銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

サラリーマンよ、そろそろ公的年金制度について怒るべし

国民年金と厚生年金の統合について衆議院の厚生労働委員会にて野党から提案がなされたと報道されています。 国民年金の受給額は厚生年金に比べて小額であり格差を縮めること (但し、国民年金は定額払い、厚生年金は報酬比例であり納付額は大きく異なります)…

ソフトバンクGは簡単には倒産しない

ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)が2020年3月期2Q決算を発表しました。 新聞等で報道されているように同社はweworkへの投資等で大きな損失を出し、決算は悪化しました。 業績悪化に伴いソフトバンクGへのマスコミの評価は厳しいものが増えているようで…

日銀のマイナス金利深堀は近いか〜政策決定会合で明らかになった銀行の味方が少ないという現実〜

2019年11月6日に日本銀行(日銀)が2019年9月に開催した金融政策決定会合の議事要旨が公表されました。 この議事要旨は日銀の将来における金融政策を予想する助けとなります。 近時、マイナス金利幅の拡大(深堀)が意識され始めていますが、日銀の議論のニ…

竹中平蔵氏の言う「90歳まで働く」というのは十分にあり得る未来

竹中平蔵氏が「90歳まで働くことになる」と発言したとして、ネットで話題になっています。総じて批判的、悲観的な反応が多いようです。 今回は、この「90歳まで働くことになる」ということについて簡単に考えてみたいと思います。 話題となった記事 元の記事…

日銀がマイナス金利拡大を実施した場合の地銀への影響を簡単に試算する

格付大手のS&Pが、日銀がマイナス金利を0.1%拡大した場合に銀行収益へ及ぼす影響を公表しました。 同社の試算によると、地方銀行64行のうち56行で貸出業務が赤字となります。 ほとんどの地方銀行が本業で赤字となることになるのです。 今回はこのS&Pの試…

厚労省が作成した微妙な「パワハラ防止指針」

厚生労働省(厚労省)が労働政策審議会の分科会で、企業などが行うべき職場でのパワーハラスメント(パワハラ)防止策の具体的内容を定める指針の素案を示しました。 この指針案が、むしろパワハラを助長するのではないかとの疑問の声が出ています。 パワハ…

銀行のCLOへの投資は本当に大きな問題なのか?

CLOと呼ばれるローン担保証券への銀行の投資が注目を集めています。 CLOは、Collateralized Loan Obligationの略称で、銀行が事業会社などに対して貸し出しているローンを証券化したもので、ローンの元利金を担保にして発行される債券のことをいいます。 こ…

ブラック企業撲滅のためにも「未払賃金請求権の消滅時効延長」は妥協しないことを厚労省に求めたい

未払賃金の請求期間、すなわち賃金債権の消滅時効についての見直しが議論されています。 現在は賃金に関する債権は2年で時効を迎えます。今回の賃金債権の消滅時効の見直しについては、2020年4月の改正民法施行によって債権の消滅時効が見直されることに対応…

日本の「貧困」について整理しておきたい

日本は経済大国と言われながら、貧困が多いとされています。 7人に1人が貧困にあえぎ、母と子のひとり親世帯では半数以上が貧困に苦しむ、との報道がなされているのをご覧になった方も多いでしょう。 しかし、日本で一般的に生活していると「貧困」世帯の存…

「上級国民」という言葉にみる日本の分断

「上級国民」という言葉を聞く機会が増えました。 池袋高齢者暴走事故と呼ばれる2019年4月に東池袋で発生した自動車暴走死傷事故から、上級国民という言葉は一般化したように筆者は感じます。 今回は上級国民という言葉について資産や収入という観点から少し…

小説出版のクラウドファンディングが始まります!

皆様へ この度、幻冬舎さんとCAMPFIREさんが合弁出資しているEXODUSさんから、小説出版のクラウドファンディングを実施することになりました。 10月18日以降で募集開始する予定ですが、事前にお知らせさせて下さい。 camp-fire.jp https://camp-fire.jp/proj…

日銀への「スルガ銀の虚偽報告等は法令違反ではない」というちょっとした事実

スルガ銀行にいわゆるシェアハウスへの不動産担保融資問題が発覚してから、相応の時間が経ちましたが、スルガ銀行の経営はいまだ落ち着きを取り戻してはいない状態にあります。 その中で、2019年10月に日本銀行(日銀)がスルガ銀行に対して経営管理態勢の改…

台風襲来に大災害債券「CATボンド」を確認する

大型の台風が日本に迫っています。まずは、被害が出ないように祈るばかりです。 台風のような災害に対して金融はどのようなことが出来るのでしょうか。 火災保険や地震保険は分かりやすい例でしょう。残念にも建物に被害が出た場合等には補修費用を銀行が融…

在職老齢年金制度見直しの現状〜ちょうどよい見直しでは?〜

厚生労働省が働く高齢者の年金を減らす在職老齢年金制度を見直すと報じられています。 現在は65歳以上で47万円を超える月収がある人は年金が減りますが、月収の基準を62万円に引き上げて対象者を減らす案を軸に議論するとされています。 年金が減る仕組みは…

クラウドファンディングは金融機関の存在意義を考えさせる~出版の場合~

以前お知らせ致しました筆者の小説「ヂメンシノ事件」の出版にかかるクラウドファンディングのスタートが近づいてきました。 現在、募集のプロジェクトページ初稿を運営会社に提出したところです。 <プロジェクトページ/限定公開URL> camp-fire.jp https:…

