銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

資産運用

衛星画像はどこまで投資に使えるのか~技術を理解する~

衛星の画像データが軍事目的だけではなく、民間の運用会社でも利用されていることをご存じの方も多いでしょう。 今まで運用会社が活用してきた情報は、事後に政府・企業等が集計したデータでした。 例えば、住宅の着工戸数、GDP、消費者物価指数、企業業績等…

投資と投機とギャンブルの違い

株式投資はギャンブルのようなものだと言われることがあります。 損をする覚悟で「投資」すると発言する方もいらっしゃるでしょう。 一方で、投資とギャンブルは違うと考えている人もいます。 投資とギャンブルに違いはあるのでしょうか。 また、投機という…

旧村上ファンドのようなアクティビストは悪か

旧村上ファンド(通称)が近時活発に活動しているようです。 この旧村上ファンドのようなアクティビストと呼ばれる投資家に嫌悪感をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。 「金の亡者」「強引」「敵対的」「企業・秩序の破壊者」等のようなイメージがあるかも…

個人型確定拠出年金(iDeCo)のデフォルト商品を投信とする流れ

りそな等が、個人型確定拠出年金(iDeCo)の基本(デフォルト)商品を投資信託(投信)にする方針との報道がありました。 これは非常に面白い取組です。 今回はiDeCoのデフォルト商品をなぜ投信とするのか、その背景について考察します。 記事 りそなのプレスリリ…

個人型確定拠出年金(iDeCo)の銀行窓販解禁について

一部報道で、個人型確定拠出年金(iDeCo)の銀行窓販解禁が報道されました。 2018年4月20日に厚生労働省が社会保障審議会企業年金部会を開催し議論をした後、2018年度中に関連規制の改正を目指すとされています。 今回はこのiDeCoの銀行窓販解禁について確認し…

長寿リスク移転(LRT)は次の新しい投資対象になり得る

人口の高齢化現象は、多くの国において、社会政策や規制・監督上の重要な課題をもたらしています。 高齢化現象は、単に人々が長生きをするということを意味するだけではなく、高齢化による長寿リスク(longevity risk:想定以上の長期にわたる年金支払いが発生…

KDDIのアセットマネジメント業参入で得をするのは大和証券

KDDIが大和証券グループ本社と組んでアセットマネジメントを設立すると発表しました。 方向性は面白いとは思いますが、筆者はこの合弁会社設立で利益を得るのは大和証券側だと考えています。おそらくKDDI側からみると収益ではかなり苦戦するでしょう。 今回…

【速報】確定給付企業年金のポートフォリオ等の公表

厚生労働省が確定給付企業年金の事業状況等を公表しました。 この統計データでは2013年度から2015年度の確定給付企業年金制度全体の統計情報が開示されています。 このような統計情報は今回初めて公表されたものです。 企業年金のポートフォリオ全体がどのよ…

ギャンブルをするなら投資をするべき~数字でみるギャンブルのアホらしさ~

日本はギャンブル大国といわれています。 日本の「ギャンブル市場」は27兆円程度と推計されており、確かに大きな市場といえます。 なお、この27兆円という金額は、ギャンブルを行う個人が最初に払い込む金額であり、当せん金の払い戻し部分を控除した実態で…

エンジェル税制という、株式投資家にも銀行員にも見逃せない武器

エンジェル税制についてお聞きになったことはあるでしょうか。 現在、日本においては様々な投資対象・手法が存在します。 盛り上がりをみせている仮想通貨への投資もありますし、伝統的な株式投資や外貨投資に加え、NISA、iDeCoのような税制優遇を受けられる…

【速報】個人型DC(iDeCo)の加入者推移

個人型DC=iDeCoの最新の加入者数が発表されました(2018年1月4日)。 厚生労働省の発表によるとiDeCoの加入者数は2017年11月末時点で70万人を突破しました。 2016年12月末時点の約30万人から11ヶ月で加入者数は2倍以上の増加となっています。 2017年1月のDC…

不動産価格・賃料の国際比較では投資するなら香港が有望か

世界的に金余りが続いています。 株価も高値圏にありますし、仮想通貨・暗号通貨価格の大幅なアップダウンが毎日報道されています。 そのような環境下、不動産は居住するものであり、仕事を行う場所でもありますが、重要な投資先の一つともなっています。 そ…

企業はコスト削減のため退職金制度を企業年金制度へ移行するという選択肢も

人口減から逃れられない日本において、企業は人件費をなかなか増やそうとはしません。 むしろAI等への投資を通じて人件費をさらにカットしていく動きの方が加速する可能性もあります。 そのような中、企業が、従業員の給料・賞与カットを行わずに人件費削減…

人件費削減策における退職給付信託という手法

会社員にとって給料が上昇したと実感できない環境が続いています。 内部留保が積みあがっているとか、人手不足と言われながらも、企業は簡単に人件費を上げようとはしません。 今回は、従業員にとっての「痛みがない形で」企業が人件費を下げる方法について…

オルタナティブ投資はCAT債(キャットボンド)を選択肢にすべき

世界全体で金融緩和環境、すなわち金余りが起きています。 この環境下、資産運用における利回り確保のため、オルタナティブ(代替)投資が拡大してきました。 インフラ投資、バンクローン等への投資も拡大していますが、やはり不動産への資金流入は大きなも…

