銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

ガバナンス

株主総会の集中日という慣行は株主軽視では?

3月決算の上場企業の株主総会がピークを迎えています。 なぜ上場企業の株主総会開催日は集中しているのでしょうか。近時の傾向はどうなっているのでしょうか。 今回は株主総会の集中日について確認しましょう。 報道内容 株主総会の開催集中日の動向 集中日…

日産が指名委員会等設置会社への移行を目指す理由

日産自動車がガバナンス改革を進める組織移行を株主総会の議案に挙げています。 しかし、報道では日産自動車の実質的な親会社であるルノーがこの移行に難色を示しているとされています。 この日産自動車が進める組織移行は「指名委員会等設置会社」への転換…

株式の持合いや政策保有株式の問題点は何か?~素朴な疑問点~

「株式の持合い」や「政策保有株式」という日本の高度成長期を支えてきたとも言われていた仕組に逆風が吹いています。近時はコーポレートガバナンス・コードの改定で企業は政策保有株式の売却を求められています。 「株式の持合い」や「政策保有株式」と言え…

レオパレス21の施工不良問題に見え隠れする日本企業の根本的な問題

レオパレス21が施工不良問題で、外部調査委員会が中間報告を発表しました。 この報告では、創業者であり当時の社長によるトップダウンの指示があったことも判明しています。 一部ではレオパレス21の問題について報道されていますが、調査委員会の報告書その…

東証の上場市場再編はコーポレートガバナンス対応が一つの重要な切り口に

2019年1月28日に開催される「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第17回)の議事次第が事前に公表されました。 この会議では特にコーポレートガバナンス・コードの企業の受け入れ(コンプライ)状況や有…

スルガ銀行の創業家ファミリー企業向け不適切融資問題は他人事ではない

スルガ銀行が創業家ファミリー企業向け不適切融資問題に関連して現旧取締役に対して損害賠償請求訴訟を提起しました。 提訴の理由は、創業家ファミリー企業にかかる与信管理についての職務執行の善管注意義務違反等になります。 本件創業家ファミリー企業向…

TATERUの改ざん問題は信用棄損という大問題

東証1部上場のTATERU(タテル)がアパートオーナーの銀行融資にかかる申請書類を改ざんしていた問題で、第三者の調査委員会の調査報告書を公表しました。 今回はこの調査報告書の内容および今後の影響について考察します。 報道内容 報告書の内容 所見…

スルガ銀行の創業家向け融資は特別背任の可能性も

(画像と本文の内容とは関係ありません) スルガ銀行が、創業家およびファミリー企業向け融資について元会長らを提訴するとの報道がなされました。 スルガ銀行は業務改善計画を金融庁に提出し、会社としての再出発を図ろうとしています。その業務改善計画に…

産業革新投資機構の社外取締役の辞任コメントから見る日本の問題点

産業革新投資機構の民間取締役全員が辞任表明をしました。 一部報道では、役員の報酬で経済産業省と対立したとされていますが、辞任理由はもっと根本的なものです。 今回は、社外取締役が辞任表明に際してコメントを発表していますので、その全文を掲載しま…

スルガ銀行の業務改善計画は一読の価値あり

シェアハウス問題等の渦中にあるスルガ銀行が金融庁へ業務改善計画を提出しました。 投資用不動産融資に関する不祥事を反省し、業務運営を抜本的に改める内容としています。 今回は、スルガ銀行が金融庁に提出した業務改善計画について確認していきましょう…

スルガ銀行の旧経営陣提訴にかかる判断理由~調査委員会報告~

スルガ銀行が旧経営陣ら9名を提訴しました。 提訴理由はシェアハウスなどへの不適切融資により発生した損失への損害賠償請求です。 今回は、このスルガ銀行の提訴理由、内容について賠償責任の有無を調べる取締役等責任調査委員会の報告内容を確認します。 …

ソフトバンクが目指す親子上場についての論点

ソフトバンクグループが携帯電話子会社としてのソフトバンクを上場させようとしています。 一方で、親子上場が減ってきているというニュースをご覧になった方もいるかもしれません。 親子上場は様々な問題点を含んでいます。 今回は、ソフトバンクグループが…

役員退職慰労金という嫌われもの~キーワードは株主との利害一致~

役員退職慰労金という言葉をご存知でしょうか。いわゆる企業の役員に対する退職金です。 この退職慰労金を廃止する上場企業が増加しています。 今回は役員退職慰労金が廃止されている背景について確認していきましょう。 報道内容 役員退職慰労金とは コーポ…

スルガ銀行へどのような行政処分が下されるのか~業務停止命令の過去事例~

スルガ銀行の第三者委員会の公表がなされ、経営陣も入れ替えとなりました。 金融庁はスルガ銀行への行政処分について検討していると報じられています。 今回は、スルガ銀行へどのような行政処分が下される可能性があるのか、過去の事例を踏まえながら考察し…

スルガ銀行創業家の株式売却は同行・金融庁にとって良い動き

シェアハウス融資問題等に揺れるスルガ銀行の創業家が保有株式を手放すとの報道が伝えられています。 今回は、スルガ銀行創業家の株式売却が同行に与える影響等について考察します。 報道内容 所見 報道内容 まずは、報道内容を確認しましょう。 以下は日経…

