銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

フィンテック

仮想通貨に対する各国当局者の発言まとめ

金融庁が 「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第3回)を開催しました。 この研究会では、金融庁の事務局が提示した資料に、仮想通貨および関連技術について、各国当局者によってなされた指摘がまとめられています。 今回の記事では、この各国当局者の仮想…

AIの銀行への導入実験~社員監視も可能に~ 

金融庁が「FinTech実証実験」の3件目の認定案件を公表しました。 この実験では人口知能(AI)が、金融業界における人材の課題や働き方改革の推進に対してどの程度貢献できるかが実験されます。 今回はこの実証実験の内容について考察するとともに、金融機関…

キャッシュレス化阻害要因と今後の日本における政策の方向性

キャッシュレス化を政府が推進しようとしています。 2018年4月には経済産業省を中心として「キャッシュレス・ビジョン」がまとめられ、公表されました。 キャッシュレス化は日本の産業育成にとっても、インバウンド消費の拡大や旅行地としての魅力を高めるた…

ICO普及に向けたルール制定への研究会提言~ICO普及は日本の閉塞感を突破する一助では~

2018年4月にICO ビジネス研究会が提言レポートを出しています。 ICOビジネス研究会は、多摩大学大学院教授でルール形成戦略研究所長の国分教授を座長にし、産業・専門分野の会員や有識者らで構成されています。 当該レポートは2017年11月から2018年3月にかけ…

仮想通貨交換業者に対しての金融庁の検査結果は「かなりの闇」

金融庁はコインチェックの仮想通貨流出事件を契機に仮想通貨交換業者への立ち入り検査等を実施しました。 2018年4月27日に開催された「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第2回)では、金融庁の立ち入り検査の結果について概要が報告されています。 今回は…

銀行の口座開設時におけるネット完結の解禁~既存のルール確認~

一部報道で、警察庁や金融庁などが金融機関の口座開設時に義務付けられている顧客の「本人確認」を、ネットで完結できるようにする調整に入ったと報じられました。 今までは、最終的に郵便物を送って本人か確かめる必要があったものを、例えば「ネット上のビ…

中央銀行発行デジタル通貨は既存の銀行システムを破壊するか

日本銀行(日銀)が、雨宮副総裁がスピーチをした「デジタル時代と中央銀行(IMF・金融庁・日本銀行共催 FinTechコンファレンスにおける挨拶)」の邦訳を公表しました。 このスピーチには中央銀行が法定通貨のデジタル化をどのように考えるかの示唆が含まれ…

ICO(Initial Coin Offering)の状況まとめ(2018年4月)

2018年4月に金融庁主催の「仮想通貨交換業等に関する研究会(第1回)」が開催されました。 上記研究会には、みずほ証券がICO(Initial Coin Offering)についての解説資料を提出しています。 出典 金融庁ホームページ (みずほ証券資料) https://www.fsa.go…

仮想通貨についての現状(2018年4月)

2018年4月に仮想通貨交換業等に関する研究会(第1回)が開催されました。 この研究会は仮想通貨交換業をめぐる諸問題について制度的な検討をするために金融庁が設置したものです。 今回は、この研究会に報告された日本仮想通貨交換業協会の資料から仮想通貨…

 三菱UFJ銀のAI融資はいつか来た道か~スコアリング融資との比較と課題~

三菱UFJ銀がAIを使った中小企業向け融資を始めるようです。 この話題を聞くと10年以上前に流行ったスコアリング融資の失敗を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回の記事ではAI融資とスコアリング融資を比較し、AI融資の成否について考察しま…

AIを利用した融資の今後~外部企業との連携こそが鍵~

銀行業界にもAIを活用する動きが広がっています。 今回の記事では、銀行のAI活用の事例を確認するとともに、銀行単独でのAI活用の限界についても考察します。 銀行業界のAI活用状況 今後の動き 口座異動情報の問題点 企業への融資取引における一つの到達点 …

G20における仮想通貨の議論~規制の導入はこれから~

(出典 画像はG20 argentinaの公式ホームページより引用) アルゼンチンでG20が開催されていました。 この会議では仮想通貨の規制についても議論されるとされていました。 事前に公開されたFSB(金融安定理事会)議長の書簡では、仮想通貨について、金融の安…

G20での仮想通貨への規制強化議論はFSBに拒否されていないという事実

2018年3月19日からG20がアルゼンチンで開催されます。 この会議では仮想通貨についての規制も議論されることになっています。 ところが、本日、FSB(金融安定理事会)が仮想通貨の規制議論を拒否したとタイトルのニュースが流れていました。 金融安定理事会…

私募リートにおけるセカンダリー取引について

私募リートが拡大しています。 2017年12月末時点では資産総額2兆4,398億円、23銘柄となっています。 出典 不動産証券化協会ホームページ 私募リート・クォータリー(2017年12月末基準) https://www.ares.or.jp/action/reserch/pdf/shibo_201712.pdf?open=1 …

地銀でのスマホ決済への取り組みは早い者勝ちの可能性大

近時、地銀(およびりそな銀行)のスマホ決済サービス導入のニュースが相次ぎました。 今回の記事では地銀のスマホ決済サービスへの取り組みについて考察します。 地銀等の近時の動き 【背景と概要】 福岡銀のスマホ決済開始(日経新聞記事) クレジットカー…

