銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

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三井住友銀行の一般職廃止は不可逆であり時代の転換点~RPAのインパクト~

三井住友銀行が一般職と総合職を統合するとの報道がなされています。 一般職を廃止する動きは銀行のみならず他業界でも行われてきましたが、銀行業界では業績が厳しいこともあり、人事制度の変更が今後相次ぐ可能性があります。 今回は一般職と総合職の統合…

銀行口座の入出金情報を活用した企業の信用力評価研究事例

日本銀行とりそな銀行が銀行口座の入出金情報を活用した企業等の信用リスクを評価する共同研究(「入出金情報を用いた信用リスク評価」)の結果を発表しました。ビッグデータ、機械学習、AI等を活用したファイナンスの研究は銀行のみならずフィンテック企業…

AIは金融分野で人(ヒト)を駆逐するのか~資産運用の場合~

「AI」という用語が急速に浸透してきています。 AI=人工知能を活用した様々なサービスが生み出され、AIという用語をメディアで見ない日は無いとっても良いでしょう。 そして、AIは人(ヒト)を代替するようになり、様々な職業が無くなるとも言われています…

日銀のAIワークショップから学ぶ、銀行がデータビジネスに乗り出す背景と危機感

近時、AIという言葉を聞かない日はないと言えるでしょう。 銀行業界でもAIをどのように活用するのか、AIで何かできないか、AIを活用したIT企業・フィンテック企業に銀行業界が淘汰されるのではないか、等の話題が出ることが多くなっています。 今回は、日本…

大学生に聞く「AIによって無くなる業種」のNO.1は銀行

リクルートキャリアが「2018年8月1日時点 内定状況― 就職プロセス調査(2019年卒)」を発表しました。 この調査は大学生の内定状況がメインのトピックスですが、「AIにより無くなる可能性のある職業」についても大学生の意見を聴取しています。 この大学生の…

ゼノデータ・ラボの業績予測AIは「人をサポート」する好事例になるのでは

AI

企業の情報を分析するAI開発を行うゼノデータ・ラボが新サービスをリリースしました。 ゼノデータ・ラボは三菱UFJ銀行のアクセラレータプログラム(大手企業等がベンチャー、スタートアップ企業等に出資や支援を行うことにより事業共創を目指すプログラム)…

GPIFのAI活用は非常に興味深いアプローチ

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がAIを年金運用に活用すると報道されています。 AIを運用そのものに使う動きは増加していますが、GPIFは自分達で直接運用することはありません。 では、どの業務にAIを利用するのでしょうか。 今回はGPIFのAIの活用に…

MUFGのAI投信組成をニュースとするのは疑問アリ

MUFG傘下の三菱UFJ国際投信がAIを活用した投資信託を8月に発売すると発表しました。 日経新聞の報道では「全てをAIに任せる投信は日本初」としています。 今回は、MUFGのAI投信はどのようなものか、AI運用とはそもそもどのような仕組みなのか、AIファンドの…

日銀ワークショップ「ビッグデータと人工知能を用いたファイナンス研究の展開」

日本銀行が開催したファイナンス・ワークショップの内容が公表されました。 同ワークショップでは、ビッグデータと人工知能が金融に活用されている事例や、金融政策の参考となる研究報告等がなされています。 今回は、この日銀のワークショップの内容につい…

AIの銀行への導入実験~社員監視も可能に~ 

金融庁が「FinTech実証実験」の3件目の認定案件を公表しました。 この実験では人口知能(AI)が、金融業界における人材の課題や働き方改革の推進に対してどの程度貢献できるかが実験されます。 今回はこの実証実験の内容について考察するとともに、金融機関…

 三菱UFJ銀のAI融資はいつか来た道か~スコアリング融資との比較と課題~

三菱UFJ銀がAIを使った中小企業向け融資を始めるようです。 この話題を聞くと10年以上前に流行ったスコアリング融資の失敗を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回の記事ではAI融資とスコアリング融資を比較し、AI融資の成否について考察しま…

