銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

地方銀行

地銀の有価証券運用には論外の事象も~金融庁のモニタリング結果~

(画像 NHKホームページより引用) 2018年7月に金融庁が地域銀行(≒地銀)の有価証券の運用状況についてモニタリングを行った中間結果を公表しました。 近時公表されている様々なペーパーから、金融庁の地銀に対する高い問題意識は伺えますが、有価証券の運…

そろそろ地銀のビジネスモデルは限界では~金融庁の地銀モニタリング結果~

2018年7月に金融庁が地域銀行(地銀等)へのモニタリング結果のまとめを発表しました。 地銀が目先の収益確を優先し持続可能性に課題を抱える等のかなり厳しい内容となっています。 今回は、このモニタリング結果について確認していきましょう。 報道内容 モ…

東日本銀行の行政処分は他銀行にとって他人事か

コンコルディア・フィナンシャルグループ傘下の東日本銀行に対して行政処分がなされました。 同行は収益増加のためお客様から根拠不明確な融資手数料を徴収していました。また、融資の一部を強制的に定期預金させる不適切な融資もありました。 東日本銀行に…

金融庁の検査・監督は金融機関の「多様性」を許容するのか

2018年7月に金融庁の「融資に関する検査・監督実務についての研究会(第1回)」が開催されました。 金融庁は検査・監督の方向性を変えていこうとしています。 従前の金融庁検査は、個社毎の債務者区分を査定されるような検査が一般的でした(イメージはドラ…

島根銀行は近未来の他行の姿か、ただの周回遅れか~2018年3月期決算~

島根銀行の業績が苦戦しています。 金融庁が島根銀行に業務改善命令を出すとも報道されています。しかも、業務改善命令は、法令違反ではく経営再建に関するものとされています。これは異例のことです。 島根銀行の経営状態はどのようになっているのでしょう…

池田泉州銀行の運用失敗は地銀共通の問題~2018年3月決算分析~

地方銀行(地銀)の苦境がマスコミで報道されています。 今回は大手地銀の池田泉州銀行の決算について見ていくことにしましょう。 地銀の置かれている状況が理解出来るのではないかと思います。 2018年3月期単体決算の概要 単体決算のポイント 池田泉州銀行の…

福島銀行は業務改善命令を受けるほどなのか~2018年3月期決算分析~

地方銀行の福島銀行が大幅な赤字計上を行いました。 同行は2018年3月期連結決算にて最終損益が30億円の赤字(前期は12億円の黒字) となり社長が引責辞任しました。 そして、後任にライバル地銀の東邦銀行元専務を就任させることにしています。 金融庁からは業…

第二地銀は冷静にみてヤバいのか(2018年3月期決算分析)

第二地方銀行協会(第二地銀協)の会員である第二地方銀行(41行、第二地銀)の決算の概要が、第二地銀協から発表されています。 前回の記事では第一地銀が会員となっている地銀協(64行)の決算について考察しました。 今回は、特に業績が悪いとされる第二地銀の2…

全国地方銀行協会(地銀協)加盟行の2018年3月期決算について

全国地方銀行協会(地銀協)から加盟地方銀行(64行)の2018年3月期決算についての概要が発表されました。 マスコミ報道等では、地方銀行(地銀)の業況は厳しさが加速しているとされています。 今回は第一地銀の2018年3月期決算状況について考察します。 全…

金融庁の地銀に対する指摘が尋常ではない件

金融庁から業界団体との意見交換会の内容が公表されました。 この意見交換では、金融庁の問題意識が示されますが、金融庁の地方銀行(地銀)のマーケットでの資産運用に対するコメントが非常に厳しいものになっています。 今回は地銀に対する金融庁の問題意識…

地方銀行は本当に経営危機なのか~2018年3月期決算速報~

2018年6月1日に金融庁が地域銀行(≒地方銀行、地銀)の決算概要を集計し発表しました。 今回はこの決算概要についてみていくことにしましょう。 なお、全国地方銀行業界等が詳細の業界業績は毎年まとめています。現時点では公表されていないため、本件は速報…

スルガ銀行の決算は冷静に見るべき ~2018年3月期決算のポイント~

シェアハウス業者スマートデイズ関連融資問題で注目を浴びているスルガ銀行が2018年3月期の決算を発表しました。 同時に発表された危機管理委員会の調査内容はマスコミに取り上げられていますが、一方で、スルガ銀行が発表した決算自体についてはあまり報道…

【速報】結構やばいスルガ銀行~シェアハウス問題の内部調査結果等~

スマートデイズ等シェアハウス業者に関係する融資問題で渦中にあるスルガ銀行が、自行が設置した危機管理委員会の調査結果等を発表しました。 内容は事前に報道されていたものがほとんどではありますが、今回新たに分かった事実もあります。 今回はスルガ銀…

銀行が平日も休むようになるという近い未来

(写真と本文は関係ありません) 銀行の休日規制が緩和される方向となりました。 このニュースは銀行の単なる休日の話ではありますが、銀行のビジネスモデルを考えるきっかけともなります。 今回はこの銀行の休日規制緩和について考察します。 金融庁の発表 報…

「やりすぎた」スルガ銀行にこれから起こること

スルガ銀行がスマートデイズ(シェアハウスかぼちゃの馬車運営企業)問題で揺れています。 スルガ銀行はこのスマートデイズの投資主(オーナー)に対する貸出の大部分を担っており、この融資の経緯についても問題視されています。 今回は、スルガ銀行の現状…

