銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

フィンテック

中央銀行発行のデジタル通貨“Central Bank Digital Currency”(CBDC)のメリットと課題

日本銀行の雨宮副総裁が、デジタル通貨について近い将来の発行はないと発言しました。 日本ではキャッシュレス推進のための動きが盛んになっていますが、一方で事業者・規格が乱立しておりキャッシュレス化が進まない要因の一つと言われています。 その解決…

FacebookのLibra(リブラ)は既存の金融システムをひっくり返す可能性も

(出所 Libra Association Webサイト) 世界最大のSNS「Facebook」を中心とする企業連合が仮想(暗号)通貨「Libra(リブラ)」の発行を計画しています。 このLibraについては、大きく報道されている一方で、各国政府や中央銀行等から厳しい反応も相次いでい…

給与のデジタルマネー払い解禁は、銀行のビジネスモデルを破壊する懸念

会社から支払われる給与について、デジタルマネーで受け取ることができるようにする規制改革が議論されています。 これに対して銀行が警戒感を持ち、新規参入をけん制していると報道されています。 デジタルマネーでの給与受取ができるようになることは銀行…

送金業務は簡単には銀行から無くならないという残念な予想

規制緩和や新技術の開発・普及により、銀行の機能は次々とフィンテック企業等が代替するとの予想があります。 日本でも送金業務につき銀行以外への規制緩和が段階的に進んできましたが、さらに緩和されると報道されています。 今回は、銀行から送金業務が無…

仮想通貨の呼称を暗号資産に変えるのは妥当か?

政府が仮想通貨の呼称を「暗号資産」へと変更する法律改正案を公表しました。 今回はこの仮想通貨の呼称変更について簡単に考察しましょう。 報道内容 (参考情報)バーゼル銀行監督委員会の発表 法律改正案の内容 所見 報道内容 政府が仮想通貨を暗号資産と…

デジタル法定通貨が簡単には実現しない訳

日本銀行の雨宮副総裁が現時点ではデジタル通貨の発行計画がないことを衆議院の予算委員会で述べたと報道されています。 なぜ、日本銀行はデジタル通貨を発行しないのでしょうか。日本政府がキャッシュレス化を進めている中で、デジタル通貨を中央銀行が発行…

銀行口座の入出金情報を活用した企業の信用力評価研究事例

日本銀行とりそな銀行が銀行口座の入出金情報を活用した企業等の信用リスクを評価する共同研究(「入出金情報を用いた信用リスク評価」)の結果を発表しました。ビッグデータ、機械学習、AI等を活用したファイナンスの研究は銀行のみならずフィンテック企業…

AIは金融分野で人(ヒト)を駆逐するのか~資産運用の場合~

「AI」という用語が急速に浸透してきています。 AI=人工知能を活用した様々なサービスが生み出され、AIという用語をメディアで見ない日は無いとっても良いでしょう。 そして、AIは人(ヒト)を代替するようになり、様々な職業が無くなるとも言われています…

銀行保有情報の第三者への提供は新たなビジネスの芽になり得る

金融庁の金融審議会「金融制度スタディ・グループ」が金融機関による情報の利活用に係る制度整備についての報告を公表しました。 この報告書では、銀行本体で情報を活用したビジネスを営むことを可能とすべきとの方向性が述べられています。 今回はこの報告…

【余話】「PAYPAY」の不正利用はかなりヤバい問題~アプリ利用者以外にも影響あり~

かなり大きな問題となりそうなニュースが報道されています。 今回は速報として、記事を掲載します。 報道内容 「PayPay」 不正利用相次ぐ 覚えない請求に注意を2018年12月17日 16時36分 NHK Web News QRコードを使ったスマートフォンの決済サービス…

仮想通貨規制の今後~金融庁案の全体像~

金融庁の仮想通貨交換業等に関する研究会が報告書の案を公表しました。本研究会は、仮想通貨交換業者の不正アクセス・仮想通貨流出等の状況を受け、仮想通貨交換業等を巡る諸問題について制度的な対応を検討するため、2018年3月に設置されていたものです。 …

保険会社のビッグデータ活用方法~情報の使い方には留意が必要~

金融審議会「金融制度スタディ・グループ」(平成30事務年度第4回)が開催されました。 この審議会では「情報通信技術の飛躍的な発展等を背景に、金融と非金融の垣根を超えた情報の利活用が可能となり、従来は存在しなかった利便性の高い革新的なサービスが…

日銀のAIワークショップから学ぶ、銀行がデータビジネスに乗り出す背景と危機感

近時、AIという言葉を聞かない日はないと言えるでしょう。 銀行業界でもAIをどのように活用するのか、AIで何かできないか、AIを活用したIT企業・フィンテック企業に銀行業界が淘汰されるのではないか、等の話題が出ることが多くなっています。 今回は、日本…

デジタルマネーでの給料支払は銀行への更なる追い討ちになる可能性

給与・賃金の支払いにデジタルマネーが認められるとの報道がなされました。 これは非常に驚きのニュースといえます。銀行のビジネスモデルの一端も崩れる可能性があります。 今回は、なぜ給与・賃金にデジタルマネーでの支払いが認められていなかったのか、…

