銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

金融政策

日銀の中央銀⾏デジタル通貨に関する技術的課題認識

日本銀行が「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」というレポートを発表しています。 このレポートでは、中央銀⾏デジタル通貨(CBDC: Central Bank Digital Currency)の技術的な課題について焦点を当てています。具体的には「誰もが…

銀行から投資信託・外貨建保険などの運用商品を買ってはいけない

金融庁が「投資信託等の販売会社による顧客本位の業務運営のモニタリング結果について」を発表しました。 金融庁は、日本国民が、金融事業者の「顧客本位の取組み」の状況を比較でき、より自分にあった金融事業者を選択し、自身の資産形成に取り組めるような…

銀行業界の「書面・押印・対面主義」見直しの動き

コロナ禍において、在宅勤務を経験した方もいるでしょう。 この在宅勤務を阻害した要因の一つに金融機関の「書面・押印・対面主義」とでもいえる紙での取引慣行があります。 この商慣行を打破すべく、「金融業界における書面・押印・対面手続の見直しに向け…

邦銀のCLO投資に対する金融庁と日銀の調査結果について

金融庁が懸念を抱いていた、邦銀が保有する高格付けのローン担保証券(CLO)等について金融庁と日本銀行(日銀)が調査報告を発表しました。 米金融当局が社債購入を含む景気支援策を導入したことを受けてクレジット市場は一旦は回復しています。但し、一部…

ETFでの含み損を免れた日本銀行の決算

日本銀行(日銀)が発表した令和元年度の決算は、2020年3月末の国債などの総資産残高が前年度比8.5%増の604兆円と、8年連続で過去最高となりました。もちろん、総資産が600兆円を上回るのは初めてです。総資産で日本のGDPを軽く超えている状態にあります。 …

金融庁が公表した銀行のコロナ対応の現状

新型コロナウイルス感染症を踏まえた金融機関の対応事例を金融庁が公表しています。 金融機関のコロナ対応取組みのうち、他の金融機関の参考となる事例について、金融庁が随時取りまとめ・公表しているものです。 この対応事例は銀行員のみならず、債務者(…

日銀の金融システムレポートで指摘されている主な3つのリスクについて

日本銀行(日銀)が2020年4月の金融システムレポートを発表しています。 ⽇銀は、⾦融システムの安定性を評価するとともに、安定確保に向けた課題について関係者とのコミュニケーションを深めることを⽬的として、⾦融システムレポートを年2回公表しています…

コロナショックの影響で資金繰りが厳しいのは本当に中小企業なのか?

新型コロナウイルスの感染拡大で、企業の資金繰り悪化が懸念されています。 政府は、資金繰りの悪化が懸念される中小企業に対し、地方銀行や信用金庫など民間金融機関経由でも無利子・無担保融資を実施することを決め、事業継続に向けた給付金措置の創設も固…

ロックダウンが噂される中で証券取引所閉鎖論について思うこと

世界的な株価暴落やロックダウンの恐れがある中で、取引所の閉鎖が行われるのではないかとの報道がなされています。 株価が暴落している最中には底が見えないこともあり、株価回復をしなければ支持率が低下するような為政者は、問題が解決するまで株式市場を…

円高は本当に悪いことなのか~常識を疑ってみる~

新型コロナウィルスの影響により株式市場等では混乱が続いています。そして、為替についても動きが激しくなっています。 日本の報道では、他通貨、特にドルに対して円高になると、日本経済にとって良くないとのニュアンスで報じられます。また、金融市場が動…

株価暴落に伴う日銀の債務超過の可能性について考えてみる

「コロナショック」による株価の暴落が続いています。 この株価暴落で日本銀行(日銀)の財務が棄損し、債務超過に陥るのではないかという報道がなされています。 今回はあまり見る機会のない日銀の財務状況と、株価下落による債務超過の可能性について、簡…

デジタル通貨の研究は加速するが、導入実現は簡単ではないという予測

日本銀行(日銀)やECB(欧州中央銀行)、イングランド銀行、スイス中央銀行、カナダ銀行等、6つの中央銀行がデジタル通貨の共同研究を行う組織を立ち上げると発表しました。 現時点ではデジタル通貨を早急に発行するということにはなっていませんが、非常に…

日銀の審議委員による厳しい指摘「金融機関は供給過多」

日本銀行の原田審議委員が講演と記者会見で金融機関について述べた意見が少し話題となっています。 厳しい収益状況にある銀行を含む金融機関については「低金利という問題を克服すればすべて解決するわけではない」「貸出以上に預金が集まってしまうという構…

日銀のマイナス金利深堀は近いか〜政策決定会合で明らかになった銀行の味方が少ないという現実〜

2019年11月6日に日本銀行(日銀)が2019年9月に開催した金融政策決定会合の議事要旨が公表されました。 この議事要旨は日銀の将来における金融政策を予想する助けとなります。 近時、マイナス金利幅の拡大(深堀)が意識され始めていますが、日銀の議論のニ…

日銀がマイナス金利拡大を実施した場合の地銀への影響を簡単に試算する

格付大手のS&Pが、日銀がマイナス金利を0.1%拡大した場合に銀行収益へ及ぼす影響を公表しました。 同社の試算によると、地方銀行64行のうち56行で貸出業務が赤字となります。 ほとんどの地方銀行が本業で赤字となることになるのです。 今回はこのS&Pの試…

銀行のCLOへの投資は本当に大きな問題なのか?

