銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

地方銀行

日銀がマイナス金利拡大を実施した場合の地銀への影響を簡単に試算する

格付大手のS&Pが、日銀がマイナス金利を0.1%拡大した場合に銀行収益へ及ぼす影響を公表しました。 同社の試算によると、地方銀行64行のうち56行で貸出業務が赤字となります。 ほとんどの地方銀行が本業で赤字となることになるのです。 今回はこのS&Pの試…

口座維持手数料は愚策〜銀行離れを加速させる可能性も〜

銀行の口座維持手数料導入の動きが出てきています。 各国が金融緩和に動く中、日本銀行もマイナス金利の深堀を行う可能性が出てきたことに起因するものでしょう。 今回は銀行の口座維持手数料について簡単に考察してみたいと思います。 直近の動き なぜ口座…

これから貸倒引当金の積み増しを金融庁から迫られる地銀の憂鬱

金融庁が金融検査マニュアルの廃止に伴い、銀行の経営を監督するための考え方を示す「ディスカッションペーパー」の案を公表しました。 今回は、金融庁のディスカッションペーパーから見える「金融庁の地方銀行に対する懸念点」について確認します。 ディス…

銀行の業況が厳しいことを「簡単な数字」で見る

銀行の業況が厳しい状況が続いています。 マイナス金利政策が導入され、貸出金利のみならず国債等の債券も利回りが低下しており、特に地方銀行は利益を確保するのに苦しんでいます。本業が赤字の銀行も多いとされています。 上記のような報道を目になさった…

第二地銀の業績を冷静に見る

第二地方銀行協会(第二地銀協)の会員である第二地方銀行(39行、第二地銀)の決算の概要が、第二地銀協から発表されています。 地方銀行の経営環境が厳しいことは金融当局の見解やマスコミ報道で話題となっていますが、実際の数字面ではどのような状況にあるの…

第一地銀の2019年3月決算~まだリストラモードに入っていない驚き~

銀行、その中でも地方銀行(地銀)の経営不振がマスコミで報道されています。 構造不況業種と言われるほど、地銀の経営は不安視されています。 今回は具体的な数字を基に地銀の中でも規模が大きい全国地方銀行協会に加盟している第一地銀の決算について確認…

金融庁長官が多くの地銀の上場を無意味だと考えている現実と真の問題

地方銀行(地銀)の経営難が様々な機関や報道から指摘されて久しい状況にあります。 直近では金融庁の遠藤長官が地銀について厳しい認識を示しました。 今回は、この金融庁長官の発言について簡単に考えてみたいと思います。 報道内容 日銀の金融システムリ…

もうそろそろ地銀には店舗の外部賃貸を完全に自由化しては?

銀行の店舗の空きスペースの活用について報道されるケースが多くなってきているように感じます。 特に地方銀行(地銀)は業績が厳しく、店舗という資産を活用し外部から賃貸収入を得られるようになることは業界全体としての悲願でしょう。 今回は、銀行の店…

ローン担保証券(CLO)の増加はリーマンショックの再来をもたらすのか

ローン担保証券(CLO)と呼ぶ証券化商品が世界経済の新たなリスクとなってきたと日経新聞が報じています。 約10年前にはサブプライムローンを証券化した金融商品が世界に混乱を巻き起こしました。 ローン担保証券(CLO)とサブプライムローンの証券化…

スルガ銀行の「資金繰り」という問題(2018年4~12月決算)

スルガ銀行が2019年3月期3Q(2018年4~12月)決算を発表しました。 シェアハウス向け融資に端を発したスルガ銀行の状況はどのようになっているのでしょうか。 今回はスルガ銀行の決算について重要なポイントに絞って見ていきましょう。 決算概要 資金繰り問…

銀行の融資残高500兆円台の回復は「個人・不動産」向けに偏重

銀行の融資残高が20年ぶりに500兆円台を回復したと日銀が貸出金統計にて発表しました。 しかし、融資残高の内容は「ゾンビ」企業への貸出も含んでおり健全ではないと報道されています。 今回は、この銀行の融資残高の内容について簡単に見ていくことにしまし…

地方銀行の会計「装飾」は是正した方が良いという話

日経新聞が地方銀行(地銀)の会計「装飾」について記事としています。 今回はこの問題について確認します。 報道内容 私募投信の問題 所見 報道内容 日経新聞は『会計「装飾」のからくり 地銀波乱(3)2019年1月16日』とあう記事を掲載しました。 ポイント…

金融庁が要請したスルガ銀行への預金支援はナンセンス

スルガ銀行を金融庁が預金支援したと報じられています。 これはどのようなことでしょうか。 今回はスルガ銀行への預金支援について考察します。 報道内容 その他の報道等 所見 報道内容 日経新聞が非常に興味深い報道をしました。スルガ銀行の資金繰りを支え…

銀行店舗等の空きスペースを外部へ賃貸可能にすべき

大手銀行で業務効率化で生まれた支店等の空きスペースを活用する動きが始まっていると報道されています。 この報道がピックアップされているニュースサイトの書き込みには、銀行の空きスペースは、同系列の財閥企業へ貸し出す、もしくはコワーキングスペース…

スルガ銀行の創業家ファミリー企業向け不適切融資問題は他人事ではない

スルガ銀行が創業家ファミリー企業向け不適切融資問題に関連して現旧取締役に対して損害賠償請求訴訟を提起しました。 提訴の理由は、創業家ファミリー企業にかかる与信管理についての職務執行の善管注意義務違反等になります。 本件創業家ファミリー企業向…