仮想通貨の証拠金取引の倍率上限は下がる方向に

金融庁が開催している「仮想通貨交換業等に関する研究会」の第7回が2018年10月19日に開催されました。 当日時点では議事に使用された資料のみが公開されていますが、報道では仮想通貨の証拠金取引、信用取引について規制すべきとの議論がなされたようです。…

NTTドコモ「信用スコア」算出サービスの拡大は限定的である可能性

NTTドコモがスマートフォンの利用状況等を分析して個人の信用を算出するサービスを金融機関向けに実施すると発表しました。 今回はこのNTTドコモの取り組みについて考察します。 NTTドコモの発表内容 報道内容 サービスの背景 まとめ NTTドコモの発表内容 ま…

銀行の振込時間を24時間365日に拡大することは最低限の対応

2018年10月9日より、銀行の振込が24時間365日可能となるシステムが稼働開始します。 今回はこの振込時間の拡大について確認しましょう。 報道内容 なぜ今まで振込時間に制限が設けられていたのか 今後の振込時間 所見 報道内容 24時間365日の他行振込が可能…

資金移動業の規制が緩和されたらMUFGコインは無意味になる可能性も

日本政府が銀行以外の事業が行う「資金移動業」の規制緩和を検討していると報じられています。 この規制緩和はフィンテック企業等の「送金業務」への参入をさらに促すものになりますが、他にも影響を与えることが予想されます。 今回は資金移動業の法規制見…

キャッシュレス化に関係するデータと現状分析~日銀レポートより~

日本銀行が「キャッシュレス決済の現状」を発表しました。 この報告書はまさにキャッシュレス化に関係のある様々なデータがまとめられています。 今回は、このレポートからキャッシュレス化について考察していくことにしましょう。 日銀の決済システムレポー…

メガバンクの情報銀行への取り組み~MUFGの事例~

情報銀行という言葉を耳にする機会が増えてきています。 先日、金融庁が開催している金融審議会「金融制度スタディ・グループ」では、まさに情報銀行への取り組みについて紹介されていました。 今回は、この銀行における情報銀行への取り組みについて確認し…

仮想通貨における今後の動向~金融庁の研究会から~

金融庁が開催している「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第4回)の議事録が公開されました。 この研究会では、仮想通貨に対する今後の規制等について有識者の間で議論がなされています。 仮想通貨の取引所、マイナーの責任、税制等、幅広く議論がなされ…

政府のキャッシュレス化の動きは止まらない

政府がキャッシュレス化を推進するために本腰を入れようとしています。 2018年4月には経済産業省を中心として「キャッシュレス・ビジョン」がまとめられ、公表されました。 キャッシュレス化は日本の産業育成にとっても、インバウンド消費の拡大や旅行地とし…

金融庁の仮想通貨交換業者への検査結果は一読の価値あり

金融庁が「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ」を発表しました。 これは、コインチェックが不正アクセスを受け、ネットに接続された状態で管理していた暗号資産(※金融庁は当該公表では仮想通貨ではなく暗号資産としています)が流出す…

仮想通貨のカストディー事業は新規参入余地あり~ゴールドマン・サックスの取組検討~

ゴールドマン・サックスが仮想通貨ファンド向けのカストディー業務を検討していると報道されています。 これは面白い切り口だと思います。 今回は、仮想通貨のカストディー業務(カストディアン)について考察します。 報道内容 カストディアンとは 仮想通貨の…

給与・賃金のデジタルマネー払いの課題と展望

「給与のデジタルマネー払いを可能にしてほしい」との規制緩和要望が出ていることが、日経新聞にて報道されました。 非常に面白いアプローチです。 しかし、厚労省はこの規制緩和を簡単には認めない方向のようです。 今回は、なぜ給与・賃金にデジタルマネー…

フィンテックにおける融資サービスは既存銀行を駆逐するか

IT/フィンテック企業がデータを活用し銀行業務(の一部)に進出していく動きが加速してきています。 その中でも、データを活用し、銀行以外の企業が行う融資は「オルタナティブ(代替)・レンディング(貸出)」と言われるようになってきています。 今回は…

APIが銀行に与える影響~日銀ワークショップでの意見~

2018年7月に日銀主催のワークショップの議論内容が開示されました。 このワークショップではオープンAPIを議論しています。 ワークショップにおける自由討議内容は非常に示唆に富んだものとなっていますので、今回はこの自由討議内容を確認していきます。 ワ…

日本でロボアドが広がらないのはサービスの問題では?

ロボット・アドバイザー(通称ロボアド)というサービスをお聞きになったことはあるでしょうか。 簡単に言えば、AIもしくはプログラムが個人投資家に投資運用を指南するサービスです。 このロボアドは米国では相応の人気があるようですが、日本では期待通り…

MUFGのAI投信組成をニュースとするのは疑問アリ

MUFG傘下の三菱UFJ国際投信がAIを活用した投資信託を8月に発売すると発表しました。 日経新聞の報道では「全てをAIに任せる投信は日本初」としています。 今回は、MUFGのAI投信はどのようなものか、AI運用とはそもそもどのような仕組みなのか、AIファンドの…

MUFGの情報銀行への期待と不安

MUFG傘下の三菱UFJ信託銀行が情報銀行への参入を表明しました。 そもそも情報銀行とはどのようなものなのでしょうか。銀行が事業として営むものなのでしょうか。 そして、銀行が運営する情報銀行は成功するのでしょうか。 今回はMUFGの挑戦について考察しま…