銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

地方銀行

スルガ銀行の2019年3月期中間決算で予想されること

スルガ銀行の2019年3月期中間決算が大幅な赤字となることが報じられています。 赤字の幅は大きいですが、現時点では十分な自己資本があるため、銀行の自己資本比率規制はクリアしています。 しかし、なぜスルガ銀行が不良債権(この用語の使用が適切かは悩ま…

日銀金融システムレポート(2018年10月号)のポイント

日本銀行(日銀)が半年に一度公表している金融システムレポートを公表しました。 今回はミドルリスク企業向けや不動産業向け貸出、有価証券投資にある程度焦点があたっています。 今回はこのレポートにつき概要を簡単に見ていくことにしましょう。 概要 今回…

スルガ銀行の収益還元法による不動産評価という新しくて古い問題

シェアハウスオーナー向け融資等、スルガ銀行による投資用不動産融資問題が表面化して暫く経ちました。 通帳残高偽造の事象が有名になりましたが、それ以外にスルガ銀行の不動産評価についても問題があったことが明らかになってきています。 今回は、スルガ…

信用金庫(信金)がリスクを取れない理由~1/1,250という数字~

東京商工リサーチが「信用金庫の総資金利ざや調査」を発表しました。この調査には信用金庫(信金)の厳しい現状が表れています。 今回は信金の置かれている状況について考察することにしましょう。 「主要151信用金庫 総資金利ざや」調査 まとめ 「主要151信用…

地方銀行の次の問題は「貸倒引当の算定方法」

金融庁主催の「融資に関する検査・監督実務についての研究会(第3回)」が開催されました。この研究会で議題となったのは銀行の貸倒引当金です。 銀行、特に地方銀行は業績が厳しいとされています。近年、その銀行の利益を何とか支えてきた利益要因の一つが…

融資ファンド(プライベート・デット・ファンド)の拡大は続くか

(画像はトパーズです。本文とは関係ありません) 融資ファンド(プライベート・デット・ファンド)が拡大しているとの報道がなされています。 低金利環境にあり資金運用難に陥っている地方銀行(地銀)が融資ファンドに殺到しているというのです。しかし、…

金融庁の2018事務年度「金融行政方針」のポイント

金融庁が2018事務年度の金融行政方針を公表しました。 この行政方針は金融庁の課題・問題認識を反映したものであり、実際にどのように金融機関が「指導」されていくか、規制がどのようになっていくかの指針となります。 現在、銀行業界では「スルガ銀行」の…

スルガ銀行へどのような行政処分が下されるのか~業務停止命令の過去事例~

スルガ銀行の第三者委員会の公表がなされ、経営陣も入れ替えとなりました。 金融庁はスルガ銀行への行政処分について検討していると報じられています。 今回は、スルガ銀行へどのような行政処分が下される可能性があるのか、過去の事例を踏まえながら考察し…

スルガ銀行創業家の株式売却は同行・金融庁にとって良い動き

シェアハウス融資問題等に揺れるスルガ銀行の創業家が保有株式を手放すとの報道が伝えられています。 今回は、スルガ銀行創業家の株式売却が同行に与える影響等について考察します。 報道内容 所見 報道内容 まずは、報道内容を確認しましょう。 以下は日経…

スルガ銀行の取締役・執行役員の責任について

旧経営陣のほとんどが退任し、新体制となったスルガ銀行が旧経営陣の責任追及に動き出しました。 今回は、スルガ銀行の旧経営陣にどのような責任があるのかについて考察していきましょう。 もちろん、この取締役等の責任論は銀行のみならず企業全体に当ては…

地銀の収益底上げの有効策は店舗等の外部賃貸を可能とする規制緩和

全国地方銀行協会(地銀協)が2018年の規制改革要望を発表しました。 この中には、銀行業界が近時要望している不動産賃貸の緩和が含まれています。 直近では、店舗跡地の再開発等を検討するMUFGと三菱地所の合弁会社設立も報道されました。 収益力が低下してき…

地銀の悲願は不動産仲介業への参入

全国地方銀行協会(地銀協)が2018年の規制改革要望を発表しました。 この中に地銀が長年にわたって要望している新規参入業務があります。 地銀の本音では、この業務しか新規参入を要望していないのではないかと筆者は思うぐらいです。 その業務とは、不動産売…

スルガ銀行のパワハラ等問題事例はかなりスゴい~第三者委員会報告書より~

スルガ銀行が調査を依頼していた第三者委員会が調査結果を報告しました。 この第三者委員会は2018年1月に株式会社スマートデイズがシェアハウスオーナーに対する賃料支払を中止したことに端を発するシェアハウス関連融資問題の発生を受け、ステークホルダー…

スルガ銀行問題の本質は「見て見ぬふりをする企業風土」か~第三者委員会報告より~

スルガ銀行が調査を依頼していた第三者委員会が調査結果を報告しました。 この第三者委員会は2018年1月に株式会社スマートデイズがシェアハウスオーナーに対する賃料支払を中止したことに端を発するシェアハウス関連融資問題の発生を受け、ステークホルダー…

スルガ銀行の強みは実質的に貸出の「無」審査に支えられていたという事実~第三者委員会報告から~

スルガ銀行が調査を依頼していた第三者委員会が調査結果を報告しました。 この第三者委員会は2018年1月に株式会社スマートデイズがシェアハウスオーナーに対する賃料支払を中止したことに端を発するシェアハウス関連融資問題の発生を受け、ステークホルダー…

