で「投資」すると発言する方もいらっしゃるでしょう。 一方で、投資とギャンブルは違うと考えている人もいます。 投資とギャンブルに違いはあるのでしょうか。 また、投機という…

LINEは決済革命を起こせるのか

LINEが決済分野で攻勢に出ようとしています。これは既存の銀行にとっては大きな影響をもたらす可能性があります。LINEが狙う「決済革命」がどのような意味を持ち、影響があるのかについて考察します。 報道内容 LINEの発表内容 LINEが狙うもの LINE PAY普及…

金融庁の検査・監督は金融機関の「多様性」を許容するのか

2018年7月に金融庁の「融資に関する検査・監督実務についての研究会(第1回)」が開催されました。 金融庁は検査・監督の方向性を変えていこうとしています。 従前の金融庁検査は、個社毎の債務者区分を査定されるような検査が一般的でした(イメージはドラ…

カジノというシステムの根幹は「有利なルールと大数の法則」

2018年7月6日にギャンブル依存症対策法が参議院本会議で可決・成立しました。 今後も統合リゾート法(IR法)は議論・話題となっていくでしょう。 ところで、カジノの誘致について前提になっていることがあります。 それはカジノを解禁したら、「カジノ業者が…

持投資口制度(持ち株制度のREIT版)について

持ち株制度のREIT版を大和ハウスが導入するとの報道がなされています。 この持投資口制度(持ち株制度のREIT版)については聞き慣れない方も多いかもしれません。 今回はこの持投資口制度およびその原型である持株会制度について確認しましょう。 報道内容 持…

上場企業に求められる情報開示の拡充~役員報酬と政策保有株式~

金融庁が上場企業に対して情報開示の拡充を求めています。 今回は情報開示が拡充される方向にある項目のうち、役員報酬および政策保有株式について現状の流れを取り上げます。 また四半期開示についての議論についても押さえておいた方がよいでしょう。 今後…

なぜ銀行の建物は立派なのか~銀行の本質は信用~

(写真は三井本館) 銀行の建物を立派だと感じたことはないでしょうか。 15時には窓口が閉まるにもかかわらず、豪華な外装の銀行のビルはまだ多数残っています。 なぜ、銀行の建物は見栄えが良いものにしているのでしょうか。 なぜ、銀行の本店は巨大なので…

IFRS改定で消えるのはリースのみならず「不動産賃貸業」の可能性も

国際会計基準(IFRS)のリースにかかる会計基準の変更が2019年から予定されています。 現時点では、このリースにかかる基準変更の影響は限定的でしょう。 しかし、日本の会計基準は国際会計基準に足並みをそろえてきました(コンバージェンス)。 この基準変…

これでも銀行から投資信託を買いますか?~金融庁の分析と指標導入~

金融庁が投資信託を販売する銀行・証券会社に対して、比較可能な共通指標を導入することを発表しました。 この共通指標は投資信託の購入コストとリターン等、お客様が取るコスト・リスクとリターンが相応かという点等を浮き彫りにするのが狙いです。 銀行・…

企業年金におけるオルタナティブ投資の現状

企業年金のオルタナティブ投資が拡大しているようです。そして、代わりに債券や株式の割合が減少しています。 今回は、この投資の変遷について確認していくことにしましょう。 報道記事 企業年金実態調査結果 2004年度の厚生年金基金と確定給付企業年金基金…

RIZAPの成長はグレー~会計とキャッシュの話~

RIZAPグループが注目を浴びています。 直近では、札幌証券取引所のアンビシャス市場(新興企業向け株式市場)の取引95%程度がRIZAP一社で占められているという記事が報道されていました。 確かにRlZAPグループは規模も大きくなり、凄まじい勢いで成長していま…

金融庁からの警告~地銀の有価証券運用とガバナンス~

金融庁では、「行政の透明性の向上を図るとともに、金融庁の問題意識を適時に発信する観点を踏まえ、業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点を公表すること」としています。 今回取り上げるのは、2013年5月に開催された全国地方銀行協会・…

史上最強の金融庁長官 森氏の退任について考えること

通例を超えて3期務め、史上最強の長官と言われた森金融庁長官の退任が報道されています。 金融業界外の方にとってみれば金融庁の長官と言われても認識は薄いかもしれません。 しかし、ここ暫くの間は金融界、とりわけ銀行にとって非常に大きな影響を与えてき…

