銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

出張中の移動時間は残業にならないのか~時代は変化している~

組織に所属していると業務で出張をしなければならないことがあります。 日帰り出張もあるでしょうし、前日に宿泊して朝から顧客訪問ということもあるでしょう。出張は移動時間が長いものです。 時折の出張であれば気分転換になるかもしれませんが、毎週出張…

厚労省の「派遣社員と正社員との待遇格差是正の指針」への懸念

厚生労働省が派遣社員に勤務年数や能力に応じた賃金を支払うように企業に義務付けるとの報道がなされています。 同一労働同一賃金の流れもあり、正社員と非正規社員との処遇格差のみならず、派遣社員の処遇も見直しを目指すとしています。 今回の義務付けは…

注目されない健康(医療)保険~問題は年金だけではない~

老後資金2,000万円必要とした金融庁の審議会の報告書が大きな話題になりました。改めて年金制度とは何かについて報道されるようになってきました。 年金制度については話題になってきているのですが、社会保障という観点では健康保険(医療保険)制度にも注…

「手取り収入の継続した減少」が日本の苦しさの要因

老後資金2,000万円必要とした金融庁の審議会の報告書が大きな話題になっています。 そして、消費税の増税が予定されています。 個人としては、増税や老後に備えて、節約や貯蓄・資産運用を考えている方も多いでしょう。 日本が一億総中流とされていた時代は…

会社の飲み会への強引な誘いはパワハラではないのか?

日本企業のような日本的組織には、飲み会(酒席)文化があります。 近時は、飲み会を忌避する従業員の増加や、共働き・子育て世帯の増加、パワハラやセクハラの発生への懸念、働き方改革等から、会社の飲み会への参加圧力は緩和されてきているかもしれません…

【決定版】法人営業担当におくる会食の心得~当日開始前編~

法人の営業に携わっている方が気にかけるべき要素の一つが接待です。 接待の一つである会食は、相応にお作法が決まっています。 前回、会食の事前準備について取り上げましたが、今回は当日の会食開始前について取り上げます。 会食は上手くいって当たり前で…

【余話】経済小説「ヂメンシノ事件」につき改訂を行いました

筆者は2019年4月に経済小説を掲載するブログを立ち上げています。 現在、地面師による積水ハウスへの詐欺事件を題材とした「ヂメンシノ事件」を順次公開しています。現在は80話前後まで到達しており佳境を迎えている状況です。 小説自体はAmazonにて2019年4…

中央銀行発行のデジタル通貨“Central Bank Digital Currency”(CBDC)のメリットと課題

日本銀行の雨宮副総裁が、デジタル通貨について近い将来の発行はないと発言しました。 日本ではキャッシュレス推進のための動きが盛んになっていますが、一方で事業者・規格が乱立しておりキャッシュレス化が進まない要因の一つと言われています。 その解決…

FacebookのLibra(リブラ)は既存の金融システムをひっくり返す可能性も

(出所 Libra Association Webサイト) 世界最大のSNS「Facebook」を中心とする企業連合が仮想(暗号)通貨「Libra(リブラ)」の発行を計画しています。 このLibraについては、大きく報道されている一方で、各国政府や中央銀行等から厳しい反応も相次いでい…

【決定版】法人営業担当におくる会食の心得~事前準備編~

法人の営業に携わっている方の悩みの一つに接待があるのではないでしょうか。 お取引先との接待といっても、気軽な飲み会もありますし、役員を含んだ会食もあります。 今回は、少し格式ばった会食について、その事前準備に焦点を当ててみます。 段取りに悩ん…

スターアジアのさくら総合REIT買収提案は、J-REIT買収時代の幕開けとなる可能性も

J-REITの業界に大きな動きが出ています。 スターアジア不動産投資法人がさくら総合リート投資法人に合併を働きかけていますが、これはJ-REITで初の敵対的買収案件となっています。 この事案は、今後のJ-REIT業界に大きな影響を与えることは間違いありません…

株主総会の集中日という慣行は株主軽視では?

3月決算の上場企業の株主総会がピークを迎えています。 なぜ上場企業の株主総会開催日は集中しているのでしょうか。近時の傾向はどうなっているのでしょうか。 今回は株主総会の集中日について確認しましょう。 報道内容 株主総会の開催集中日の動向 集中日…

新卒の賃金制度変更は、日本型雇用・終身雇用の終焉を示すシグナル

ユニクロを運営するファーストリテイリングが人事制度を見直し、入社3年で年収3000万円となる可能性まである制度とすると報道されています。 日本企業は経団連会長が終身雇用の維持が難しいと発言する等、日本型の雇用のあり方について見直す気運が高まって…

給与のデジタルマネー払い解禁は、銀行のビジネスモデルを破壊する懸念

会社から支払われる給与について、デジタルマネーで受け取ることができるようにする規制改革が議論されています。 これに対して銀行が警戒感を持ち、新規参入をけん制していると報道されています。 デジタルマネーでの給与受取ができるようになることは銀行…

日産が指名委員会等設置会社への移行を目指す理由

日産自動車がガバナンス改革を進める組織移行を株主総会の議案に挙げています。 しかし、報道では日産自動車の実質的な親会社であるルノーがこの移行に難色を示しているとされています。 この日産自動車が進める組織移行は「指名委員会等設置会社」への転換…

