銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

レオパレス21の施工不良問題に見え隠れする日本企業の根本的な問題

レオパレス21が施工不良問題で、外部調査委員会が中間報告を発表しました。 この報告では、創業者であり当時の社長によるトップダウンの指示があったことも判明しています。 一部ではレオパレス21の問題について報道されていますが、調査委員会の報告書その…

仮想通貨の呼称を暗号資産に変えるのは妥当か?

政府が仮想通貨の呼称を「暗号資産」へと変更する法律改正案を公表しました。 今回はこの仮想通貨の呼称変更について簡単に考察しましょう。 報道内容 (参考情報)バーゼル銀行監督委員会の発表 法律改正案の内容 所見 報道内容 政府が仮想通貨を暗号資産と…

敵対的TOBは悪く無いが、伊藤忠のデサントへのTOBは少数株主軽視

伊藤忠商事(以下伊藤忠)によるスポーツ用品大手のデサントに対する株式公開買付(TOB=take-over bid)が成立しました。 伊藤忠はデサントの40%の議決権を確保し、経営陣の体制変更を求めるものと見られています。この伊藤忠によるTOBは、日本で敵対的TOB…

CLO自体が「悪」なのではなく、とにかくリスクを避ける傾向が「悪」

レバレッジド・ローンや、それを証券化したCLO(Collateralized Loan Obligation=ローン担保証券の略)の残高増加が注目されています。特に邦銀が投資家として存在感を示しており、金融庁も邦銀の投資動向に注目しているようです。 上記環境下、日本銀行が…

みずほの2019年3月期業績下方修正は「前向きではない」という事実

みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)が2019年3月期の業績予想を引き下げました。 主な要因は勘定系システムや店舗の減損処理と債券・デリバティブの処理です。 みずほの今回の業績下方修正は何を示しているのかについて、今回は考察していきましょう。…

日本のリース会計基準変更は一部の不動産マーケットには逆風も

日本の会計基準を策定している企業会計基準委員会がリース取引の資産計上について見直しを検討していることが報道されています。 同様の見直しがなされているIFRS(国際会計基準)等では、リース取引に不動産の賃借が含まれることになっています。 日本の会…

デジタル法定通貨が簡単には実現しない訳

日本銀行の雨宮副総裁が現時点ではデジタル通貨の発行計画がないことを衆議院の予算委員会で述べたと報道されています。 なぜ、日本銀行はデジタル通貨を発行しないのでしょうか。日本政府がキャッシュレス化を進めている中で、デジタル通貨を中央銀行が発行…

三井住友銀行の一般職廃止は不可逆であり時代の転換点~RPAのインパクト~

三井住友銀行が一般職と総合職を統合するとの報道がなされています。 一般職を廃止する動きは銀行のみならず他業界でも行われてきましたが、銀行業界では業績が厳しいこともあり、人事制度の変更が今後相次ぐ可能性があります。 今回は一般職と総合職の統合…

もうそろそろ地銀には店舗の外部賃貸を完全に自由化しては?

銀行の店舗の空きスペースの活用について報道されるケースが多くなってきているように感じます。 特に地方銀行(地銀)は業績が厳しく、店舗という資産を活用し外部から賃貸収入を得られるようになることは業界全体としての悲願でしょう。 今回は、銀行の店…

【余話】大塚家具の記事をまとめた電子書籍を刊行

本日、大塚家具のブログ記事をまとめた電子書籍を刊行しました。 AmazonのKindleダイレクト・パブリッシングを使っています。 iPhoneやAndroidスマホでもAmazon Kindleのアプリさえあれば読めますので、ぜひよろしくお願い致します。 なお、kidle unlimited…

ローン担保証券(CLO)の増加はリーマンショックの再来をもたらすのか

ローン担保証券(CLO)と呼ぶ証券化商品が世界経済の新たなリスクとなってきたと日経新聞が報じています。 約10年前にはサブプライムローンを証券化した金融商品が世界に混乱を巻き起こしました。 ローン担保証券(CLO)とサブプライムローンの証券化…

銀行口座の入出金情報を活用した企業の信用力評価研究事例

日本銀行とりそな銀行が銀行口座の入出金情報を活用した企業等の信用リスクを評価する共同研究(「入出金情報を用いた信用リスク評価」)の結果を発表しました。ビッグデータ、機械学習、AI等を活用したファイナンスの研究は銀行のみならずフィンテック企業…

大塚家具の増資を事例とした「株式の有利発行」について確認する

大塚家具が第三者割当増資等の資本増強策を発表しました。 この第三者割当増資は、増資が発表された前日である2019年2月14日の株価終値460円に対して290.11円であり、▲37%のディスカウントとなります。 2月14日に大塚家具の株式を保有していた「既存」株主…

大塚家具2018年12月期決算のポイントと今後の展望~増資は企業存続への最後のチャンス~

大塚家具が2018年12月期の決算を発表しました。 同時に資金調達およびヤマダ電機との業務提携も発表しています。 この資金調達および業務提携で大塚家具の経営は安定するのでしょうか。 今回は大塚家具の2018年12月期決算について確認していきましょう。 大…

スルガ銀行の「資金繰り」という問題(2018年4~12月決算)

スルガ銀行が2019年3月期3Q(2018年4~12月)決算を発表しました。 シェアハウス向け融資に端を発したスルガ銀行の状況はどのようになっているのでしょうか。 今回はスルガ銀行の決算について重要なポイントに絞って見ていきましょう。 決算概要 資金繰り問…