銀行からお金を借りると利息を「もらえる」時代は来るのか~マイナス金利という事象~

2018年6月21日に銀行関係者にとっては記憶に残るかもしれない事象が起きました。 TIBOR(Tokyo InterBank Offered Rate、東京銀行間取引金利、読み:「タイボー」)が公表開始以来初めてマイナスになったのです。 日本銀行のマイナス金利政策が導入されても…

島根銀行は近未来の他行の姿か、ただの周回遅れか~2018年3月期決算~

島根銀行の業績が苦戦しています。 金融庁が島根銀行に業務改善命令を出すとも報道されています。しかも、業務改善命令は、法令違反ではく経営再建に関するものとされています。これは異例のことです。 島根銀行の経営状態はどのようになっているのでしょう…

2030年の住宅市場への恐怖~野村総研予測2018~

銀行はアパートローンを通じて日本の貸家建築の一翼を担ってきました。 スマートデイズが展開していたシェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナーにスルガ銀行が貸出を行っていたように、金余りの環境下で銀行はアパートローン貸出に注力してきたのです。 し…

キレイごとばかりではない三井住友銀行の石炭火力発電所建設資金への融資厳格化の背景

三井住友銀行が石炭火力発電所の建設資金に関する融資基準を厳しくしました。 この流れはどのような背景があるのでしょうか。 銀行も環境を考える時代になったということでしょうか。 今回は銀行による石炭火力発電所への融資基準の厳格化を題材に、銀行を取…

池田泉州銀行の運用失敗は地銀共通の問題~2018年3月決算分析~

地方銀行(地銀)の苦境がマスコミで報道されています。 今回は大手地銀の池田泉州銀行の決算について見ていくことにしましょう。 地銀の置かれている状況が理解出来るのではないかと思います。 2018年3月期単体決算の概要 単体決算のポイント 池田泉州銀行の…

福島銀行は業務改善命令を受けるほどなのか~2018年3月期決算分析~

地方銀行の福島銀行が大幅な赤字計上を行いました。 同行は2018年3月期連結決算にて最終損益が30億円の赤字(前期は12億円の黒字) となり社長が引責辞任しました。 そして、後任にライバル地銀の東邦銀行元専務を就任させることにしています。 金融庁からは業…

現物株型の役員報酬導入増について

「現物株型」の役員報酬を導入する企業が大幅に増加しています。 この現物株型の役員報酬は「経営者と株主が同じボートに乗る(セイム・ボート)」ことになり望ましいとされています。 現物株型の役員報酬がなぜ導入されているのか、従前から存在していたス…

第二地銀は冷静にみてヤバいのか(2018年3月期決算分析)

第二地方銀行協会(第二地銀協)の会員である第二地方銀行(41行、第二地銀)の決算の概要が、第二地銀協から発表されています。 前回の記事では第一地銀が会員となっている地銀協(64行)の決算について考察しました。 今回は、特に業績が悪いとされる第二地銀の2…

全国地方銀行協会(地銀協)加盟行の2018年3月期決算について

全国地方銀行協会(地銀協)から加盟地方銀行(64行)の2018年3月期決算についての概要が発表されました。 マスコミ報道等では、地方銀行(地銀)の業況は厳しさが加速しているとされています。 今回は第一地銀の2018年3月期決算状況について考察します。 全…

【余話】 確定拠出年金の日経新聞報道について思うこと~株高はDC導入の追い風ではない~

本日の日経新聞に確定拠出年金についての記事が掲載されておりました。 筆者としては、確定拠出年金の記事で少々問題がある論調であると思う記事を見ることがあります。 当該記事も同様でした。 今回は、この確定拠出年金に関する記事内容の問題について記載…

RIZAPは投資家にコミットしていけるのか(2018年3月期決算分析)

(※画像は本文とは関係ありません) RIZAPグループの拡大が続いています。 表面上好調な決算に加え、カルビーの会長だった松本氏を代表取締役COOに迎えることを発表し、さらに350億円強の増資も実施することになりました。 RIZAPグループは、2012年3月期決算…

TBSに対して物言う株主が提案をする背景

東京放送ホールディングス(TBS)と英国投資家アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)との間で株主提案をめぐっての対立が続いています。 なぜ、TBSは物言う株主・アクディビストに狙われているのでしょうか。 今回はTBSが株主提案を受けている背景につ…

最高裁判決(ハマキョウレックス、長澤運輸)の影響を考察する

銀行員を含む会社員にとって、非常に影響のある最高裁の判決が出ました。 この判決は契約社員や定年後の再雇用者と正社員との待遇格差についてのものです。 特に銀行には契約社員も多く、再雇用の問題もあります。 今回は、この最高裁判決について考察します…