金融政策
植田日本銀行総裁が、日本金融学会にて、講演を行いました。 この講演のテーマは「中央銀行の財務と金融政策運営」となっています。同講演では、日本銀行の政策について触れていますが、まさに中央銀行である日本銀行の財務と金融政策の関係性が非常に分かり…
日本の国債残高は1,000兆円をコロナ禍において超えました。日本の財政収支は、他の主要国と同様に2008年のリーマンショックの影響による悪化から改善傾向にありましたが、新型コロナウイルス感染症や物価高騰等への対応のため、2020年以降は大幅な赤字となっ…
日本銀行が2022年度(2023年3月期)決算を発表しました。日本銀行は国債を大量に保有していることから、金利上昇が進むと債務超過に陥ると懸念されています。2022年度の決算はどのようなものだったのでしょうか。今回は日本銀行の決算を簡単に確認してみたい…
我々が投資、資産運用について考える機会は近年増加の一途をたどっています。 SBI等のネット証券の台頭、NISA・iDecoといった制度の創設、会社でのDC制度導入、老後の資金不安、日本の年金制度への信頼低下、FIREへのあこがれ等、様々な要素が絡み合い、この…
黒田日本銀行(日銀)総裁が退任しました。10年間と歴代最長の就任期間を誇った黒田総裁の退任は一つの時代が終わったとも感じられます。 この黒田日銀総裁の退任記者会見の内容は報道もされていますが、実際のやり取りをみると日銀の大規模金融緩和に対する…
経営危機が懸念されていたクレディ・スイス銀行のAT1債が無価値化したことが、金融業界では大きな話題となっています。 今回はAT1債とは何か、そして今後どのようなことが想定されるのかについて簡単に確認していきたいと思います。 AT1債とは クレディ・ス…
米国シリコンバレー銀行が破綻しました。リーマンショック後で2番目の規模の銀行が破綻したことになります。日本の地銀最大手である「コンコルディア・フィナンシャルグループ」(横浜銀行と東日本銀行の持ち株会社)の総資産は24.6兆円ですが、このコンコル…
全米16位の規模であるシリコンバレー銀行が破綻しました。リーマンショック以降では第2位の規模の銀行倒産です。これはFRBの金融引き締めの副作用という側面もあり、大きなニュースと言えるでしょう。 このシリコンバレー銀行の破綻は、明らかに銀行の取り付…
2023年が始まりました。 街中には昨年と比べて人が溢れており、デパートも神社も混んでいたように思うのは筆者だけでしょうか。 昨年は戦争とインフレの年でしたが、今年はどのような年になるのでしょうか。 物価が次々と上昇しているのは生活の中で実感して…
日本銀行 (日銀) 2022年度上半期 (2022年4~9月) 決算が発表されました。ニュースで、日銀が保有する国債で 8,749億円の含み損が発生していることがクローズアップされていたことを記憶している方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして、日銀はサプライ…
円安が進んでいます。 ドル円で150円になると2022年の始めに予想した人がどれだけ存在したでしょうか。 円安が進む中で、「投機」という用語を近時は毎日のように聞くようになりました。 以下は報道された要人の発言です。 2022年9月22日、岸田首相:「為替…
2022年10月20日の外国為替市場でドル円相場は32年ぶりに1ドル=150円台の円安水準に下落しました。 10月21日の海外為替市場では円相場が1ドル=152円台近くまで下げたところで、政府・日銀は円買い・ドル売りの為替介入を再び実施し、直後に円は1ドル=144円台…
岸田首相が9月22日、米ニューヨーク証券取引所内で講演し、日本市場への投資を呼びかけました。 日本のマスコミでは、貯蓄から投資への流れを後押しするため、日本の個人投資家を対象にした優遇税制「NISA」を恒久化する意向を表明したと取り上げられていま…
金融庁は2022事務年度(2022年7月~2023年6月)の金融行政方針を発表しました。 「貯蓄から投資へ」の流れを加速させるため、少額投資非課税制度(NISA)の恒久化を含め制度を抜本的に拡充し、金融リテラシーの底上げへ国家戦略として金融教育を推進する体制…
2022年8月26日の米株式市場は急反落しました。ダウ平均の下げ幅は1,000ドル超となりました。 この要因は、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長による発言です。パウエル議長は、経済シンポジウムの「ジャクソンホール会議」の講演で利上げを継続し、イ…