銀行の融資残高500兆円台の回復は「個人・不動産」向けに偏重

銀行の融資残高が20年ぶりに500兆円台を回復したと日銀が貸出金統計にて発表しました。 しかし、融資残高の内容は「ゾンビ」企業への貸出も含んでおり健全ではないと報道されています。 今回は、この銀行の融資残高の内容について簡単に見ていくことにしまし…

レオパレス21の会社存続のカギは「法人契約」と「不良施工物件がどの程度存在するか」

レオパレス21の業績が赤字に転落しています。 赤字は施工不良問題が要因ですが、テレビ東京「ガイアの夜明け」における告発番組もあり、レオパレス21の企業としての存続に注目が集まっているのではないでしょうか。 今回はレオパレス21が企業として存続でき…

ソフトバンクGがエヌビディア株下落をヘッジしたカラー取引とは?

ソフトバンクグループが2019年3月期3Q(2018年4~12月)決算を発表しました。 この決算では、投資先の株価下落により厳しい決算が予想されていましたが、デリバティブ取引によりある程度損失を回避していたことが発表されました。 今回は、ソフトバンクグル…

MUFGの2019年3月期3Qは市場部門の苦戦が目立つ決算

メガバンク3行の2019年3月期第3四半期決算(2018年4~12月)が出そろいました。 今回は、メガバンク最大手MUFGの第3四半期決算について概要を確認していきましょう。 決算の概要 MUFG決算のポイント(P/L) MUFG決算のポイント(B/S) 所見 決算の概要 まず…

金融庁の次のターゲットは外貨建一時払い保険か

金融庁が投資信託等の販売会社における「顧客本位の業務運営」の足元の取組状況について公表しました。 この公表では、金融庁の問題意識、取り組みを求めている事項が記載されています。 今回は、銀行のリテール(個人)営業において将来的に影響する「顧客…

曙ブレーキ工業の金融支援要請の背景は何か

東京証券取引所第1部に上場する自動車部品製造の曙ブレーキ工業(曙ブレーキ)が私的整理の一種である「事業再生ADR」を第三者機関に申請したとの報道がなされています。 今回は曙ブレーキの私的整理要請について考察します。 報道内容 業績状況 資金繰…

日本銀行券の発注と流通量とキャッシュレス

日本銀行が独立行政法人国立印刷局に発注する日本銀行券の枚数を公表しました。 日本ではキャッシュレス化が政府が推進しています。銀行も現金取り扱いコストを下げようと様々な対策やサービスを出してきてきます。 今回は、日本銀行券の発行や流通の動向に…

東証の上場市場再編はコーポレートガバナンス対応が一つの重要な切り口に

2019年1月28日に開催される「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第17回)の議事次第が事前に公表されました。 この会議では特にコーポレートガバナンス・コードの企業の受け入れ(コンプライ)状況や有…

AIは金融分野で人(ヒト)を駆逐するのか~資産運用の場合~

「AI」という用語が急速に浸透してきています。 AI=人工知能を活用した様々なサービスが生み出され、AIという用語をメディアで見ない日は無いとっても良いでしょう。 そして、AIは人(ヒト)を代替するようになり、様々な職業が無くなるとも言われています…

三菱UFJ銀行の一部店舗での昼休み導入はキャッシュレス化の加速を引き起こす可能性あり

三菱UFJ銀行が一部の店舗で昼休みを導入しました。 店舗の昼休み導入がニュースとなるのは違和感があるかもしれませんが、銀行の営業時間に疑問を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。 なぜ、銀行は一般に9時から15時までしか空いていないので…

銀行の経営トップはなぜ「頭取」と呼ばれるのか

銀行という組織は特殊だと思う方は存在するでしょう。 例えば、「銀行員」という用語が存在します。銀行も会社ですから、普通に「会社員」「サラリーマン」等と言えば良いのに、なぜか銀行員です。 このような銀行の特殊性の一つが、組織のトップの名称です…

銀行保有情報の第三者への提供は新たなビジネスの芽になり得る

金融庁の金融審議会「金融制度スタディ・グループ」が金融機関による情報の利活用に係る制度整備についての報告を公表しました。 この報告書では、銀行本体で情報を活用したビジネスを営むことを可能とすべきとの方向性が述べられています。 今回はこの報告…

地方銀行の会計「装飾」は是正した方が良いという話

日経新聞が地方銀行(地銀)の会計「装飾」について記事としています。 今回はこの問題について確認します。 報道内容 私募投信の問題 所見 報道内容 日経新聞は『会計「装飾」のからくり 地銀波乱(3)2019年1月16日』とあう記事を掲載しました。 ポイント…

金融庁が要請したスルガ銀行への預金支援はナンセンス

スルガ銀行を金融庁が預金支援したと報じられています。 これはどのようなことでしょうか。 今回はスルガ銀行への預金支援について考察します。 報道内容 その他の報道等 所見 報道内容 日経新聞が非常に興味深い報道をしました。スルガ銀行の資金繰りを支え…

SMBC信託の「高級車信託」に対する考察

三井住友FG傘下のSMBC信託が面白い商品をリリースすると報道されています。 スパーカーやクラシックカーなどの希少・高級な自動車を対象とする「高級車」信託です。 今回はこの高級車信託について考察しましょう。 報道内容 信託という商品性 高級車マーケッ…