AIを利用した融資の今後~外部企業との連携こそが鍵~

銀行業界にもAIを活用する動きが広がっています。 今回の記事では、銀行のAI活用の事例を確認するとともに、銀行単独でのAI活用の限界についても考察します。 銀行業界のAI活用状況 今後の動き 口座異動情報の問題点 企業への融資取引における一つの到達点 …

みずほFGの採用半減というニュース自体は「価値無し」

みずほFGが採用を半減することが報道されています。 この動向を報道各社は「銀行の収益が苦境に置かれていることが背景にあり、今後、銀行は構造改革が必要となり人員・店舗等が大幅に削減される」との論調で報道しています。 今回の記事では、みずほFGの新…

日銀の「デジタルトランスフォーメーション―RPA」セミナーの内容確認と今後の動向

AI IT

2018年2月に開催された金融高度化セミナー「デジタルトランスフォーメーション―RPA」の内容が日銀より公表されました。 このセミナーの内容は、銀行において今後どのような業務がデジタル化(自動化)されていくのかを探るヒントになります。 銀行員にとって…

AI 運用の拡大に伴うIR の今後

AIというワードを新聞やマスコミ等で見かけない日はありません。 この大きな波は金融の現場にも及んでいます。これから続々と普及するであろうAI運用です。 本日はこのAI運用について軽く触れるともに、投資される側の企業にとって意識すべきこと、このAI運…

【余話】これからのIRは表情を読むAIへの対応が必要

AI IR

今回は簡単にロイターの記事をご紹介します。 記事の内容としては、日銀の黒田総裁の表情をAIが読み取り、その表情と金融政策の変更との間に相関関係を発見したと東京大学出身の研究者ら(一人は野村證券金融経済研究所のエコノミスト)が発表したというもの…

AIスコア・レンディングについて

みずほ銀行とソフトバンクがAIスコア・レンディングを日本で初めて開始しました。 今回はこのAIスコア・レンディングについて考察します。 AIスコア・レンディングとは AIスコア・レンディングの評価 他企業との競合 AIスコア・レンディングとは AIスコア・…

業務自動化と今後の仕事の方向性(MUFGの事例/デジタルフォーメーション戦略)

三菱UFJフィナンシャル・グループの平野社長が国内の事務作業の自動化やデジタル化で「9,500人相当の労働量の削減を実現したい」「従業員をよりクリエーティブな仕事に振り向ける」と述べたと報道されています。 今回はこの自動化、デジタル化、クリエーティ…

MiFIDⅡの衝撃~証券アナリストは存在しなくなるのか

AI

AIの開発・進化により証券アナリストという職業は消滅するとの懸念が様々な記事等で出されています。 しかし、AIの普及前に証券アナリストが激減するのではないかとの予測がなされるようになってきました。その理由はMiFID2(ミフィッド2)です。 今回は証…

音声検索拡大に伴う銀行への影響

インターネットの検索は現在主流の文字検索から音声検索にシフトしていく可能性が高まってきています。 この音声検索のトレンドを踏まえた上で、銀行にとってどのような影響があるのか、今回は考察します。 音声検索へのシフト 音声検索にシフトした場合に起…

バランスシートレンディング(アマゾンレンディング)は既存金融機関にとって脅威か

フォーブズのニュースサイトにAmazonの事業者向けローンが米英日で総額3,000億円超となっているとの記事がでていました。 アマゾンの事業者向けローン、米英日で総額3千億円超を融資 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)出典 フォーブズホームページ …

AIは銀行員の雇用を奪うのか

AI

MIT Technology Reviewに以下の記事が出ていました。以下引用します。 https://www.technologyreview.jp/ゴールドマン・サックス、自動化でトレーダー大幅減3割がエンジニアに 世界最大級の投資銀行ゴールドマン・サックスは金融取引の自動化を進め、全社員…

インデックス運用拡大にかかる懸念

日本証券アナリスト協会が2017年4月に開催したセミナーで、金融庁の森長官が積立NISAの対象となりうる投資信託について、アクティブ型株式投信でわずか5本、インデックス型株式投信で50本弱にとどまると述べたことが話題となっています。 インデック…