銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

資産運用

証券会社の手数料無料化の流れは止まらず、将来の業界再編は必至

証券会社が株式売買手数料や投資信託の販売手数料の無料化に動き出しています。 この流れは個人投資家にとっては良い流れでしょう。 しかし、当事者である証券会社にとってはどうでしょうか。 今回は証券会社の手数料無料化の流れについて、その背景と今後の…

台風襲来に大災害債券「CATボンド」を確認する

大型の台風が日本に迫っています。まずは、被害が出ないように祈るばかりです。 台風のような災害に対して金融はどのようなことが出来るのでしょうか。 火災保険や地震保険は分かりやすい例でしょう。残念にも建物に被害が出た場合等には補修費用を銀行が融…

株主優待をもてはやす風潮は「株式市場を弱めている」可能性も

多くの企業の中間期末である9月末が迫ってきました。 株式投資家にとっては中間配当が気になる時期ですが、株主優待に関する特集も様々な媒体で組まれています。 株主優待は個人投資家に人気で、株主優待生活を実践している有名投資家も存在します。しかし、…

これでもメガバンクから投資信託を買いますか?

日本の投資家が購入している投資信託が、運用歴の長い商品にシフトしてきていると報道されています。 金融業界の販売姿勢が変わってきたことが主因と思われますが、金融業界自らが変わったというよりは、金融庁の指摘・圧力によって変わりつつあるという方が…

老後のために2,000万円を貯めることは実現可能か?

金融庁の審議会が発表した報告書が、老後に公的年金だけでは足りず30年間で2,000万円必要と指摘したところ、様々な批判を浴びたことは記憶に新しいところでしょう。 しかし、筆者は公的年金だけで老後を生活していくのは難しいのではないかと考えています。…

確定拠出年金(DC)のマッチング拠出は最強の運用商品のひとつ

確定拠出年金(DC)でのマッチング拠出が可能な企業が増加してきたとの報道がなされました。 昨今は高齢化に備えて資産運用を行うべきであるとの論調や宣伝が多いですが、DCのマッチング拠出はほとんどの資産運用商品よりも有効な運用です。 今回はDCのマッ…

大手資産運用会社の直接販売参入は、個人にとってはほとんど無意味

資産運用会社が投資信託(投信)の直接販売を強化しています。 この資産運用会社の動きはどのような背景によるものでしょうか。 また資産運用会社の投信直販は我々、資産運用を行う個人にとってはどのような意味があるのでしょうか。 この投信の直接販売の動…

ローン担保証券(CLO)の増加はリーマンショックの再来をもたらすのか

ローン担保証券(CLO)と呼ぶ証券化商品が世界経済の新たなリスクとなってきたと日経新聞が報じています。 約10年前にはサブプライムローンを証券化した金融商品が世界に混乱を巻き起こしました。 ローン担保証券(CLO)とサブプライムローンの証券化…

SMBC信託の「高級車信託」に対する考察

三井住友FG傘下のSMBC信託が面白い商品をリリースすると報道されています。 スパーカーやクラシックカーなどの希少・高級な自動車を対象とする「高級車」信託です。 今回はこの高級車信託について考察しましょう。 報道内容 信託という商品性 高級車マーケッ…

株式市場が不調な時に見直されるマーケットニュートラルという投資戦略

近時、株価の変動幅が大きくなってきています。ここしばらくは大幅な下落もあり、投資で損失を出している個人もいるでしょう。 このような相場の時には、リスクを抑えて安定的に収益を得たいと考える投資家が増えます。また、「買い建て(ロング)」のみの株式…

ESG投資にリターンは期待出来るのか~現時点での研究結果~

ESG(環境・社会・ガバナンス)投資に変調の兆しがあると日経新聞が報じています。そして、そのESG投資が減少する可能性の理由に投資リターンを挙げています。投資家が、理念先行の投資よりもリターンを重視するシナリオがあり得るとしているのです。 今回は、…

株主優待は本質的には廃止すべき~株主優待は株主平等原則に反するという事実~

大和インベスター・リレーションズの調査によると、上場企業の株主優待実施率が過去最高を更新しています。 個人の株主にとっては、株主優待というのは投資する企業を選ぶための重要な要素の一つでしょう。株主優待を活用した生活で注目を浴びている有名な個…

元本確保型投資信託の人気はプロ不在の証し

投資信託の販売が苦戦しているとされています。 この要因は様々ではあるでしょうが、金融庁の一連の指摘(毎月分配型の非効率性、運用実績に比した手数料の高さ、銀行の期末押し込み販売への懸念、回転売買への懸念等)から、銀行自体も販売を自粛している可能…

三菱UFJ信託銀行の豪州資産運用会社買収の難しさ

三菱UFJ信託銀行がオーストラリアの資産運用会社を買収すると発表しました。国内金融機関による海外の資産運用会社の買収では過去最大規模となります。 今回は、この買収について簡単に考察します。 報道内容 買収のメリット 本件買収の留意点 報道内容 本件…

私立大学等の資産運用の現状~積極化はリスクと隣り合わせ~

私立大学が少子化への対応もあり資産運用を積極化しています。 今回はこの私立大学の資産運用について簡単に考察します。 報道内容 調査結果 所見 報道内容 まずは足元の動きをつかみましょう。以下、日経新聞の記事を引用します。 大学 リスク投資に軸足 20…