スルガ銀行の取締役・執行役員の責任について

旧経営陣のほとんどが退任し、新体制となったスルガ銀行が旧経営陣の責任追及に動き出しました。 今回は、スルガ銀行の旧経営陣にどのような責任があるのかについて考察していきましょう。 もちろん、この取締役等の責任論は銀行のみならず企業全体に当ては…

スルガ銀行のパワハラ等問題事例はかなりスゴい~第三者委員会報告書より~

スルガ銀行が調査を依頼していた第三者委員会が調査結果を報告しました。 この第三者委員会は2018年1月に株式会社スマートデイズがシェアハウスオーナーに対する賃料支払を中止したことに端を発するシェアハウス関連融資問題の発生を受け、ステークホルダー…

スルガ銀行問題の本質は「見て見ぬふりをする企業風土」か~第三者委員会報告より~

スルガ銀行が調査を依頼していた第三者委員会が調査結果を報告しました。 この第三者委員会は2018年1月に株式会社スマートデイズがシェアハウスオーナーに対する賃料支払を中止したことに端を発するシェアハウス関連融資問題の発生を受け、ステークホルダー…

スルガ銀行の強みは実質的に貸出の「無」審査に支えられていたという事実~第三者委員会報告から~

スルガ銀行が調査を依頼していた第三者委員会が調査結果を報告しました。 この第三者委員会は2018年1月に株式会社スマートデイズがシェアハウスオーナーに対する賃料支払を中止したことに端を発するシェアハウス関連融資問題の発生を受け、ステークホルダー…

スルガ銀行は「不正・不適切融資事例の教科書」~第三者委員会報告より~

スルガ銀行が調査を依頼していた第三者委員会が調査結果を報告しました。 この第三者委員会は2018年1月に株式会社スマートデイズがシェアハウスオーナーに対する賃料支払を中止したことに端を発するシェアハウス関連融資問題の発生を受け、ステークホルダー…

株主総会における三菱UFJ信託の三菱マテリアルへの反対票

三菱グループである三菱UFJ信託銀行が、同じ三菱グループである三菱マテリアルの役員選任に株主総会で反対したとの報道がなされています。 旧財閥である三菱グループは結束が固いと言われてきました。その一員である三菱UFJ信託が、三菱マテリアルの経営陣に…

スルガ銀行の創業家会長退任~創業家の影響排除は困難という現実と統合の考察~

(写真と本文は関係ありません) スルガ銀行の創業家会長が辞任するとの報道がなされました。 30年間にわたりトップを務め、スルガ銀行をガバナンス不全に陥らせた責任を取るということのようです。 では、スルガ銀行は新たに生まれ変われるのでしょうか。スル…

イベントから勝負の場になってきた株主総会

2018年6月の株主総会は、やはり波乱が起きました。 昨年から比べても会社提案の議案への賛成を得るのが難しくなってきています。 ほんの数年前までの「シャンシャン」総会は過去のものになりそうです。 今回は2018年6月の株主総会についてのトピックスについ…

自社株報酬における株式給付信託の位置付け

日経新聞で信託を使った株式報酬制度導入が拡大しているとの報道がなされました。 株式給付信託という聞き慣れない商品です。 今回は、この株式給付信託とはどのようなものなのか、導入されるようになった背景は何か等について、考察していきます。 報道内容…

上場企業に求められる情報開示の拡充~役員報酬と政策保有株式~

金融庁が上場企業に対して情報開示の拡充を求めています。 今回は情報開示が拡充される方向にある項目のうち、役員報酬および政策保有株式について現状の流れを取り上げます。 また四半期開示についての議論についても押さえておいた方がよいでしょう。 今後…

TBSに対して物言う株主が提案をする背景

東京放送ホールディングス(TBS)と英国投資家アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)との間で株主提案をめぐっての対立が続いています。 なぜ、TBSは物言う株主・アクディビストに狙われているのでしょうか。 今回はTBSが株主提案を受けている背景につ…

シェアハウス融資問題でスルガ銀行にこれから起きる法律のこと

スルガ銀行のシェアハウス向け貸出の問題は、連日のように報道がなされ、未だに納まっていません。 そして、直近では、スルガ銀行の行員が業者からキックバックをもらっていたことが報道されています。 このような一連の報道等を受け、スルガ銀行は破綻する…

旧村上ファンドのようなアクティビストは悪か

旧村上ファンド(通称)が近時活発に活動しているようです。 この旧村上ファンドのようなアクティビストと呼ばれる投資家に嫌悪感をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。 「金の亡者」「強引」「敵対的」「企業・秩序の破壊者」等のようなイメージがあるかも…

買収防衛策には意味があるのか~近時の動向~

日本の上場企業で買収防衛策の廃止が相次いでいます。 導入企業がピークだった2008年と比べると約3割減となっていますので、導入を取り止めた企業が相次いでいるのが分かります。 今回は、買収防衛策を導入した意味、廃止する背景、本当に廃止してよいのか等…

AIの銀行への導入実験~社員監視も可能に~ 

金融庁が「FinTech実証実験」の3件目の認定案件を公表しました。 この実験では人口知能(AI)が、金融業界における人材の課題や働き方改革の推進に対してどの程度貢献できるかが実験されます。 今回はこの実証実験の内容について考察するとともに、金融機関…