銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

コロワイドの大戸屋HD買収は資金繰りに懸念

外食大手のコロワイドが大戸屋ホールディングス(大戸屋HD)への敵対的 TOBを成功させました。ほどんどの経営陣を入れ替え、業績のてこ入れを図るとしています。 コロワイドは買収を重ねることで拡大してきた企業です。このようなやり方もアリでしょう。 しか…

コロナ禍におけるマクロの問題は、個人に余剰資金が滞留していること

家計の手元資金が余剰になっています。 日本銀行(日銀)は資金循環統計として四半期ごとに各部門の資金過不足を公表しています。 今回は、コロナ禍において、この資金過不足がどのような状況になっているかを確認しましょう。 少しは、コロナ禍における政策…

小説「帝国銀行、人事部」が50話目に突入しました!

コロナ禍の中始めた、連載中の銀行員小説「帝国銀行、人事部」が50話目に突入しました。 現在は、人事部の担当である主人公が、ある支店長のパワハラを止めようとしたところ、自身の不倫疑惑を逆にかけられ、必死に対抗しているところです。 半沢直樹のよう…

東京のオフィス賃貸マーケットは崩壊するのか

コロナ禍の環境下、7年近く上昇を続けてきた東京都心のオフィスビルの賃料が下落に転じたと報道されています。 オフィスを中心に投資する上場REITの投資口価格(≒株価)も冴えません。 スタートアップやIT系企業は、在宅勤務への恒常的な移行によりオフィス…

日産自動車の借入に対する政府保証は、日産の信用力棄損を意味する

日産自動車(日産)はゴーン氏の解任劇以降、業績に陰りが見えていたところにコロナ問題が直撃し、厳しい環境が続いています。 その日産に対して、日本政策投資銀行が2020年5月に決めた日産への融資1,800億円のうち、1,300億円に政府保証をつけていたことが…

日本の大企業における閉塞感の理由を探るヒント

今回は単なる記事のご紹介です。 作者の方に了解を得ている訳ではありませんが、どうしても(勝手に)ご紹介したいので以下リンクを貼ります。 このnoteの記事では、トヨタの人事部の方がトヨタが好きだったのにもかかわらず、閉塞感を抱き、退職した経緯が…

不動産仲介現場が想定する不動産の今後~不動産市況DI調査~

コロナ禍は様々業種に影響を及ぼしています。 百貨店は不振となり、飲食店は全体で見ればかなり厳しい状況にあります。ホテルは閑古鳥が鳴いているような状況とされますし、旅行代理店は先行きが見通せない状況にあります。 このような中、不動産はどのよう…

地銀は本当に数が多すぎるのか?

自民党総裁選への出馬を表明している菅官房長官が、地方銀行(地銀)について「再編も一つの選択肢になる」と発言し注目されています。 菅官房長官は、地銀は「将来的には数が多すぎる」とも発言しています。 そこで、素朴な疑問が沸きます。 確かに地銀は本…

コロナ環境下における消費動向~衣服の動向には今後注目~

コロナウィルスは我々の生活をすっかりと変えてしましました。 感染症拡大当初は、トイレットペーパーが不足したことを思い出される方もいらっしゃるでしょう。そして、外出や外食が減り、もちろん旅行に行くことも減っています。 現在はWith コロナとして、…

金融庁の2020年度金融行政方針における銀行のトピックス

金融庁が「令和2事務年度 金融行政方針」を発表しました。 タイトルは「コロナと戦い、コロナ後の新しい社会を築く」です。 金融行政方針は、金融庁が今後1年で取り組む重点施策を盛り込んだものであり、金融行政の方向性について非常に参考になるものです…

小説「帝国銀行、人事部」が40話目に突入しました!

コロナ禍の中始めた、連載中の銀行員小説「帝国銀行、人事部」が40話目に突入しました。 現在は、帝國銀行という都市銀行の中野坂上支店でのパワハラ事案への対応に向けて、人事部の担当である主人公が奔走しているところです。 半沢直樹のような派手な世界…

コストの高い投資信託はパフォーマンスが悪いという不都合な事実

金融庁が「国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標 (KPI)に関する調査」を公表しました。 これは国内の運用会社が発売している投資信託が本当に投資家のためになっているのか、運用コストと運用パフォーマンスの間にきちんと相関関係がある…

コロナショックで見る日米債券市場における投資家層の相違

コロナ禍が続いています。 コロナ感染症が拡大した2020年3月から4月にかけて、米国では、国債市場に止まらず、地方債や高格付の社債市場等においても、流通スプレッドが大幅に拡大するなどの不安定な動きがみられました。 一方、日本の社債市場では、3月から…

私募投信残高100兆円突破は地域金融機関の運用力の無さの象徴

私募投信の残高が初めて100兆円を突破しました。 この事象は金融緩和の環境下においてどのような意味を持つのでしょうか。 そもそも私募投信を購入しているのは「誰」でしょうか。 今回は私募投信の残高を通じて、地銀の経営について少し考えてみましょう。 …

銀行はコロナ禍の中で取引先をきちんと支援しているのか?