第二地銀の業績を冷静に見る

第二地方銀行協会(第二地銀協)の会員である第二地方銀行(39行、第二地銀)の決算の概要が、第二地銀協から発表されています。 地方銀行の経営環境が厳しいことは金融当局の見解やマスコミ報道で話題となっていますが、実際の数字面ではどのような状況にあるの…

第一地銀の2019年3月決算~まだリストラモードに入っていない驚き~

銀行、その中でも地方銀行(地銀)の経営不振がマスコミで報道されています。 構造不況業種と言われるほど、地銀の経営は不安視されています。 今回は具体的な数字を基に地銀の中でも規模が大きい全国地方銀行協会に加盟している第一地銀の決算について確認…

年金はなぜ世代間の扶養なのか?~自分の支払った分ぐらいは確保したい人に~

金融庁の金融審議会が発表した「高齢社会における資産形成・管理」の報告書の内容に、政治家やマスコミ等の非難の声が殺到しています。 この報告書によれば、年金だけでは老後の資金を賄うことができないため、95歳まで生きると夫婦で2,000万円の蓄えが必要…

老後2,000万円不足するかは個々の世帯次第~重要なのは自身の将来像~

金融庁が発表した報告書が話題となっています。 定年退職後に公的年金に頼った生活をすると毎月約5万円の赤字が出るとの試算がなされ、長寿化により会社員が定年退職後に95歳まで生きると夫婦で2,000万円の資金が必要という報告内容です。 政府が実施した以…

転勤は拒否できないのか?~カネカの事案にみる~

化学メーカーのカネカが育児休業明けの従業員に転勤を命じ、従業員が退職にまで至った事象が話題となっています。 本件はパタニティ・ハラスメント(略してパタハラ)という「男性の育児休業取得等に対し、職場で嫌がらせを受けること」に該当するとして、カ…

金融庁長官が多くの地銀の上場を無意味だと考えている現実と真の問題

地方銀行(地銀)の経営難が様々な機関や報道から指摘されて久しい状況にあります。 直近では金融庁の遠藤長官が地銀について厳しい認識を示しました。 今回は、この金融庁長官の発言について簡単に考えてみたいと思います。 報道内容 日銀の金融システムリ…

株式の持合いや政策保有株式の問題点は何か?~素朴な疑問点~

「株式の持合い」や「政策保有株式」という日本の高度成長期を支えてきたとも言われていた仕組に逆風が吹いています。近時はコーポレートガバナンス・コードの改定で企業は政策保有株式の売却を求められています。 「株式の持合い」や「政策保有株式」と言え…

日本国の財政をベタに家計に例えてみる

日本の財政状況が非常に悪い、日本国の借金が他国と比較しても膨大であるというような話をお聞きになったことがあるでしょう。 GDPと比較すると日本の借金は財政で問題となったギリシャやイタリアよりも悪いと解説する報道をご覧になった方も多いのではない…

株式の空売りは悪ですか?~思い込みを疑うことの大事さ~

株式の「空売り」という用語を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。 空売りは「悪いこと」というイメージが一般的です。ヘッジファンドのようなカネの亡者が、会社の株価を売り崩し、儲けていると経営者等から批判されてきたからでしょう。 そもそも…

終身雇用は現在の法体系では簡単になくせないという事実とこれから向かうべき方向

終身雇用という日本企業に存在していた幻想を財界トップが否定するようになりました。 特にリストラを行わないことで有名なトヨタ自動車の豊田社長が終身雇用を守っていくのは難しいと発言したことは、大きな波紋を呼んでいます。 終身雇用が終了する時、既…

スルガ銀行の足元の問題はシェアハウス融資ではなく資金繰り~2019年3月期決算~

スルガ銀行の2019年3月期決算が発表されました。 スルガ銀行の業績は、シェアハウス融資における不正手続きの発覚、延滞債権の増加を受け、大幅な赤字となっています。 しかし、問題は赤字なのでしょうか。それ以外に何か大きな問題はないのでしょうか。 今…

RIZAPの2019年3月期決算は本当の実力が露呈したもの

RIZAPグループが2019年3月期の決算を発表しました。 決算内容は最終赤字が193億円の大幅赤字となっており、M&Aを乱発してきたことが要因とされています。 テレビCMでおなじみのRIZAPグループにどのようなことが起きているのでしょうか。 今回はRIZAPグループ…

TATERUの2019年1Q決算は業績不振の不動産企業の典型

東証1部上場でアパート開発・管理を手掛けるTATERUが2019年第一四半期決算を発表しました。 TATERUは、2018年8月に従業員が顧客から提供を受けた融資関連書類を改ざんしていたことが発覚し、主力のアパートメント事業の受注が大幅に悪化し、金融機関の信用回…

大塚家具の経営危機は全く終わっていない~2019年1~3月業績~

大塚家具が2019年1~3月の決算を発表しました。 大塚家具は中国企業からの出資や、社長と父親の和解が報道される等、話題には事欠きませんが、業績は落ち着いているのでしょうか。 今回は大塚家具の業績について確認しましょう。 報道内容 大塚家具決算にお…

あえて言います。アクティビストは悪ではない。

IR

自動車部品のヨロズが投資会社レノ(旧村上ファンド関連)から株主提案を受けたと発表しました。 今回は、アクティビストと言われるレノがどのような提案をヨロズに行っているのか、そしてレノの反応はどうか、について確認すると共に、アクティビストについ…