銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

オリンピックにより想定されていた経済効果を改めて確認しておく

東京オリンピック・パラリンピックが間もなく開幕します。 ここまで盛り上がりに欠けるように感じるオリンピック・パラリンピックは過去に無いのではないでしょうか。また、日本国民の間では、オリンピック・パラリンピックの開催に反対する人も相応に存在す…

銀行の株価低迷は座礁資産リスクが要因なのか

気候変動は銀行にも大きな影響を与え始めています。 特に銀行の株価には「座礁資産リスク」が影響を及ぼしていると報じられるようになりました。 座礁資産とは、市場環境や社会環境が激変することにより、価値が大きく毀損する資産の意味です。近時は石炭、…

機関投資家は物言う株主になりつつあるという現実

本年の株主総会シーズンは終了しましたが、東芝で取締役会議長が選任を否決される等、アクティビストと言われるような物言う株主の影響力は増しています。 これは、年金や投資信託の運用を行う機関投資家の議決権行使基準が、物言う株主の主張・考え方と近く…

メガバンクからの投資信託購入を決断する前に見ておくべきデータとは

金融庁は「顧客本位の業務運営」を銀行を含む金融事業者に求めています。この顧客本位の業務運営というのは難しい言葉ではありますが、要は「金融事業者の利益ばかりを優先せずに、お客様の利益を考えて商品を販売するということ」です。 今般、3メガバンク…

政府要請があったら、銀行は飲食店に酒類提供停止を要請しないといけないのか

西村経済再生担当大臣が酒類の提供停止を拒む飲食店に対して、取引する金融機関から応じるよう働きかけてもらう方針だと発言し、後に釈明・撤回しました。 この方針の主旨は「真面目に取り組んでいる事業者との『不公平感の解消』のためだ」と説明されていま…

楽待不動産投資新聞に『アパートローン審査、銀行員はココを見ている』を寄稿しました

楽待不動産投資新聞に記事を寄稿いたしました。 今回はアパートローンを銀行員が見る最初のポイントについて触れています。 銀行員が何をチェックし、その行動原理が何かを知ることは、銀行からおカネを引っ張る際に、ある程度は役に立つはずです。 ぜひご一…

これからも東京一極集中は続き、地方の魅力は高まらないという想定

コロナ禍は、リアルの世界からデジタルの世界への社会構造の大転換を加速させることについては疑問を持たない人が大半ではないでしょうか。 コロナウィルス感染症拡大は、仕事の内容によっては場所を選ばない働き方が可能であることを見せつけ、東京への人の…

朝日新聞社の新聞事業の苦境が明らかになった2021年3月期決算

朝日新聞社が2021年3月期決算の有価証券報告書を提出しました。 2021年3月期の同社決算は、2021年5月に決算短信という形で発表されています。 営業損益は70億円の赤字となり、最終損益に至っては441億円の最終赤字となりました。この決算を受けて、マスコミ…

GPIFの2020年度運用実績から見る長期運用の大切さ

公的年金の積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2020年度の運用実績を発表しました。 収益は約37兆8,000億円の黒字で、収益率はプラス25.15%と、いずれも過去最大です。 今回は、このGPIFの2020年度運用について簡単に見ていくこ…

大手金融機関から運用商品を買わない方が良い理由を金融庁が解説している

金融庁が「資産運用業高度化プログレスレポート2021」を公表しました。 金融庁は「家計の安定的な資産形成」を行政方針の柱に一つに掲げており、資産運用会社の役割を重視する一方で、資産運用会社の報酬体系や運用能力、販売方法等に課題意識を持っています…

楽待不動産投資新聞に『投資家が知っておくべき「銀行の行動原理」とは』を寄稿しました

楽待不動産投資新聞に記事を寄稿いたしました。 今回はアパートローンを理解していく上で、前提となる「銀行」もしくは「銀行員」の行動原理について取り上げました。 銀行員がなぜ「あのような」行動をするのか、金貸しの歴史等について触れています。 皆様…

東芝の株主総会決議後のまとめ(2021年6月25日)

東芝の株主総会で、永山氏(取締役会議長)と小林氏(監査委員)を社外取締役に再任する議案が、反対多数で否決されました。 今回は、この後の東芝のリリースをまとめておくと共に、東芝の株主総会決議の意味と、それが日本企業に与える影響について簡単に考…

銀行への仮想通貨保有規制案は「銀行に仮想通貨を保有するな」と言っているに等しい

バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委員会、Basle Committee on Banking Supervision(BCBS))が、銀行によるビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)の保有を規制する案を公表しました。 規制案が発表された際には、仮想通貨が一時的に上昇したと報道されま…

今年、株主総会で「狙われた」のはMUFG

2021年の株主総会において、銀行業界で最も注目が集まっているのは、システム障害で揺れるみずほFGよりも、実は三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)なのではないでしょうか。 MUFGには、株主からの様々な議案(株主提案)が出されています。 今回は、こ…

BTS所属事務所のHYBEの株価は割高なのか考えてみる

HYBEという韓国の企業をご存知でしょうか。 今や世界的なアーティストとなったBTSが所属するエンターテインメントコンテンツ企業です。 このHYBEは韓国証券取引所で株式が取引されている上場企業です。2020年10月に新規株式公開し、当時の社名は「ビッグヒッ…