運用はインデックスでもアクティブでも良いが、最も問題なのは「個人の感情」である

インデックス型とアクティブ型の投資信託のどちらに投資すべきかという議論が近時なされています。 特に、森金融庁前長官が個人の運用についてはインデックス・ファンドを推奨したこともあり、個人投資家にはインデックスファンド信仰のようなものがあるかも…

融資ファンド(プライベート・デット・ファンド)の拡大は続くか

(画像はトパーズです。本文とは関係ありません) 融資ファンド(プライベート・デット・ファンド)が拡大しているとの報道がなされています。 低金利環境にあり資金運用難に陥っている地方銀行(地銀)が融資ファンドに殺到しているというのです。しかし、…

株主総会における三菱UFJ信託の三菱マテリアルへの反対票

三菱グループである三菱UFJ信託銀行が、同じ三菱グループである三菱マテリアルの役員選任に株主総会で反対したとの報道がなされています。 旧財閥である三菱グループは結束が固いと言われてきました。その一員である三菱UFJ信託が、三菱マテリアルの経営陣に…

GPIFのAI活用は非常に興味深いアプローチ

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がAIを年金運用に活用すると報道されています。 AIを運用そのものに使う動きは増加していますが、GPIFは自分達で直接運用することはありません。 では、どの業務にAIを利用するのでしょうか。 今回はGPIFのAIの活用に…

Facebookの株価下落は大したことではない~値幅制限について考える~

Facebookの株式時価総額が急落したことがニュースになっています。 一日にして、Facebookの時価総額が10兆円以上下落しました。 10兆円といえば日本の時価総額2位のNTTドコモ、NTT(日本電信電話)、ソフトバンクグループの時価総額に近い数字です(2018年7…

日本でロボアドが広がらないのはサービスの問題では?

ロボット・アドバイザー(通称ロボアド)というサービスをお聞きになったことはあるでしょうか。 簡単に言えば、AIもしくはプログラムが個人投資家に投資運用を指南するサービスです。 このロボアドは米国では相応の人気があるようですが、日本では期待通り…

MUFGのAI投信組成をニュースとするのは疑問アリ

MUFG傘下の三菱UFJ国際投信がAIを活用した投資信託を8月に発売すると発表しました。 日経新聞の報道では「全てをAIに任せる投信は日本初」としています。 今回は、MUFGのAI投信はどのようなものか、AI運用とはそもそもどのような仕組みなのか、AIファンドの…

衛星画像はどこまで投資に使えるのか~技術を理解する~

衛星の画像データが軍事目的だけではなく、民間の運用会社でも利用されていることをご存じの方も多いでしょう。 今まで運用会社が活用してきた情報は、事後に政府・企業等が集計したデータでした。 例えば、住宅の着工戸数、GDP、消費者物価指数、企業業績等…

投資と投機とギャンブルの違い

株式投資はギャンブルのようなものだと言われることがあります。 損をする覚悟で「投資」すると発言する方もいらっしゃるでしょう。 一方で、投資とギャンブルは違うと考えている人もいます。 投資とギャンブルに違いはあるのでしょうか。 また、投機という…

旧村上ファンドのようなアクティビストは悪か

旧村上ファンド(通称)が近時活発に活動しているようです。 この旧村上ファンドのようなアクティビストと呼ばれる投資家に嫌悪感をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。 「金の亡者」「強引」「敵対的」「企業・秩序の破壊者」等のようなイメージがあるかも…

個人型確定拠出年金(iDeCo)のデフォルト商品を投信とする流れ

りそな等が、個人型確定拠出年金(iDeCo)の基本(デフォルト)商品を投資信託(投信)にする方針との報道がありました。 これは非常に面白い取組です。 今回はiDeCoのデフォルト商品をなぜ投信とするのか、その背景について考察します。 記事 りそなのプレスリリ…

個人型確定拠出年金(iDeCo)の銀行窓販解禁について

一部報道で、個人型確定拠出年金(iDeCo)の銀行窓販解禁が報道されました。 2018年4月20日に厚生労働省が社会保障審議会企業年金部会を開催し議論をした後、2018年度中に関連規制の改正を目指すとされています。 今回はこのiDeCoの銀行窓販解禁について確認し…

長寿リスク移転(LRT)は次の新しい投資対象になり得る

人口の高齢化現象は、多くの国において、社会政策や規制・監督上の重要な課題をもたらしています。 高齢化現象は、単に人々が長生きをするということを意味するだけではなく、高齢化による長寿リスク(longevity risk:想定以上の長期にわたる年金支払いが発生…

KDDIのアセットマネジメント業参入で得をするのは大和証券

KDDIが大和証券グループ本社と組んでアセットマネジメントを設立すると発表しました。 方向性は面白いとは思いますが、筆者はこの合弁会社設立で利益を得るのは大和証券側だと考えています。おそらくKDDI側からみると収益ではかなり苦戦するでしょう。 今回…

【速報】確定給付企業年金のポートフォリオ等の公表

厚生労働省が確定給付企業年金の事業状況等を公表しました。 この統計データでは2013年度から2015年度の確定給付企業年金制度全体の統計情報が開示されています。 このような統計情報は今回初めて公表されたものです。 企業年金のポートフォリオ全体がどのよ…