日本銀行(日銀)が発表した2020年7月の貸出・預金動向を見ると全国の銀行の貸出平均残高は急増しています。 今回は銀行の貸出残高の動向を確認することによって、コロナ禍の中で銀行が果たしている役割について確認してみましょう。 日銀貸出・預金動向 銀…

なぜ現金の流通が多くなっているのか~キャッシュレス化を阻むもの~

日本は他国に比べて紙幣の流通量が突出して多いことが知られています。 これは何故なのでしょうか。 日本銀行の理事がこの理由について解説しています。 非常に分かりやすい説明であり、今回はこの「日本で現金の流通が多い理由」について簡単に確認していき…

全国の銀行113行の2019年度決算のポイント

全国銀行協会が、全国銀行(113行)の2019年度決算の状況(単体ベース)を発表しました。 この統計は、銀行の単体決算を集計しているため、全国の銀行「本体」の決算状況をつかむことができます。 今回は、この全国銀行の2019年度決算の状況(単体ベース)に…

小説「帝国銀行、人事部」が30話目に突入しました!

コロナ禍の中始めた、連載中の銀行員小説「帝国銀行、人事部」が30話目に突入しました。 文字数では29,000字まで来ています。 周囲からは面白くないと言われたり、説明があり過ぎて今のブログを小説にしたようなものだと言われたり、エンターテイメントが分…

GPIFの2020年度1Q運用実績は過去最高

公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(以下GPIF)が2021年度1Qの運用実績を発表しました。 GPIFの運用実績は赤字になるとマスコミで大きく取り上げられ、将来の年金支給が減るのではないかとの論調が多くなります。 今回の運用実績はどうだっ…

みずほと三井住友の2021年3月期決算における不良債権処理比較

みずほFGと三井住友FGの2021年3月期1Q決算が発表されています。 両FGの決算において、コロナ対応での与信関係費用はどのようになっているのでしょう。 今回は、コロナでの不良債権処理を含めた与信関係費用について簡単に確認してみま ょう。 両FGの与信関係…

みずほFGの2020年度1Q決算からコロナの影響を読み解く

みずほFGが2021年3月期第1四半期(1Q)決算を発表しました。 銀行にはコロナの影響によって借入希望が殺到しているとの報道もあります。 みずほの状況はどのようになっているのか、そして、コロナは銀行経営にどのような影響を及ぼしているのか、簡単に見て…

ソフトバンクGの10年間の経営を単純化して評価する

(出所 ソフトバンクグループWebサイト/海援隊旗「 二曳(にびき)」) ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)ほど、日本で業績がニュースになる企業も少ないでしょう。 ソフトバンクGは、孫正義氏の投資先企業に対する圧倒的な目利き力で成長してきた投資…

日銀が中央銀行デジタル通貨の発行に向けて動く理由

デジタル通貨の検討のため、日本銀行(日銀)がグループを新設したと報道されています。 デジタル通貨を導入するとどのような良いことがあるのでしょうか。 Suicaと何が違うのでしょうか。 そして、なぜ日銀はデジタル通貨を検討するのでしょうか。 今回はデ…

別ブログ「銀行員はお嫌いですか」が60記事を超えました

2020年4月下旬に立ち上げた新しいブログ「銀行員はお嫌いですか」の記事が60本を超えました。 直近の記事では、万年筆について取り上げています。 www.doyoulike-banker.site 当ブログ「銀行員のための教科書」よりはゆるく発信しています。 もしご興味があ…

銀行の建物が立派である理由はビジネスモデル

テレビドラマ「半沢直樹」が始まってしまいました。 この半沢直樹に出てくる銀行の建物が随分と立派だと感じたことはないでしょうか。 なぜ、銀行の建物は見栄えが良いものにしているのでしょうか。 なぜ、銀行の本店は巨大なのでしょうか。単純に勤務してい…

小説「帝国銀行、人事部」が25話目に突入しました!

コロナ禍の中始めた、連載中の銀行員小説「帝国銀行、人事部」が25話目に突入しました。 文字数では24,000字まで来ています。 100話ぐらいまで連載する構想です。 筆者にとっては、まだまだ長い道のりです(勝手に執筆を始めただけですが)。 www.business-n…

消化仕入というアパレルメーカーと百貨店を壊す商慣習

新型コロナによる休業や営業時間の短縮で、アパレル企業の在庫が過去最高水準まで膨らんでいると報道されています。 この要因は、アパレルメーカーだけの問題ではなく百貨店やショッピングセンターの商慣習にあるとも指摘されています。 今回は、アパレルメ…

銀行の不良債権問題はこれから

日本銀行が金融システムレポート別冊シリーズ「2019年度の銀行・信用金庫決算」を発表しました。 このレポートにおける銀行の決算の状況、本業の利益の推移、貸出利鞘・利益の推移については、前回の記事で確認してきました。 今回の記事は、前回の記事の続…

銀行の2019年度決算と銀行が構造不況業種であるという事実

日本銀行が金融システムレポート別冊シリーズ「2019年度の銀行・信用金庫決算」を発表しました。 日本の銀行業は低金利下で構造不況に陥って久しいとされていますが、2019年度の業績はどうだったのでしょうか。あまり注目されることのない信用金庫の決算含め…

インパクトファイナンスという新潮流は無視できない

環境省が「インパクトファイナンスの基本的考え方」と題する報告書を公表しました。 財務的リターンだけではなく環境社会・経済にポジティブなインパクトをもたらそうとする投資は、世界的な潮流となりつつあります。 今回は環境省がこの投資、すなわちイン…