銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

食品値上げの現状を簡単に確認しておく

帝国データバンクが食品値上げの状況について発表しましたが、2月の食品値上げは1,626品目となっています。4ヵ月ぶりの1千品目台であり、更に4月は3千品目超えのラッシュの可能性があるとしています。今回は、家計に大きな負担を強いている食品の値上げ状況について少し見ていきたいと思います。

 

帝国データバンクの調査

帝国データバンクが発表した『「食品主要195社」価格改定動向調査-2024年2月』によると月別値上げ品目数の推移は以下の通りです。

  • 2022年は2万5,768品目で、値上げ率は平均14%
  • 2023年は3万2,396品目で、値上げ率は平均15%
  • 2024年は4,556品目で、値上げ率は平均17%(年間では最大1~1.5万品目となる予想)

主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした2月の飲食料品値上げは1,626品目であり、値上げ1回あたりの平均値上げ率は月平均14%となりました。単月の値上げ品目数としては2023年10月以来4カ月ぶりに1千品目を上回っていますが、 前年同月の5,639品目に比べると7割減となったほか、2千品目を超える値上げが常態化していた前年中旬までの推移と比較しても大幅に少ない水準で推移していると帝国データバンクは解説してい ます。

そして、2023年中旬にかけた段階的な価格転嫁=値上げが浸透し、採算性の改善がみられるほか、食品販売におけるPB(プライベートブランド)比率の上昇や値上げ後の販売数量減少といった、消費者の値上げ疲れが鮮明化したことも背景に、値上げの勢いは総じて鈍化した状態が続いていると帝国データバンクでは説明しています。

 

東京都区部の消費者物価指数データ

食品については、次に東京都区部の消費者物価指数を確認しましょう (東京都区部の分が速報値としてデータが最も新しいため)。

先ほど触れた帝国データバンクのデータは、あくまで値上がりの品目数と平均値上げ率ですので、食料全体の動向を見る上では、消費者物価指数が有効となります。

2024年1月基準ですが、東京都区部の食料は前年同月比で5.2%となっています。生鮮食 品は前年同月比+2.6%、生鮮食品を除く食料は+5.7%です。

更に細かく見ていくと以下となります。

  • 調理食品 7.8%・・・調理カレー 18.9% など
  • 菓子類 11.3%・・・ アイスクリーム 12.9% など
  • 穀類 8.2%・・・あんパン 10.5% など
  • 乳卵類 12.0%・・・鶏卵 24.3% など
  • 外食 1.5%・・・フライドチキン (外食) 19.2% など
  • 生鮮果物 7.1% ・・・ りんご 22.4% など

カレーや鶏卵、外食のフライドチキン、リンゴでは、2割程度の価格上昇となっています。外食は1.5%の値上げであり、そこまでの上昇にはなっていませんが、食料全体では価格が上昇していますので、人件費の上昇も考え合わせると外食は今後も価格が上昇し ていく可能性は高いでしょう。これが食品価格の現状です。

 

今後の見通し

2024年は、原料高騰を中心とした値上げ機運は前年の同じ時期に比べて後退傾向がみられています。ただ、短期的には「物流の2024年問題」に対応した物流費の大幅な上昇が見込まれ、これに対応する値上げが加速すると予想されています。

また、賃金上昇に伴う値上げが顕在化しており、「人件費」を理由とした値上げの割合は2024年5月までの品目数で約2割を占め、前年同期の1.8倍に拡大したと帝国データバンクは解説しています。賃上げのための値上げが今後も広がっていくのかが注目ポイントとなるでしょう。物価上昇を上回る賃金の上昇を期待したいところですが、そんなに簡単な訳がないと勝手ながら予想しています。