日銀の仮想通貨·ICO·フィンテック等についての考えと銀行への影響

日本銀行が2018年2月7日に「フィンテック特集号―金融イノベーションとフィンテック―」と題する決済システムレポートを発表しました。 このレポートは日銀の考え方を知る上で、非常に良くまとまったレポートです。 仮想通貨·ICO·フィンテック·デジタル通貨等…

Tether(テザー)疑惑は大きな問題になるのか~問題の本質は信用~

仮想通貨の「Tether (テザー)」に関する疑惑が相次いでいるようです。 TetherはUSD (米ドル)の価格に連動させるべく、発行額に相当する米ドルを発行元が保有しているとされてきましたが、実際には発行元が米ドルを保有していない可能性が指摘されているので…

コインチェックが万が一倒産した際に想定されること

コインチェックの事件が世間を騒がせています。 現時点では、盗まれた仮想通貨についてコインチェックの自己資金で補償対応することが発表されています。 しかし、仮想通貨取引所に460億円程度の手元資金があるのでしょうか。 あるのだとすれば仮想通貨取引…

MUFGの仮想通貨保全信託スキームの効果と狙い

少し前ではありますが2017年12月26日付日経新聞に三菱UFJ信託が「取引所破綻リスクに備え仮想通貨を保全」という記事が掲載されていました。 筆者は、最初はあまり興味を持たなかったのですが、よくよく考えるとMUFGはなかなか面白いところに目をつけたので…

仮想通貨「MUFGコイン」についての疑問・論点と考察

画像引用 ITmedia http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1710/02/news105.html MUFGが仮想通貨「MUFGコイン」の発行を計画しています。 先日の記事ではMUFGコインの発行にかかる法的問題点について考察しました。 www.financepensionrealestate.work 今回…

「仮想通貨MUFGコイン」は法的観点において意味があるのか?

毎日新聞がMUFGによる仮想通貨「MUFGコイン」にかかる記事を掲載しました。 このMUFGコインは筆者にとっても何故メガバンクが仮想通貨を発行したがるのか、あまり釈然としておりません。 どうしても仮想通貨とメガバンク (銀行) とが結びつかないのです。仮…

ビットコイン等の仮想通貨が既存の銀行システムを崩壊させる可能性~信用創造に関する問題~

ビットコイン(Bitcoin)等の仮想通貨の価格上昇が話題になっています。 現在は投機資金がほとんどでしょうが、「通貨」として利便性が高まれば様々な資金決済に利用される可能性もあるでしょう。 このような仮想通貨ですが、様々な金融業界の大物が否定的な…

サプライチェーン・ファイナンス ~サプライチェーン領域におけるブロックチェーン技術の活用事例~

金融領域においてブロックチェーン技術の活用が拡大してきています。 その中でも、銀行の大企業取引をかなり変えてしまう可能性のある実証実験が2017年10月からスタートします。 この実験は銀行の法人取引の将来像が見てとれます。 今回はサプライチェ…

ブロックチェーンによる本人確認の共有化とその将来像

金融機関がブロックチェーンを利用し、顧客情報を共有して顧客の利便性向上、事務負担の軽減を目指す動きが出てきています。 今回はこのブロックチェーン技術の活用事例と、今後の展開について考察します。 ブロックチェーンによる本人確認の共有化実証実験 …

AIスコア・レンディングについて

みずほ銀行とソフトバンクがAIスコア・レンディングを日本で初めて開始しました。 今回はこのAIスコア・レンディングについて考察します。 AIスコア・レンディングとは AIスコア・レンディングの評価 他企業との競合 AIスコア・レンディングとは AIスコア・…

業務自動化と今後の仕事の方向性(MUFGの事例/デジタルフォーメーション戦略)

三菱UFJフィナンシャル・グループの平野社長が国内の事務作業の自動化やデジタル化で「9,500人相当の労働量の削減を実現したい」「従業員をよりクリエーティブな仕事に振り向ける」と述べたと報道されています。 今回はこの自動化、デジタル化、クリエーティ…

ATMは本当に銀行のお荷物なのか

2017年9月8日の日経新聞には「銀行ATM 今やお荷物」という記事が掲載されました。 内容としては、コンビニや駅ナカなどに新規参入ATMが急増してきたことから、コスト削減のために自前のATM網を無くしたり縮小したりする銀行が増えていると伝えています…

ビットコインは生き残るのか

ビットコインについて連日で様々な記事が出ています。 筆者はビットコインは専門外ですが、ビットコイン・仮想通貨ついては非常に興味があるため、今回の記事で考察します。 直近の報道 仮想通貨とは ビットコインの現状 ビットコインの今後 直近の報道 直近…

ヤフーによるジャパンネット銀行の連結子会社化は良い戦略

ヤフーによるジャパンネット銀行の連結子会社化が2017年8月1日に発表されました。今回はこの動きについて考察します。 発表内容 連結子会社化の目的 ジャパンネット銀行とは ジャパンネット銀行の課題 ジャパンネット銀行の戦略 ジャパンネット銀行に…

ドンキホーテの銀行業参入はセブン銀行モデルなのか

ドンキホーテホールディングスは2017年6月期決算発表(グループ事業説明会)で、大原CEOが「銀行業や金融業は当然視野に入っている」と述べたとの報道がなされています。 大原CEOは「売上金は日々溜まり、集金で回収してもらう。ATMがあるなら、ATMに入…