年収890万円未満は"社会のお荷物"という説に言いたいこと

近時、所得や税金、社会保障についての話題が増えました。 金融庁の審議会が発表した報告書が、老後に公的年金だけでは足りず30年間で2,000万円必要と指摘した老後2,000万円問題や、年金の所得代替率が低下する年金財政検証、消費増税等、話題には事欠きませ…

WeWorkの企業評価復活は非常に難しいことを簡単に確認する

(写真は同社上場申請書類から) コワーキングスペースを世界中で展開し、ソフトバンクグループが出資したことでも有名なWe Workが話題となっています。 企業価値は470億ドルとされていたものが、いっきに半分以下の評価へ下落すると報道され、その後、上場…

クラウドファンディングExodus(エクソダス)にて小説出版に挑戦します!

読者登録を頂いている皆様へ この度、チャンスを頂き、クラウドファンディングにてEXODUSからの出版に挑戦することになりました。(サイトは以下)https://exodus.jp/ 現在、当ブログの姉妹サイトにて公開している経済小説「ヂメンシノ事件」を改訂して出版…

貧乏人ほどタピオカやスタバを好む理由

「貧乏人ほどスタバでコーヒー買うか、タピオカのドリンクを飲む」傾向にあると聞いたら、どのように感じるでしょうか。 知人の経営者から筆者がこの話を聞いた時には、最初はバカにされているような気分になったものですが、後から妙に納得したものでした。…

温暖化による海面上昇は不動産に影響を与えるという無視できない議論

地球温暖化による海面上昇が不動産にもたらすリスクが改めて注目され始めています。 現在、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が開催されており、公表される報告書の内容が報道されていることも要因です。 今回は、地球温暖化による海面上昇につい…

口座維持手数料は愚策〜銀行離れを加速させる可能性も〜

銀行の口座維持手数料導入の動きが出てきています。 各国が金融緩和に動く中、日本銀行もマイナス金利の深堀を行う可能性が出てきたことに起因するものでしょう。 今回は銀行の口座維持手数料について簡単に考察してみたいと思います。 直近の動き なぜ口座…

株主優待をもてはやす風潮は「株式市場を弱めている」可能性も

多くの企業の中間期末である9月末が迫ってきました。 株式投資家にとっては中間配当が気になる時期ですが、株主優待に関する特集も様々な媒体で組まれています。 株主優待は個人投資家に人気で、株主優待生活を実践している有名投資家も存在します。しかし、…

これから貸倒引当金の積み増しを金融庁から迫られる地銀の憂鬱

金融庁が金融検査マニュアルの廃止に伴い、銀行の経営を監督するための考え方を示す「ディスカッションペーパー」の案を公表しました。 今回は、金融庁のディスカッションペーパーから見える「金融庁の地方銀行に対する懸念点」について確認します。 ディス…

銀行の業況が厳しいことを「簡単な数字」で見る

銀行の業況が厳しい状況が続いています。 マイナス金利政策が導入され、貸出金利のみならず国債等の債券も利回りが低下しており、特に地方銀行は利益を確保するのに苦しんでいます。本業が赤字の銀行も多いとされています。 上記のような報道を目になさった…

「動産」を活用した新たな担保権創設とは?~ABL普及の障害要因~

日経新聞が法務省が「動産」を対象とした新たな担保権を創設する検討に入ったと報じています。 「動産」とは、生産設備のような機械や商品在庫がイメージしやすいでしょう。企業が事業を行っていくうえで保有・活用することが非常に多い資産です。 政府は、…

『覇権国家戦争』米国VS中国~歴史に学ぶ覇権国の条件とは~

米中の貿易戦争が開始されています。 この経済戦争は、両国の覇権争いであることは間違いありません。 そして、筆者の目から見れば、現時点では米国が優位であると思います。 しかし、米国の優位はいつまでも続くのでしょうか。 そもそも、米国はトランプ大…

金融庁がノルマより重視する経営理念とは?~基本的に銀行の体質はブラック~

銀行の経営環境は厳しい状況が続いています。米国は利下げに転じており、各国中央銀行の金融緩和競争が始まる可能性は高まっています。 現状では、銀行の経営環境が好転する可能性は低いと言わざるを得ないでしょう。 このような環境下では、いくら立派な「…

年金財政検証の結果を勘違いしていませんか?

公的年金の財政検証結果が厚生労働省から発表されています。 この財政検証結果については、将来の年金受給者が現役時代と比べた際にどの程度の年金を受給できるのか(所得代替率)に注目した報道がなされています。報道の内容は、総じて「年金が将来も貰える…

韓国からの訪日客が減少するのは騒ぐべきことか?

日韓関係が冷え込んでいます。 「過去最悪の日韓関係」という言葉が、いつのまにかマスコミで使われるようになり、気づけばありふれたものになっています。 その中で、日本への韓国人旅行者が大幅に減少していると報道されています。 今回は、韓国人の訪日旅…

銀行の定期人事異動ルール廃止の背景には、キャッシュレス社会の到来があるのか?

銀行の定期異動ルールを金融庁が撤廃するとの報道がなされています。 銀行の担当者を定期的に異動させるルールは、不正や癒着防止のために作られたものです。このルールを撤廃するというのはどのような意味・背景があるのでしょうか。 今回は、銀行の定期異…