スルガ銀行は「不正・不適切融資事例の教科書」~第三者委員会報告より~

スルガ銀行が調査を依頼していた第三者委員会が調査結果を報告しました。 この第三者委員会は2018年1月に株式会社スマートデイズがシェアハウスオーナーに対する賃料支払を中止したことに端を発するシェアハウス関連融資問題の発生を受け、ステークホルダー…

地銀の私募投信への投資傾斜は粉飾に近いという問題

日経新聞に地方銀行(地銀)が私募投信への投資を積極化させているとの記事が掲載されました。 確かに地銀の私募投信での運用は問題を内包しています。 今回はなぜ地銀が私募投信での運用を行うのか、その背景・問題点を考察します。 (当該記事は筆者の過去の…

地銀不遇の時代に琉球銀行は増資をするという驚き

琉球銀行が増資(株式発行による資金調達)を行います。 地方銀行(地銀)は業績が苦しいと報じられていますが、その環境下で琉球銀行が増資を行うとは驚きと言えます。 増資は、主に企業が成長するために株式市場から資金を調達するものです。 琉球銀行は他地銀…

外国人株主増加による地銀の株主還元増は悪いことか

地方銀行(地銀)が投資ファンド、モノ言う外国人投資家等から配当増の株主還元を求められており、経営体力を奪うのではないかと金融当局が警戒しているとの報道がなされています。 今回は、地銀とモノ言う株主との関係について簡単に考察します。 報道内容 …

スルガ銀行の創業家会長退任~創業家の影響排除は困難という現実と統合の考察~

(写真と本文は関係ありません) スルガ銀行の創業家会長が辞任するとの報道がなされました。 30年間にわたりトップを務め、スルガ銀行をガバナンス不全に陥らせた責任を取るということのようです。 では、スルガ銀行は新たに生まれ変われるのでしょうか。スル…

銀行にカードローンを取り扱う資格はあるのか~実態調査結果~

銀行カードローンについては、近年の残高増加から、過剰な貸付けが行われているのではないか等の批判・指摘があり、各銀行では、自主的な業務運営の見直しを検討・実施してきています。 こうした中、金融庁は、銀行における融資審査の厳格化・業務運営の適正…

スルガ銀行の現在の株価は投資のチャンスである可能性も

スルガ銀行のシェアハウス「かぼちゃの馬車」問題から始まった不適切融資に関する問題が連日報道されています。 直近ではスルガ銀行の不適切融資が1兆円に迫るとされており、8月22日には株価がストップ安となりました。 今回は、このスルガ銀行の不適切融資…

銀行の休業日緩和と共同店舗運営は、結果的に自らの首を絞めるのでは?

(写真は本文とは関係ありません) 銀行の平日休業が可能となる銀行法施行令等が8月16日に施行されました。 銀行の休業日は規制されていましたが、今後は柔軟な店舗運営が可能となります。 この休業日が中心に報道されていますが、今回の規制緩和は共同店舗…

金融庁の有識者会議で指摘された「的確過ぎる」銀行の課題

金融庁が「金融仲介の改善に向けた検討会議」の議事要旨を開示しました。この検討会議では、外部の有識者の意見を、実際の金融庁の活動に反映させることを狙いとしています。 直近の検討会議では、今後の銀行のあり方や課題等について有識者から意見が出され…

信用金庫の2017年度決算まとめ~地銀より厳しいのは信金~

日本銀行から「金融システムレポート別冊シリーズ2017年度の銀行・信用金庫決算」が発表されました。 今回は、この金融システムレポートから、地方銀行(地銀)、信用金庫(信金)の決算内容を抜粋し、確認していきたいと思います。 信金の業績にかかる全体像を…

地銀の有価証券運用には論外の事象も~金融庁のモニタリング結果~

(画像 NHKホームページより引用) 2018年7月に金融庁が地域銀行(≒地銀)の有価証券の運用状況についてモニタリングを行った中間結果を公表しました。 近時公表されている様々なペーパーから、金融庁の地銀に対する高い問題意識は伺えますが、有価証券の運…

そろそろ地銀のビジネスモデルは限界では~金融庁の地銀モニタリング結果~

2018年7月に金融庁が地域銀行(地銀等)へのモニタリング結果のまとめを発表しました。 地銀が目先の収益確を優先し持続可能性に課題を抱える等のかなり厳しい内容となっています。 今回は、このモニタリング結果について確認していきましょう。 報道内容 モ…

東日本銀行の行政処分は他銀行にとって他人事か

コンコルディア・フィナンシャルグループ傘下の東日本銀行に対して行政処分がなされました。 同行は収益増加のためお客様から根拠不明確な融資手数料を徴収していました。また、融資の一部を強制的に定期預金させる不適切な融資もありました。 東日本銀行に…

金融庁の検査・監督は金融機関の「多様性」を許容するのか

2018年7月に金融庁の「融資に関する検査・監督実務についての研究会(第1回)」が開催されました。 金融庁は検査・監督の方向性を変えていこうとしています。 従前の金融庁検査は、個社毎の債務者区分を査定されるような検査が一般的でした(イメージはドラ…

島根銀行は近未来の他行の姿か、ただの周回遅れか~2018年3月期決算~

島根銀行の業績が苦戦しています。 金融庁が島根銀行に業務改善命令を出すとも報道されています。しかも、業務改善命令は、法令違反ではく経営再建に関するものとされています。これは異例のことです。 島根銀行の経営状態はどのようになっているのでしょう…