銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

2021年度のメガバンク単体決算を比較すると意外な結果が

メガバンク3社の2021年度の通期決算が出そろいました。 ロシアによるウクライナ侵略の影響や米国金利上昇に伴う有価証券運用の不芳等の要因がありながらも、全てのメガバンクの最終利益が前年度を大きく上回り、合計で2兆3,678億円となりました。最終利益が3…

じもとホールディングスはSBIとの提携タイミングが悪かったのか

東北の地銀であるじもとホールディングスが公的資金の申請を検討しています。 じもとホールディングスと言えば、SBIから出資を受けている地銀です。 このじもとホールディングスが公的資金の申請を検討している理由は何でしょうか。SBIの戦略が上手くいって…

小麦から考える日本の食料安全保障

ロシアのウクライナ侵略により、食糧危機が懸念されています。 ウクライナは生産が滞り、ロシアは経済制裁を受け、EUや米国等の世界の主要国から貿易で締め出されることになります。両国は穀物の輸出大国であり、世界の多くの国で主食とされる食品に調理・加…

輸入物価の上昇と円安

円安が止まりません。 ご承知の通り、1ドル130円を突破するのは約20年ぶりの円安水準です。 円安が加速する一方で、昨年後半に入ってからは物価の上昇が続いています。 ガソリン、電気代、都市ガス代のような生活に関わるコストが上昇しているだけでなく、食…

三井住友フィナンシャルグループは何故SMBCグループと呼称しているのか

メガバンクの一角である三井住友フィナンシャルグループをご存じの方は多いでしょう。中核企業は三井住友銀行ですが、三井住友カードは国内で有名ですし、SMBC日興証券も大手証券の一角です。 この三井住友フィナンシャルグループですが、金融業界では基本的…

気候変動に対する日本の立ち位置を冷静に見つめる

我々は地球温暖化に真剣に対峙していこうとしている時代に生きています。 ロシアがウクライナに侵略し、一時的には化石燃料の削減が停滞する可能性はあります。但し、それでも脱炭素の流れは簡単には変わらないでしょう。 このような時代において、日本国は…

今年は三井住友FGが気候変動対応の株主提案を受ける番

今年もこの時期がやってきました。 豪NGO(非政府組織)や日本のNPO(非営利組織)が共同で、三井住友フィナンシャルグループ(FG)に対して気候変動対応の強化を求める株主提案を出しました。 今回は、三菱商事、東京電力ホールディングス、中部電力にも豪N…

なぜ欧米でインフレが起きているのか、日銀の解説が分かりやすい

インフレという言葉がここまで様々な媒体に掲載されることを3年前に想定していた人は極めて少ないでしょう。コロナ感染症拡大が始まった際にも、インフレを意識していた人は少なかったはずです。 ところが、今や先進国のインフレ率は、数十年ぶりの高い上昇…

アフターコロナにおけるオンライン消費はどうなるのか

新型コロナウィルス感染症流行は我々の生活を大きく変えました。 アフターコロナでは戻るものもあるでしょうが、戻らないものもあるでしょう。 特にコロナ禍において著しく増加したものがオンライン消費(EC)です。 このオンライン消費はコロナが終息したな…

いつの時代でも若者は転職している

コロナ禍においても新年度は到来します。2022年4月に多くの企業や学校等が新年度入りしました。 この時期は、入園式・入学式のみならず、日本の雇用慣習である新卒の一括採用に伴う入社式もあります。 そんな新卒を迎える企業では、一方で中途退職者、中途入…

楽待不動産投資新聞に、『「かぼちゃの馬車」大量取得、米投資ファンドの勝算は』を寄稿しました

楽待不動産投資新聞に、『「かぼちゃの馬車」大量取得、米投資ファンドの勝算は』という記事を寄稿させて頂きました。 今回は、あの「かぼちゃの馬車」を大量に取得した米投資ファンドに勝算はあるのかについて執筆させて頂いています。スルガ銀行を追い詰め…

金融庁の「高校生のための金融リテラシー講座」が示唆に富みすぎている

金融庁が発表した「高校生のための金融リテラシー講座」が、ツイッターでオススメだと紹介され反響を呼んでいると報道されています。 2022年4月からは高校の必修科目である家庭科で「資産形成」についても教えられることになります。そして、成人年齢は18歳…

非正規雇用は固定化する傾向にある

コロナ禍で非正規雇用が改めて注目されているように感じます。 新型コロナ感染症は、日本に新しい形の格差や貧困をもたらしたとされていますが、コロナ禍は「女性不況」と呼ばれるほど女性の雇用に深刻な影響を与えました。 これは、非正規雇用者の大半が女…

少子化の理由は「貧乏人が増えたから」とデータが示している

ロシアのウクライナ侵攻は世界のパワーバランスのみならず、様々な秩序を再構築するきっかけとなりそうです。そして、資源・エネルギー価格の上昇を招く可能性が高くなってきました。 わずか1年前には世界中がインフレの影に怯えることは想定されていなかっ…

銀行口座を旧姓で使用すること

日本は夫婦別姓が認められていません。結婚すれば、どちらかが新姓を名乗ることを基本的に強要される国です。 しかし、旧姓で仕事をしてきた方が姓(苗字)を変更するのは想像以上に面倒です。特に銀行口座の名義が変わることは様々な影響を及ぼします。 今…

