銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

朝日新聞社の2020年4~9月決算は大赤字に転落

新聞大手の朝日新聞社が2021年3月期中間決算を発表しました。 2020年4~9月の半年間の決算は、大幅な減収となり、営業利益以下も赤字でした。最終損益は419億円の大幅な赤字となっています。 赤字の責任を取って現社長は新中期経営計画がスタートする2021年4…

「食費 月5万円で高い」という感覚に、日本の貧しさを感じる

NHKのニュースで取り上げられた20歳代の女性の毎月の食費について、ネット上で議論が巻き起こっているようです。 NHKニュースで報道された25歳の女性の家計簿は、月の食費を「5万円」としていましたが、これに対し「高すぎる」「全然高くない」と様々な意見…

銀行が不動産担保に頼らない貸出ができると思いますか?~包括的担保法制導入の動き~

金融庁が「事業者を支える融資・再生実務のあり方に関する研究会」の第1回会合を開催しました。 現在、担保は不動産(有形資産)などの個別資産が中心だが、ノウハウや顧客基盤などの無形資産を含む「事業全体の価値」を包括的に担保とする仕組みの導入を目…

コロワイドに大戸屋を買収している余裕は無いという事実

焼き肉チェーンの「牛角」等を展開する外食大手のコロワイドが、定食チェーンの大戸屋ホールディングスを2020年9月に買収しました。 この買収劇は敵対的買収として話題にもなりましたが、大戸屋は赤字です。 コロナ禍の中で、コロワイド自体の業績はどのよう…

サブリースガイドラインにおける誇大広告具体例

不動産会社等が、アパートを家主から一括して借り上げ、入居者に貸し出しする「サブリース契約(いわゆる又貸し)」をめぐるトラブルが後を絶たないことから、サブリースの勧誘や広告を規制する新たな法律が2020年12月に施行されます。 この法律で規制する不…

Go To トラベルは感染拡大の主要な要因ではない

「Go Toトラベル」について政府は、新型コロナウィルスの感染拡大地域を目的地とする旅行の新規予約を一時停止するなどの措置を導入することになりました。 しかし、ここに素朴な疑問があります。 Go To トラベルは、新型コロナウィルスの新規感染者を本当に…

旅行業界最大手JTBすら急激なリストラに追い込まれるコロナの怖ろしさ

旅行業界最大手のJTBが2020年4~9月の決算を発表しました。 中間決算は驚くほどの巨額赤字となり、今年度の経常損益が過去最大の1,000億円の赤字となる見通しも公表しています。 加えて、早期退職の拡充等によって国内外で全社員の20%程度に当たる6,500人を…

「いきなり!ステーキ」は生き残れるのか~2020年12月期3Q決算~

「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスが2020年12月期3Qの決算を発表しました。 一時期はかなりの人気を誇り急激な成長を遂げてきた「いきなり!ステーキ」は、新型コロナウィルス感染症拡大前から業績不調に陥っていました。 コロナ禍に…

楽待不動産投資新聞に『本社ビルなぜ売却? 決算書から読み解くエイベックスの懐事情』を寄稿しました

楽待不動産投資新聞に記事を寄稿いたしました。 今回は、かつて日本の音楽シーンを席巻した音楽レーベルであるエイベックスの本社売却について書かせて頂きました。 エイベックスが2017年に竣工したばかりの本社をなぜ売るのかについて考察しております。 コ…

3メガバンク単体の2021年3月期2Q決算比較~三菱UFJ銀行の課題が目立つ決算~

メガバンクの2021年3月期2Q(4~9月)が出そろいました。 今やメガバンクは、証券会社やカード会社、消費者金融、信託銀行等を傘下に収めており、単純に銀行とは言い切れません。各社戦略にも差があり、メガバンクで単純な比較を行うのは難しくなりました。 …

MUFGの2020年4~9月決算は、マーケット(市場)に助けられたという事実

邦銀最大手のMUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)が2020年4~9月の決算を発表しました。 コロナ禍の影響を受けているものの、冷静に見て数字は悪くはないでしょう。 今回はMUFGの2021年3月期2Q決算を簡単に見ていきたいと思います。 決算概要 MUFGの決…

KNT-CTHD(近畿日本ツーリスト)の決算から見る旅行会社の苦境

近畿日本ツーリスト、クラブツーリズム等を展開する大手旅行会社KNT-CTホールディングスが2021年3月期2Q(4~9月)の決算を発表しました。 コロナ禍において旅行会社の業績が苦戦するのは避けられないことではあるものの、KNT-CTホールディングスの決算状況…

楽待不動産投資新聞に『レオパレスなぜ救済? 米投資ファンドが狙う「相乗効果」の脅威』を寄稿しました

今回は、レオパレス21にフォートレスが投資した理由について、少し深堀してみました。 改めて考えると、なぜフォートレスというソフトバンクG傘下の米投資会社は、レオパレス21に投資したのでしょうか。 レオパレス21は、社会の敵といっても良いぐらいに報道…

ユナイテッドアローズの2021年3月期2Q決算から見るセレクトショップの今後

コロナ影響で様々な業種の業績が悪化しています。 特に影響を受けているのはコロナ7業種と言われている「陸運、小売、宿泊、飲食、生活関連、娯楽、医療福祉」です。人の移動・集客を商売の前提としている業種が苦戦していることになります。 そして、テレワ…

藤田観光の2020年度3Q決算は、財務的には崖っぷちの状態に

(写真出所 藤田観光Webサイト) ホテル椿山荘東京を運営する藤田観光が2020年12月期3Q(1~9月)決算を発表しました。 コロナ禍において、ホテルは各社とも非常に厳しい状況にありますが、藤田観光も同様です。 藤田観光は大幅な赤字によって財務体質がかな…

JR北海道の2021年3月期2Q決算は、深刻な企業存続の問題を浮き彫りに

コロナ禍の中、北海道旅客鉄道(JR北海道)が大幅な赤字を計上しました。 JR北海道が2020年11月6日に発表した2021年3月期2Q(4~9月)の連結決算は、最終赤字が149億円(前年同期は▲3.9億円)に拡大しています。 売上高、赤字幅は過去最低です。そのような中…

日本企業における女性役員・管理職と外国人役員の現状

女性活躍、ダイバーシティが企業経営で叫ばれて久しいですが、女性経営者が次々と現れている印象はありますでしょうか。経団連のような経営者団体のニュースを見る限りでは、日本の経営者は男性ばかりです。 また、三菱ケミカルホールディングスが外国人社長…

小説「帝国銀行、人事部」が60話目に突入しました!

コロナ禍の中始めた、連載中の銀行員小説「帝国銀行、人事部」が60話目に突入しました。 今は、銀行がどのようなリストラを将来行うと想定されているのか、そんなシミュレーションを小説にエピソードして盛り込んだパートを執筆中です。 www.business-novel.…

高齢者による交通事故「増加」の不都合な事実

高齢者が引き起こした交通事故が増加しているように感じたことはないでしょうか。 2019年に起きた池袋母子死亡事故は、加害者が「上級国民」だとされ、大きな話題となりました。 このようなマスコミの報道や、実際に危ない運転をしている高齢者ドライバーを…