「現金取扱」こそ地銀にとっての強み~間違えてはいけないもの~

銀行の店舗閉鎖、ATM他社委託、各種手数料の引上等のニュースが相次いでいます。 この動きは、銀行が預貸(預金金利と貸出金利の差額で儲ける)業務では利益が確保できなくなってきている影響です。 銀行は、人手がかかる現金の取り扱いを少しでも減らしてい…

日本銀行 金融システムレポート(2018年4月号)はミドルリスク貸出が焦点

日本銀行(日銀)が金融システムレポートを公表しました。 今回のレポートでは、銀行が「ミドルリスク」企業向けの貸出を増加させてきたことに焦点があたっています。 この日銀の問題意識についてポイントを絞り、みていくことにします。 金融システムレポート…

長崎の地銀統合についての公取と金融庁の争い~金融庁有識者会議~

公正取引委員会が長崎県におけるふくおかFGと十八銀行との統合統合に「待った」をかけています。 この公取の動きに問題意識を持っているのが金融庁および日本銀行です。 金融庁は日本銀行の協力を得て2018年4月に有識者会議の議論をまとめた報告書を発表しま…

金融庁から地銀への主な要請は金利上昇とマネロン対策

2018年4月に金融庁が「業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点」を公表しました。 この中には地方銀行(地銀)への要請事項が含まれています。 今後、金融庁がどのように地銀を監督していくかの問題意識が表れており、地銀の業務にも影響がで…

ゆうちょ銀行の預入限度額撤廃は本当に悪いことなのか

全国銀行協会(全銀協)の会長就任会見で、全銀協としてはゆうちょ銀行の預入限度額の撤廃議論について明確に反対と語ったと報道されています。 銀行業界にとってゆうちょ銀行の預入限度額撤廃は、明確に反対するほどの問題なのでしょうか。 今回の記事では…

ゆうちょ銀の他行ATM置き換えは有効な戦略

ゆうちょ銀行の預入限度額の撤廃(現状1,300万円が上限)についての議論がなされています。 銀行業界からは反発の声が強まっているようです。 一方で銀行業界とゆうちょ銀行とは様々な提携関係にもあります。 今回の記事ではゆうちょ銀行の他行ATM置き換え戦…

みずほと静岡銀との提携~地銀の「何でもあり」の提携合戦の幕開けか~

みずほFGと静岡銀行(静銀)の提携が発表されました。 みずほと静銀が住宅ローンや資産承継・資産運用で役割分担をするというものです。 しかも静銀は、三菱東京UFJ銀行と親密な地銀です。 今回の記事では、このみずほと静銀の提携について考察します。 報道…

日銀考査方針(2018年度)にみる地銀の問題点

日本銀行(日銀)が2018年度の考査方針を発表しました。 今回の記事では、この日銀の考査方針について確認し、地銀に対して日銀が度のような問題意識を持っているか、すなわち地銀の問題点について考察します。 報道記事 日銀考査とは 日銀考査方針(2018年…

金融庁の検査・監督基本方針に対する地銀の懸念

2017年12月15日に金融庁は「金融検査・監督の考え方と進め方(検査・監督基本方針)(案)」を公表し、この案につき意見募集を行っていました。 「金融検査・監督の考え方と進め方(検査・監督基本方針)」(案)への意見募集(2月14日まで)について 今回…

スマートデイズ「かぼちゃの馬車」をめぐるトラブルはスルガ銀行を窮地に追い込むか

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」への投資に関する問題でスルガ銀行への批判等が強まっています。 この「かぼちゃの馬車」の問題では、大半の所有者に物件の取得資金を貸し出していたのがスルガ銀行であること、そのスルガ銀行に対して物件のオーナー…

商工中金の民業圧迫とは結局のところ何か~今後のビジネスモデル~

商工中金の危機対応業務における不正行為は2016年10月に発覚し、2017年10月に2度目の業務改善命令が主務大臣から出されました。 そして、今回、会計検査院が政府系金融の民業圧迫について異例の調査に乗り出す旨の報道がなされています。 ここで改めて商工中…

地銀でのスマホ決済への取り組みは早い者勝ちの可能性大

近時、地銀(およびりそな銀行)のスマホ決済サービス導入のニュースが相次ぎました。 今回の記事では地銀のスマホ決済サービスへの取り組みについて考察します。 地銀等の近時の動き 【背景と概要】 福岡銀のスマホ決済開始(日経新聞記事) クレジットカー…

商工中金に優る民業圧迫は住宅金融支援機構では?

商工中央金庫(商工中金)が国の制度融資「危機対応業務」で不正を繰り返し、低利で顧客を増やす「民業圧迫」を批判されています。 この事象が起きた背景は、民間の資金需要に国・政府の関与の必要性がないからこそ、貸出量確保のために不正な融資がなされた…

地方銀行には人材紹介ではなく、不動産売買の仲介を解禁すべき

地方銀行(以下地銀)の業績苦戦が続いています。 地銀は地盤地域の人口・企業数減少等がこれからも想定され、既存業務だけでは業績が反転するのは難しい思われます。 www.financepensionrealestate.work 2018年1月23日には金融庁が金融機関向けの監督指針の…

銀行の貸し手責任は変わっていく可能性大~アパート建築案件を事例に~

先日、ガイアの夜明けという番組でレオパレス21の強引な営業等が取り上げられました。 筆者はそれに関する記事を掲載しています。 www.financepensionrealestate.work この記事に対して様々なご意見を頂きました。 このご意見の中では「銀行の貸し手責任」を…