スルガ銀行の創業家向け融資は特別背任の可能性も

(画像と本文の内容とは関係ありません) スルガ銀行が、創業家およびファミリー企業向け融資について元会長らを提訴するとの報道がなされました。 スルガ銀行は業務改善計画を金融庁に提出し、会社としての再出発を図ろうとしています。その業務改善計画に…

ゆうちょ銀行の貯金預入限度額の限度額引き上げは「問題無し」

日本郵政グループのゆうちょ銀行の預入限度額の撤廃・引き上げをめぐる論議が大詰めを迎えています。郵政民営化委員会は2019年4月の預入限度額の引き上げ実現に向けて年内に結論を出したい考えと報道されています。 ただし、ゆうちょ銀行への資金シフトを懸…

地方銀行の2018年9月中間決算を総括してみる~第二地銀の苦戦が明らか~

全国の地方銀行の業績が厳しいと報道されて久しい状況にあります。 そこで、今回は全国地方銀行協会および第二地方銀行協会が集計した地方銀行の2018年9月中間決算について確認しておきましょう。 第一地銀の業績(概要) 第二地銀の業績 第一地銀と第二地銀…

2018年9月中間決算における主要行と地方銀行の決算比較~やはり地銀は厳しいという現実~

金融庁が銀行の2018年9月期決算(2019年3月期中間決算)の概要を取りまとめました。 今回は、個々の銀行の中間決算ではなく、銀行業界としての中間決算状況について確認しましょう。決算のとりまとめ内容としては、主要行と地方銀行に分かれています。地方銀…

スルガ銀行の業務改善計画は一読の価値あり

シェアハウス問題等の渦中にあるスルガ銀行が金融庁へ業務改善計画を提出しました。 投資用不動産融資に関する不祥事を反省し、業務運営を抜本的に改める内容としています。 今回は、スルガ銀行が金融庁に提出した業務改善計画について確認していきましょう…

栃木銀行の2019年3月期中間決算は、銀行の有価証券運用の行き詰まりを象徴するもの

北関東の栃木銀行が運用に苦戦しています。 栃木銀行の問題は、規模は違えど地銀に共通するものです。 今回は栃木銀行の2019年3月中間決算について注目していくことにしましょう。 報道内容 栃木銀行の2019年3月期2Q決算 所見 報道内容 まずは概要をつかむた…

福島銀行の2019年3月期中間決算は更に追い込まれた印象

(写真と本文は関係ありません) 金融庁から、法令順守違反に対する行政処分ではなく、収益力の改善を求める業務改善命令を出された福島銀行の2019年3月期中間決算が発表されています。 福島銀行は、競合先である東邦銀行の元役員を経営トップに迎えて収益改善…

スルガ銀行の2019年3月期中間決算で予想されること

スルガ銀行の2019年3月期中間決算が大幅な赤字となることが報じられています。 赤字の幅は大きいですが、現時点では十分な自己資本があるため、銀行の自己資本比率規制はクリアしています。 しかし、なぜスルガ銀行が不良債権(この用語の使用が適切かは悩ま…

日銀金融システムレポート(2018年10月号)のポイント

日本銀行(日銀)が半年に一度公表している金融システムレポートを公表しました。 今回はミドルリスク企業向けや不動産業向け貸出、有価証券投資にある程度焦点があたっています。 今回はこのレポートにつき概要を簡単に見ていくことにしましょう。 概要 今回…

スルガ銀行の収益還元法による不動産評価という新しくて古い問題

シェアハウスオーナー向け融資等、スルガ銀行による投資用不動産融資問題が表面化して暫く経ちました。 通帳残高偽造の事象が有名になりましたが、それ以外にスルガ銀行の不動産評価についても問題があったことが明らかになってきています。 今回は、スルガ…

信用金庫(信金)がリスクを取れない理由~1/1,250という数字~

東京商工リサーチが「信用金庫の総資金利ざや調査」を発表しました。この調査には信用金庫(信金)の厳しい現状が表れています。 今回は信金の置かれている状況について考察することにしましょう。 「主要151信用金庫 総資金利ざや」調査 まとめ 「主要151信用…

地方銀行の次の問題は「貸倒引当の算定方法」

金融庁主催の「融資に関する検査・監督実務についての研究会(第3回)」が開催されました。この研究会で議題となったのは銀行の貸倒引当金です。 銀行、特に地方銀行は業績が厳しいとされています。近年、その銀行の利益を何とか支えてきた利益要因の一つが…

融資ファンド(プライベート・デット・ファンド)の拡大は続くか

(画像はトパーズです。本文とは関係ありません) 融資ファンド(プライベート・デット・ファンド)が拡大しているとの報道がなされています。 低金利環境にあり資金運用難に陥っている地方銀行(地銀)が融資ファンドに殺到しているというのです。しかし、…

金融庁の2018事務年度「金融行政方針」のポイント

金融庁が2018事務年度の金融行政方針を公表しました。 この行政方針は金融庁の課題・問題認識を反映したものであり、実際にどのように金融機関が「指導」されていくか、規制がどのようになっていくかの指針となります。 現在、銀行業界では「スルガ銀行」の…

スルガ銀行へどのような行政処分が下されるのか~業務停止命令の過去事例~

スルガ銀行の第三者委員会の公表がなされ、経営陣も入れ替えとなりました。 金融庁はスルガ銀行への行政処分について検討していると報じられています。 今回は、スルガ銀行へどのような行政処分が下される可能性があるのか、過去の事例を踏まえながら考察し…