CLOと呼ばれるローン担保証券への銀行の投資が注目を集めています。 CLOは、Collateralized Loan Obligationの略称で、銀行が事業会社などに対して貸し出しているローンを証券化したもので、ローンの元利金を担保にして発行される債券のことをいいます。 こ…

日銀への「スルガ銀の虚偽報告等は法令違反ではない」というちょっとした事実

スルガ銀行にいわゆるシェアハウスへの不動産担保融資問題が発覚してから、相応の時間が経ちましたが、スルガ銀行の経営はいまだ落ち着きを取り戻してはいない状態にあります。 その中で、2019年10月に日本銀行(日銀)がスルガ銀行に対して経営管理態勢の改…

口座維持手数料は愚策〜銀行離れを加速させる可能性も〜

銀行の口座維持手数料導入の動きが出てきています。 各国が金融緩和に動く中、日本銀行もマイナス金利の深堀を行う可能性が出てきたことに起因するものでしょう。 今回は銀行の口座維持手数料について簡単に考察してみたいと思います。 直近の動き なぜ口座…

これから貸倒引当金の積み増しを金融庁から迫られる地銀の憂鬱

金融庁が金融検査マニュアルの廃止に伴い、銀行の経営を監督するための考え方を示す「ディスカッションペーパー」の案を公表しました。 今回は、金融庁のディスカッションペーパーから見える「金融庁の地方銀行に対する懸念点」について確認します。 ディス…

中央銀行発行のデジタル通貨“Central Bank Digital Currency”(CBDC)のメリットと課題

日本銀行の雨宮副総裁が、デジタル通貨について近い将来の発行はないと発言しました。 日本ではキャッシュレス推進のための動きが盛んになっていますが、一方で事業者・規格が乱立しておりキャッシュレス化が進まない要因の一つと言われています。 その解決…

日銀の2019年度考査方針~地銀は経営の持続性、大手はガバナンス・海外がポイント~

日本銀行(日銀)が2019年度の金融機関に対する考査方針を発表しました。 この考査方針には日銀の民間銀行に対する課題認識が反映されており、中央銀行がどのように民間銀行を見ているのか理解できるでしょう。 今回は日銀の考査方針について確認していきま…

デジタル法定通貨が簡単には実現しない訳

日本銀行の雨宮副総裁が現時点ではデジタル通貨の発行計画がないことを衆議院の予算委員会で述べたと報道されています。 なぜ、日本銀行はデジタル通貨を発行しないのでしょうか。日本政府がキャッシュレス化を進めている中で、デジタル通貨を中央銀行が発行…

銀行の融資残高500兆円台の回復は「個人・不動産」向けに偏重

銀行の融資残高が20年ぶりに500兆円台を回復したと日銀が貸出金統計にて発表しました。 しかし、融資残高の内容は「ゾンビ」企業への貸出も含んでおり健全ではないと報道されています。 今回は、この銀行の融資残高の内容について簡単に見ていくことにしまし…

金融庁が要請したスルガ銀行への預金支援はナンセンス

スルガ銀行を金融庁が預金支援したと報じられています。 これはどのようなことでしょうか。 今回はスルガ銀行への預金支援について考察します。 報道内容 その他の報道等 所見 報道内容 日経新聞が非常に興味深い報道をしました。スルガ銀行の資金繰りを支え…

仮想通貨規制の今後~金融庁案の全体像~

金融庁の仮想通貨交換業等に関する研究会が報告書の案を公表しました。本研究会は、仮想通貨交換業者の不正アクセス・仮想通貨流出等の状況を受け、仮想通貨交換業等を巡る諸問題について制度的な対応を検討するため、2018年3月に設置されていたものです。 …

貸金業関係資料集にみる業界の衰退と銀行への教訓

金融庁が貸金業者にかかる統計データを公表しました。 このデータ内には長期的な動向が掲載されており、貸金業者の「衰退」が現れています。 今回は、貸金業者の長期的な動向・推移について確認してみましょう。 貸金業者の長期的推移 消費者金融の残高推移 …

仮想通貨に関する規制動向~今後は風説の流布、相場操縦、インサイダー取引等の規制が検討の俎上に~

金融庁から「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第9回)議事次第が公表されています。この議事は2018年11月12日に開催されたものです。 今回は仮想通貨の呼称、インサイダー取引等について議論がなされています。 仮想通貨についての今後の規制動向を把握…

日銀金融システムレポート(2018年10月号)のポイント

日本銀行(日銀)が半年に一度公表している金融システムレポートを公表しました。 今回はミドルリスク企業向けや不動産業向け貸出、有価証券投資にある程度焦点があたっています。 今回はこのレポートにつき概要を簡単に見ていくことにしましょう。 概要 今回…

地方銀行の次の問題は「貸倒引当の算定方法」

金融庁主催の「融資に関する検査・監督実務についての研究会(第3回)」が開催されました。この研究会で議題となったのは銀行の貸倒引当金です。 銀行、特に地方銀行は業績が厳しいとされています。近年、その銀行の利益を何とか支えてきた利益要因の一つが…

金融庁の2018事務年度「金融行政方針」のポイント

金融庁が2018事務年度の金融行政方針を公表しました。 この行政方針は金融庁の課題・問題認識を反映したものであり、実際にどのように金融機関が「指導」されていくか、規制がどのようになっていくかの指針となります。 現在、銀行業界では「スルガ銀行」の…