2022年1月24日〜28日の日経平均株価は下落しました。
1月27日には一時は2万6,044.52円まで売り込まれ昨年来安値を更新、2020年11月以来の水準まで下げています。
この要因は、米国のFOMC後に行われたパウエルFRB議長の会見内容が、金利引き上げ時期について不透明感があり、タカ派色の強い内容と受け止められたことで、金融引き締めの加速への警戒感が強まったと解説されていることが多いでしょう。
このような相場環境下において、株式への投資を行っている方は損切や撤退を考えた方が良いのかと考えているかもしれませんし、逆にこれから株式を購入しようとしている方もいるかもしれません。
但し、株式相場というのは本当に先が読めません。
投資をしている個人にとっては不安になることは多々あるでしょう。
そんな時に支えになるのが、相場の格言や過去の事象です。
今回は先行き不透明な中にあって、株式投資を考えている方々、実際に投資している方々と共に、相場の格言について見ていきたいと思います。
相場格言の有用性
株式の下落相場というのは、急激に訪れます。
そして、いつ底(最安値)になるか分かりません。
思い切って買ったのにさらに下がることは普通にありますし、損失に耐え切れなくなって売ってしまえば、そこが底だったということも普通にあることです。
誰もが利益を得ようとして株式投資を行います。
底で株式を買いたいのは当たり前ですし、天井で株式を売りたいのも当然です。
ただ、どうしても相場を読み切るのが難しいのです(そうでなければお金持ちが次々と誕生しているはずです)。
今のような先行き不透明な株式相場環境において必要となるのは、投資家自身にとっての指針でしょう。
その指針として相場格言というのは有用ではないかと筆者は考えます。
理由は単純で、株式相場は「人間の心理が作りだしているから」です。
どんなに経済環境、上場銘柄が変わっても、株式市場に投資しているのは人間です(AIも人間が作り出した過去の相場を基に売買するでしょう)。人間の心理は、時代を経ても基本的に変わりません。今も昔も、恋愛小説や恋愛映画は存在し、金持ちはやっかみの対象になり、美味しいものが喜ばれることも変わりません。源氏物語をあまり違和感なく我々が読めるのは、人間の心理が変わっていないからです。
ですから、人間の心理が反映された「相場の格言」は、いつの世でも参考にはなるのです。
下落相場の格言
「落ちてくるナイフはつかむな」
これは下落相場、特に急落相場で最も有名な相場格言の一つでしょう。
急落時の株価というのは落ちてくるナイフのようなもので、それを素手でつかむことは難しく、大けがをする可能性があるという格言です。
どうしても底で買いたいのが人間心理です。この格言を分かっていてもやってしまうのが人間でしょう。
また、下落相場で有名な相場格言の一つには次のようなものもあります。
「下手なナンピン、素寒貧(すかんぴん)」
下落相場で、購入した株の株価が下がったためにナンピン買い(保有している株が下落した際に、平均取得価格を下げるためにさらに買い増しをすること)を行うのは、さらにリスクを高めることがあるという格言です。
「行き過ぎもまた相場」
行き過ぎもまた相場とは、株式相場においては過熱気味の株価上昇や、その反対のパニックのような暴落が起きることを指しています。
相場下落時には株価が割安になることもあるでしょう。どう見ても割安だからと購入したのに、さらに下落する、というようなことがあると教えてくれるのが「行き過ぎもまた相場」という格言です。
「休むも相場」
売るべし買うべし休むべしという格言もありますが、「年中、株式売買を繰り返していると、客観的に全体の相場が見えなくなりがちで、大きな落とし穴にはまることがあるので、冷静に相場を見つめるように」と戒めた言葉です。
株価急落時には、どうしても株式市場に参戦したくなります。
しかし、一歩立ち止まって考えてみるのも有用ということでしょう。
「二度に買うべし 二度に売るべし」
株式相場の急落時に買いたくなった時でも、自分の判断が本当に正しいかどうかは、結果を見てみなければ分からないものです。
買ってみたくなったら、まずほんの少しだけ買ってみる、そして相場が上がらなければだまって待てば良く、十分な上昇の手応えを感じた時に初めて全力を投入して買えば良い、という格言です。
まとめ
今回は、相場格言でも「売買を手控えるべき」と諭すようなものを列挙してきました。
これは筆者が株式相場を長年見てきた感覚にフィットするからです。欲を出し過ぎると、うまくいかないように思います。
但し、最後にもう一つの相場格言を皆様と共有します。
「相場師は孤独を愛す」
上手い投資家は人の話に左右されず、自慢話も愚痴も言わず、徒党を組むこともないという意味の格言です。人と同じことをしていては大きく儲けることはできないし、重要な局面での判断は自分一人で決めなければならないので、相場師は孤独を愛すと格好良く表現しています(au株コム証券Webサイトから引用)。
筆者はお金持ちではなく、相場で成功した人間でもありません。
今の株式相場において、チャンスを見て取っている人が、大きく儲けられるのかもしれません。人と同じことをしていてはダメだということも相場格言は教えてくれています。