総務省が発表した2022年5月の消費者物価指数(CPI)は、総合指数が前年同月比+2.5%となりました。そして、生鮮食品を除いた消費者物価指数は前年同月比+2.1%となり9ヵ月連続で上昇し、日本銀行が目指している+2%の水準を2ヵ月連続で上回りました。 様々…
日本銀行(日銀)が2021年度(2022年3月期)決算を発表しました。 コロナ禍において日銀の決算はどのようになっているのでしょうか。 日銀の決算については、あまり話題に上ることはありません。実質的に国と一体であるだけに、利益が出てもあまり意味はない…
円安が止まりません。 ご承知の通り、1ドル130円を突破するのは約20年ぶりの円安水準です。 円安が加速する一方で、昨年後半に入ってからは物価の上昇が続いています。 ガソリン、電気代、都市ガス代のような生活に関わるコストが上昇しているだけでなく、食…
インフレという言葉がここまで様々な媒体に掲載されることを3年前に想定していた人は極めて少ないでしょう。コロナ感染症拡大が始まった際にも、インフレを意識していた人は少なかったはずです。 ところが、今や先進国のインフレ率は、数十年ぶりの高い上昇…
コロナ禍は、我々に様々な影響を与えてきました。 リアルで人と会うことが減り、飲み会は激減し、海外旅行は行けなくなりました。そして、通勤用に準備していた様々なことが減ったり、日本全体ではお金を使わなくなりました。 その結果は、地域金融機関に対…
三菱UFJ銀行にマイナス金利が適用されたとの報道が少し話題となっているようです。 その理由は、今まで「マイナス金利が適用されていなかった」ことが意外だったからでしょう。 しかし、ここで注意すべきことがあります。 マイナス金利の適用とはどのような…
金融庁は、今年8度のシステム障害を起こしたみずほ銀とみずほFGに業務改善命令を出しました。そして、2022年1月17日までに再発防止等の改善計画を提出するよう求めました。 一方、みずほFGは同日、今回の問題における責任をとってみずほFG社長とみずほ銀行頭…
西村経済再生担当大臣が酒類の提供停止を拒む飲食店に対して、取引する金融機関から応じるよう働きかけてもらう方針だと発言し、後に釈明・撤回しました。 この方針の主旨は「真面目に取り組んでいる事業者との『不公平感の解消』のためだ」と説明されていま…
バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委員会、Basle Committee on Banking Supervision(BCBS))が、銀行によるビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)の保有を規制する案を公表しました。 規制案が発表された際には、仮想通貨が一時的に上昇したと報道されま…
ガジェット通信に筆者の記事が掲載されました。 ご興味がございましたら是非ご覧ください。 getnews.jp
日本人は「貯蓄好き」というのが一般的なイメージなのではないでしょうか。 日本人は将来不安の影響で、消費をせずに貯蓄しているから景気が思わしくない、というような言説を聞いたこともあるでしょう。 今回は、日本人の貯蓄率について、少し焦点を当てて…
日経平均株価が30年ぶりに3万円台を回復しました。 一方で、コロナ禍において企業業績は厳しく、株価がバブルなのではないかとの意見も聞かれるところです。 今回は、端的に「株価はバブルなのか」について簡単に考察してみたいと思います。 バブルとは 株価…
日経平均株価が約30年ぶりに3万円台を回復し、ビットコインが5万ドルを突破する等、資産運用への関心が高まっています。これは日本のみならず、世界各国において起きていることのようです。 2000年代に入ってから、日本は株主を重視する政策を展開し、世界の…
2020年においては、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う世界的な株価暴落は様々な投資家のみならず、政治家に対して大きな影響を与えました。あのような株価暴落時には、過去から「空売りを規制すべきだ」という意見が出されることがありました。 そして、20…
日本銀行(日銀)が2020年上半期の決算を発表しました。決算では日銀が購入したETFの簿価が約35兆円に達していることが判明し、日銀が日本企業の最大株主になっているのではないかと報道されています。 日銀が最大の株主となっている点については、モノ言わ…