銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

資産運用

コストの高い投資信託はパフォーマンスが悪いという不都合な事実

金融庁が「国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標 (KPI)に関する調査」を公表しました。 これは国内の運用会社が発売している投資信託が本当に投資家のためになっているのか、運用コストと運用パフォーマンスの間にきちんと相関関係がある…

私募投信残高100兆円突破は地域金融機関の運用力の無さの象徴

私募投信の残高が初めて100兆円を突破しました。 この事象は金融緩和の環境下においてどのような意味を持つのでしょうか。 そもそも私募投信を購入しているのは「誰」でしょうか。 今回は私募投信の残高を通じて、地銀の経営について少し考えてみましょう。 …

GPIFの2020年度1Q運用実績は過去最高

公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(以下GPIF)が2021年度1Qの運用実績を発表しました。 GPIFの運用実績は赤字になるとマスコミで大きく取り上げられ、将来の年金支給が減るのではないかとの論調が多くなります。 今回の運用実績はどうだっ…

銀行から投資信託・外貨建保険などの運用商品を買ってはいけない

金融庁が「投資信託等の販売会社による顧客本位の業務運営のモニタリング結果について」を発表しました。 金融庁は、日本国民が、金融事業者の「顧客本位の取組み」の状況を比較でき、より自分にあった金融事業者を選択し、自身の資産形成に取り組めるような…

ソフトバンクGは村上ファンドのようなアクティビストに狙われてもおかしくない

ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)が2020年3月期決算を発表しました。 内容は過去最高の赤字です。本業のもうけを示す営業損益は▲1兆3,646億円の赤字になり、最終損益も▲9,615億円と赤字転落しました。ソフトバンクGは90社近くの新興企業などに投資して…

ソフトバンクGへの投資は、アリババに投資して「おまけ」が付いてくるのと同じ

ソフトバンクGは巨額の赤字を計上する見込みですが、 足元の株価は少し持ち直しています。 ソフトバンクGの株価は直近の最悪期を脱しましたが、おそらく孫社長はソフトバンクGの現状の株価に不満を持っているでしょう。 一方で、ソフトバンク・ビジョン・フ…

ホテルを対象としたリートは割安か、割高か~ジャパン・ホテル・リートの事例から考える

新型コロナウィルス感染症の拡大によりリート価格が急落したことは記憶に新しいのではないでしょうか。 特にホテルを投資対象アセットとするリートは軒並み投資口価格 (いわゆる株価)の大幅下落となりました。 足元では投資口価格が少し戻っていますが、 ま…

株式市場暴落時に忘れてはいけないオルタナティブ投資の落とし穴とは

連日、株価が暴落しています。 このような環境下では、 リスクを低減するために資産を分散させた方が良いと考える投資家は存在するでしょう。 その際には、伝統的な資産 (株式、債券)だけではなく、出来るだけ株式市場に影響されないような資産へ投資したい…

「コロナショック」はバブル崩壊や恐慌の始まりなのか?

新型コロナウィルスの影響により世界中で株価が下落しています。 この状況は「バブル」 の崩壊なのでしょうか。恐慌が起きようとしているのでしょうか。 今回はバブルの崩壊や恐慌について少し考察してみましょう。 バブル・恐慌とは 今はバブル崩壊なのか、…

株価暴落に踊らされない道しるべとは?

株価の暴落が続いています。 株式市場はどこが底か見えないようなリスクを忌避する傾向にありますが、今回も同様の事象が発生しているのでしょう。 株価は常に変動しています。 なぜ、ここまで株価が低下するのでしょうか。株価が底を打つとしたら、その参考…

株価はどのように決まるのか?〜暴落相場でちょっと考えてみる〜

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、世界の株式市場で動揺が拡がっています。 特に米国ダウは大幅に上下動しており、日経平均株価も大幅な下落に見舞われています。 株価の上下動はニュースになることが多く、誰もが当たり前に株価を意識しています。 しか…

宝くじで夢を買ってるから、我々は「貧乏人」なんだという話

老後2,000万円問題、公的年金制度への不信、大企業の早期退職者募集、経団連による日本型雇用の否定等、中長期での生活安定が不安視されているのが、今の日本でしょう。 この不安から脱却するために、もしくは、より良い生活を求めて、宝くじで人生を逆転さ…

相場下落時には「自分は非合理」と認識すべし~貧乏人から脱却できない理由~

新型コロナウィルスの感染拡大により株式市場が不安定になっています。 2月3日の休暇明けの株式市場はどこも大荒れとなる可能性があります。 相場が荒れている時には、投資家は様々なことを思い悩むものです。 今回は、相場下落時に「ヒト」はどのような行動…

新型コロナウイルス感染拡大に伴う株価下落は投資のチャンスとなる可能性も

新型コロナウイルスによる肺炎が大きな話題となっています。感染拡大による影響を懸念し、株価も下落しています。 この新型コロナウイルスによる日本経済への短期的な影響について、 今回は考察してみましょう。 短期的な影響 所見 短期的な影響 新型コロナ…

レオパレスをレノ(旧村上ファンド系)が狙う理由

レオパレス21(以下レオパレス)と大株主であるレノ(いわゆる村上ファンド)が対立しているようです。 そもそも、レノは何故レオパレスの大株主になったのでしょうか。 レオパレスの一連の問題事象は悪質です。株式市場、法人契約先、実際の入居者等から悪…