生産緑地の2022年問題という時限爆弾

(この記事は2017年8月に作成した記事を再掲しています。最新の情報を更新していない点がありますが、ご容赦ください。) 皆さんは生産緑地という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。 実は、2022年に生産緑地が宅地として大量にマーケットに供給される…

AI 運用の拡大に伴うIR の今後

AIというワードを新聞やマスコミ等で見かけない日はありません。 この大きな波は金融の現場にも及んでいます。これから続々と普及するであろうAI運用です。 本日はこのAI運用について軽く触れるともに、投資される側の企業にとって意識すべきこと、このAI運…

IFRS新リース会計による不動産市場への影響

国際会計基準(IFRS)における新リース会計基準が公表されています。 この基準の導入により不動産の「賃借」が「保有」と比べて、あまり変わらなくなります。 これは不動産市場に対しては大きな影響を与える可能性があります。 今回はIFRSの新リース会計基準…

自動運転が不動産価値を変える可能性

自動車の自動運転技術の開発競争が激化しています。 2020年代にはある程度の自動運転化が本当になされている可能性もゼロではありません。 この自動運転技術が完成、普及となった場合には、金融業界にも不動産業界にも非常に大きな変化をもたらすことになり…

金融庁の金融レポートにみる銀行の運用商品販売の今後

今回は2017年10月に公表された金融庁の金融レポートから、金融庁が問題意識を持つ「銀行の顧客本意の業務運営」等についてみていきます。 この金融庁の問題意識を確認することにより銀行の個人・リテール部門における販売商品・販売方法の将来的な方向性等が…

不動産アセットマネジメント業務はなぜ存在するのか

不動産の証券化投資スキームでは、不動産アセットマネジメント業務を行うアセットマネジャーを活用することが非常に多くなっています。 少なくとも10年前には、不動産アセットマネジャーは不動産証券化スキームに組み込まれていませんでした。この不動産アセ…

資産管理会社を活用した相続対策の基本

相続対策に有効なのは法人を作ることだとお聞きになった方も多いのではないでしょうか。 しかし、なぜ法人を活用すると相続対策になるのでしょうか。そしてデメリットはないのでしょうか。 今回は簡単に資産管理会社といわれる法人設立による相続対策につい…

収益不動産購入による相続対策~借入金そのものには節税効果なし~

賃貸アパートの乱立、銀行のアパートローンの抑制等を報道等で目にします。 賃貸アパート建築、購入が相続税対策になるということはほとんどの方が認識されているでしょう。 しかし、具体的にはどのような効果があるのかをご存じの方は以外と少ないのではな…

サステナブル投資の類型

GPIFが2017年7月にESG指数に連動した運用を開始したことでESG投資が注目を浴び始めています。 今回はESG投資を含む概念であるサステナブル投資についてみていきます。 サステナブル投資とは サステナブル投資の分類・戦略 ネガティブ/排除・スクリーニング …

MiFID2の影響~運用会社の成果報酬導入の背景~

日経新聞にフィデリティが顧客から収受する手数料を運用成果に連動させる新制度を導入する旨の記事が掲載されていました。 今回はこの成果連動の運用手数料導入の流れについて考察します。 報道内容 成果連動手数料の導入背景 MiFID2の影響 報道内容 日経新…

不動産信託のメリット・デメリット~不動産信託は魔法の杖ではない~

J-REIT等不動産のプロの不動産取得では不動産信託が用いられます。 現物の不動産を信託し、信託受益権化することで不動産売買のメリットが得られるとご存知の方はいらっしゃるでしょうが、実際にどのようなメリットがあるか、デメリットは何かご承知でしょう…

地方銀行の苦境と金融庁の監督指針

金融庁は金融機関の財務(B/S)から損益(P/L)に監督の焦点を移行していくと表明しています。そして画一的な検査・監督ではなく金融機関の自主性に重きを置く監督方針に変更していくとしています。 足元の動きは本当に金融「処分」庁から金融「育成」庁に変…

機関投資家の株式議決権行使にかかる誤解

ダイヤモンドオンラインに、三菱UFJ信託が三菱自の社長人事にNO!議決権行使「仁義なき個別開示」という記事が掲載されていました。三菱UFJ信託が三菱自の社長人事にNO!議決権行使「仁義なき個別開示」 | Close-Up Enterprise | ダイヤモンド・オンライン …

投信等の回転売買問題

金融庁が主要行に立ち入り検査を実施するとの記事が出ていました。 www.bloomberg.co.jp 金融庁が国内の主要な銀行などを対象に、顧客本位の投資商品を提供しているかどうかに焦点を当てた立ち入り検査を実施する方針であるとのことです。 金融庁は銀行の投…

LTCMから得る教訓の重要性

かつてLTCM(Long Term Capital Management)という世界で最も有名なヘッジファンドがありました。 このヘッジファンドは結果として破綻してしまいましたが、このファンドの破綻劇から得られる教訓は今でも重要です。 今回はLTCMから得る投資原則の重要性に…