ソフトバンクGとの取引は、邦銀の体力を超えつつある

ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)が外資の銀行(外銀)からの借入を増加させていることが話題となっています。 ソフトバンクGから邦銀が逃げているということでしょうか。 今回は、ソフトバンクGの銀行借入状況について簡単に確認してみたいと思います…

みずほのシステム障害は日本企業の劣化を象徴するものかもしれない

みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)が、2021年2月以降に連続して発生したATM等のシステム障害について、外部調査の報告書を発表しました。 この報告書の内容は、みずほFGの企業風土についても触れています。 筆者の感覚で大変恐縮ですが、日本企業の…

東芝の問題は、日本全体の問題になる

東芝が発表した報告書がは大きな話題となっています。 外部弁護士による東芝の調査委員会は、2020年7月の株主総会を前に、東芝が経済産業省と連携して一部株主の提案を妨げようとしたとする報告書を発表しました。 今回はこの報告書において問題として指摘さ…

日本の少子化の原因には、形式を重んじる民族性があるのかもしれない

日本は少子化の問題を突き付けられてきました。 一人の女性が生涯に産む子供の数にあたる合計特殊出生率は2020年に1.34(前年比▲0.02ポイント)となっています。低下は5年連続です。 そして、2020年の出生数は約2万4千人減り、約84万人と1899年の調査開始以…

1日8時間働いて「普通の暮らし」ができる最低賃金は時給1,500円らしい

全国労働組合総連合(全労連)という労働組合団体が、2020年まで6年間で取り組んだ22都道府県の最低生計費試算調査結果について報告し、最低賃金を1,500円に引き上げ、全国一律最低賃金制度を実現すべきだと訴えています。 なぜ、労働組合は最低賃金を1,500…

地銀が関与する地域商社の現在位置

地方銀行(地銀)が、地方創生の実現に向けて、地域の事業者と一体となって地域商社を設立し、地域の魅力ある産品を大都市圏や海外に届ける取り組み等が広がっています。 地域商社については、2017年の銀行法改正により、銀行グループが取組可能なビジネスの…

単体で比較した場合、メガバンク最下位は三菱UFJ銀行であるという事実~2021年3月期決算~

メガバンク3行の2021年3月期(2020年度)決算が出そろいました。 マスコミではMUFGが利益額で首位を取り戻した等の報道がなされていますが、ほとんどは連結決算について説明されています。 今回は、時代遅れにはなりつつあるかもしれませんが、メガバンク3…

楽待チャンネルで「アパート建設ビジネスの落とし穴!大東建託の最新決算からアパート建設業界の行く末を予想」が公開されました

楽待チャネルにて「アパート建設ビジネスの落とし穴!大東建託の最新決算からアパート建設業界の行く末を予想」という筆者が解説した動画がアップされました。 今回は大東建託の2021年3月期決算について取り上げました。ご承知の通り、大東建託はアパート最…

JTBがすぐに倒産することは無い~2021年3月期決算~

旅行業界最大手JTBが2021年3月期の決算を発表しました。 新型コロナウイルスの影響で国内外の旅行需要が落ち込み、最終的損益は▲1,051億円と過去最大の赤字となりました。 国内店舗および従業員の大幅削減等を打ち出していますが、JTBは企業として存続できる…

朝日新聞社の巨額赤字には社内に危機感を覚えさせたい経営陣の思惑を感じる

朝日新聞社の2021年3月期決算が発表されました。 営業損益は70億円の赤字となり、最終損益に至っては441億円の最終赤字となりました。この決算を受けて、マスコミからは、コロナの影響によって朝日新聞社は過去最大の赤字となったと報道されています。 まだ…

メガバンクの利益首位は実質的に三井住友ではないのか?~2021年3月期メガバンク決算~

メガバンクの2021年3月期(2020年度)決算が出そろいました。 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)を上回り、3メガバンクで純利益首位の座に1年で返り咲いたことも話題になっています。 今回は、2021年3月期に…

新垣結衣さんと星野源さんの結婚は年齢的に当たり前じゃないという視点

新垣結衣さんと星野源さんの結婚が大きく報道されています。 コロナ禍において鬱憤がたまるようなニュースが多かったせいか、どうも世の中から祝福されているようです。 星野源さんと言えば、婚活女子の間における「普通の男性=星野源」説が話題となったこ…

東京女子医科大学の医師・看護師大量退職問題から経営状況を確認する

東京女子医科大学の3つの付属病院で、100人を超える医師が2021年3月までに一斉退職したと東洋経済が報じています。 2020年夏季のボーナス支給ゼロに対して、看護師約400人が辞職の意向を示した混乱に続き、医師100人超の一斉退職という異常事態が発生してい…

消費者金融大手3社の2020年度決算レビュー~アイフルの弱さが目立つ決算~

SMBCコンシューマーファイナンス(SMBCCF)、アコム、アイフルの消費者金融大手3社の2020年度(2021年3月期)決算が出そろいました。 コロナ禍において消費者金融各社はどのような状況にあるのでしょうか。 今回は消費者金融3社の決算について簡単に見ていき…

みずほFGの2020年度決算は堅調も、三井住友FGとの差も浮き彫りに

みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)が2021年3月期の決算を発表しました。 この2020年度通期決算で、みずほFGは純利益が前期比5%増の4,710億円となりました。 国内貸出が中小企業向けで増加したこと等があり、本業のもうけを示す実質業務純益は21%増の…