我々はそろそろ所得の低下を怒って良い時期に来ていないか

日本の厳しい現状を実感させられる資料が公表されました。 令和4年第2回経済財政諮問会議で発表された内閣府の資料は、35歳から54歳の働き盛り世帯の所得が大幅に減少していることが如実に示されています。 今回は、この経済財政諮問会議の資料を用いて日…

ロシアへの経済制裁の最終手段と言われるSWIFTとは何か

ロシアがウクライナに軍を侵攻させて数日が経過しました。 この暴挙に対して、アメリカとヨーロッパ各国等は、共同声明でSWIFTという国際的決済ネットワークからロシアの特定の銀行を締め出す措置を実行することで合意したと発表しています。 今回は、突然聞…

日本では本当に労働所得格差が広がっているのかという素朴な疑問

「日本は労働所得格差が広がっている」と聞いても大半の方は違和感を持たないのではないでしょうか。 非正規雇用者数が増えてきたことは誰もが知っています。 「生活が苦しい」というような話はニュースやネットに溢れています。以前は、NHKのニュースで取り…

楽待不動産投資新聞に『「不動産投資はインフレに強い」は本当か?』を寄稿しました

楽待不動産投資新聞に『「不動産投資はインフレに強い」は本当か?』を寄稿しました。 今回は不動産はインフレに本当に強いか?というテーマを取り上げています。 最近は「インフレに備えるために不動産に投資しましょう」というセールスが増えたと感じます…

金(ゴールド)は本当にインフレに強いと言えるか

ロシア軍によるウクライナ武力侵攻が懸念されています。このウクライナ危機の中で原油価格や商品価格が上昇しています。「有事の金(きん)」とも言われるように金(ゴールド)価格も上昇しています。 また、米国では物価上昇が問題となっています。FRB(米…

成長と分配~企業の行動はどうなっているのか~

岸田総理が「新しい資本主義」という言葉を使っています。そして、新しい資本主義は「成長と分配の好循環」を目指すとされています。 なぜ、このような成長と分配という言葉が使われるようになったのでしょうか。 この理由は、主に「給料が上がらない」こと…

コロナが地域金融機関に何をもたらしたのか

コロナ禍は、我々に様々な影響を与えてきました。 リアルで人と会うことが減り、飲み会は激減し、海外旅行は行けなくなりました。そして、通勤用に準備していた様々なことが減ったり、日本全体ではお金を使わなくなりました。 その結果は、地域金融機関に対…

日本はいつまでもデフレの世の中ではないかもしれない

世界中で様々な商品価格が上昇しています。 原油価格はバレル当たり90ドルを突破し、7年ぶりの高値を記録しました。そして、原油価格の高騰が響き、ガソリンや灯油の国内全国平均価格は13年ぶりの高値に上昇しています。 また今年に入ってからは、パンやお菓…

コロナ第6波はいつがピークなのか

みずほリサーチ&テクノロジーズが、2022年2月4日に、最新の感染状況を基にした新型コロナウイルスの流行見通しを公表しました。 タイトルは「東京の感染ピークアウトは 2 月前半に~今から緊急事態宣言を発令するメリットは限定的~」です。 この見通しでは…

過去の暴落相場から今の日経平均株価を冷静に見ることが出来るかもしれない

近時、日経平均株価の乱高下が続いています。 ついに金融緩和バブル崩壊が来たとか、パウエル・ショックだとか、岸田ショックだとか様々に言われています。 確かに、株式を保有している方からすると急激な相場変動は大きな影響を受けるでしょう。 株価が急落…

株式暴落時にこそ相場格言と過去の振り返りを

2022年1月24日〜28日の日経平均株価は下落しました。 1月27日には一時は2万6,044.52円まで売り込まれ昨年来安値を更新、2020年11月以来の水準まで下げています。 この要因は、米国のFOMC後に行われたパウエルFRB議長の会見内容が、金利引き上げ時期について…

大手銀行の日銀当座預金に6年ぶりにマイナス金利が適用されたという出来事について

三菱UFJ銀行にマイナス金利が適用されたとの報道が少し話題となっているようです。 その理由は、今まで「マイナス金利が適用されていなかった」ことが意外だったからでしょう。 しかし、ここで注意すべきことがあります。 マイナス金利の適用とはどのような…

ザ・ウィークエンドの新作アルバムに見るラジオの今

ザ・ウィークエンド(The Weeknd)の新作アルバム「Dawn FM」が発表されました。 カナダ出身のシンガーソングライターであるザ・ウィークエンドは、グラミー賞を3回受賞するほどの世界トップのアーティストです。 このザ・ウィークエンドの最新作が、ラジオ…

金融や銀行にまつわる名言・格言集

2022年はどのような年になるのでしょうか。 新型コロナウイルス感染症の流行は収まるのでしょうか。 世界各国の金融緩和は終息するのでしょうか。 そして、そのような中で金融業界はどのようになっていくのでしょうか。 今回は、様々な変化の入り口に立って…

金融専門家の2021年ドル円予想の答え合わせ~予想は当たったのか~

2022年がスタートしました。 新型コロナウイルス感染症の影響はまだまだ終わらず、本年も視界不良です。2021年の年始には2022年にはコロナの問題も過去のものとなっているだろうと予想していた方もいるでしょう。しかし、残念ながら現状は第6波の感染が広が…