米国とイランの「戦争」は株価上昇となる可能性も〜戦争と株価の関係〜

イランが、精鋭部隊司令官殺害への報復として、イラク駐留のアメリカ軍拠点を弾道ミサイルで攻撃しました。 これを受けて株価は下落しています。 過去、中東における緊張が高まったのは湾岸戦争(1991年)とイラク戦争(2003年)が挙げられます。 今回は、中東に…

地銀が高リスク運用商品への投資を行うこと自体が「悪い」わけではない

地方銀行が高リスクの運用商品投資に踏み込んでいると報道されています。 今回は、地方銀行の投資について簡単に考察したいと思います。 報道記事 投資の三原則 地銀投資の問題点 報道記事 まずは直近の報道記事を確認しましょう。 日本の地銀、高リスクのク…

証券会社の手数料無料化の流れは止まらず、将来の業界再編は必至

証券会社が株式売買手数料や投資信託の販売手数料の無料化に動き出しています。 この流れは個人投資家にとっては良い流れでしょう。 しかし、当事者である証券会社にとってはどうでしょうか。 今回は証券会社の手数料無料化の流れについて、その背景と今後の…

台風襲来に大災害債券「CATボンド」を確認する

大型の台風が日本に迫っています。まずは、被害が出ないように祈るばかりです。 台風のような災害に対して金融はどのようなことが出来るのでしょうか。 火災保険や地震保険は分かりやすい例でしょう。残念にも建物に被害が出た場合等には補修費用を銀行が融…

株主優待をもてはやす風潮は「株式市場を弱めている」可能性も

多くの企業の中間期末である9月末が迫ってきました。 株式投資家にとっては中間配当が気になる時期ですが、株主優待に関する特集も様々な媒体で組まれています。 株主優待は個人投資家に人気で、株主優待生活を実践している有名投資家も存在します。しかし、…

これでもメガバンクから投資信託を買いますか?

日本の投資家が購入している投資信託が、運用歴の長い商品にシフトしてきていると報道されています。 金融業界の販売姿勢が変わってきたことが主因と思われますが、金融業界自らが変わったというよりは、金融庁の指摘・圧力によって変わりつつあるという方が…

老後のために2,000万円を貯めることは実現可能か?

金融庁の審議会が発表した報告書が、老後に公的年金だけでは足りず30年間で2,000万円必要と指摘したところ、様々な批判を浴びたことは記憶に新しいところでしょう。 しかし、筆者は公的年金だけで老後を生活していくのは難しいのではないかと考えています。…

確定拠出年金(DC)のマッチング拠出は最強の運用商品のひとつ

確定拠出年金(DC)でのマッチング拠出が可能な企業が増加してきたとの報道がなされました。 昨今は高齢化に備えて資産運用を行うべきであるとの論調や宣伝が多いですが、DCのマッチング拠出はほとんどの資産運用商品よりも有効な運用です。 今回はDCのマッ…

大手資産運用会社の直接販売参入は、個人にとってはほとんど無意味

資産運用会社が投資信託(投信)の直接販売を強化しています。 この資産運用会社の動きはどのような背景によるものでしょうか。 また資産運用会社の投信直販は我々、資産運用を行う個人にとってはどのような意味があるのでしょうか。 この投信の直接販売の動…

ローン担保証券(CLO)の増加はリーマンショックの再来をもたらすのか

ローン担保証券(CLO)と呼ぶ証券化商品が世界経済の新たなリスクとなってきたと日経新聞が報じています。 約10年前にはサブプライムローンを証券化した金融商品が世界に混乱を巻き起こしました。 ローン担保証券(CLO)とサブプライムローンの証券化…

SMBC信託の「高級車信託」に対する考察

三井住友FG傘下のSMBC信託が面白い商品をリリースすると報道されています。 スパーカーやクラシックカーなどの希少・高級な自動車を対象とする「高級車」信託です。 今回はこの高級車信託について考察しましょう。 報道内容 信託という商品性 高級車マーケッ…

株式市場が不調な時に見直されるマーケットニュートラルという投資戦略

近時、株価の変動幅が大きくなってきています。ここしばらくは大幅な下落もあり、投資で損失を出している個人もいるでしょう。 このような相場の時には、リスクを抑えて安定的に収益を得たいと考える投資家が増えます。また、「買い建て(ロング)」のみの株式…

ESG投資にリターンは期待出来るのか~現時点での研究結果~

ESG(環境・社会・ガバナンス)投資に変調の兆しがあると日経新聞が報じています。そして、そのESG投資が減少する可能性の理由に投資リターンを挙げています。投資家が、理念先行の投資よりもリターンを重視するシナリオがあり得るとしているのです。 今回は、…

株主優待は本質的には廃止すべき~株主優待は株主平等原則に反するという事実~

大和インベスター・リレーションズの調査によると、上場企業の株主優待実施率が過去最高を更新しています。 個人の株主にとっては、株主優待というのは投資する企業を選ぶための重要な要素の一つでしょう。株主優待を活用した生活で注目を浴びている有名な個…

元本確保型投資信託の人気はプロ不在の証し

投資信託の販売が苦戦しているとされています。 この要因は様々ではあるでしょうが、金融庁の一連の指摘(毎月分配型の非効率性、運用実績に比した手数料の高さ、銀行の期末押し込み販売への懸念、回転売買への懸念等)から、銀行自体も販売を自粛している可能…