銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

クリスマスの意識調査に思う

早いもので、もう少しで2023年のクリスマスが到来します。2023年は久しぶりにコロナの影響が無いクリスマスです。街も少し華やぎ、人出も増えてきているように感じられるのではないでしょうか。

今年はどんなクリスマスになるのか、少し確認してみましょう。

 

ファミリーマートの調査

コンビニ大手のファミリーマートが、全国の15~69歳男女約30,000人を対象に2023年の「クリスマスに関する意識調査」を実施しました。

まず、「あなたは、今年のクリスマスをどのように過ごしたいと思いますか?」という問い(複数回答可)に対しては以下の回答となっています。

(出所 ファミリーマート「クリスマスに関する意識調査」)

「自宅でクリスマスディナーを食べる」が49.0%と最も多く、次いで「普段と変わらずに過ごす」が37.0%、「ホームパーティーをする」が12.4%でした。

一方で「レストランなどでクリスマスディナーを食べる」は9.1%、「イルミネーションなどのイベント・ショーを見に行く」が8.2%、「夜景を見に行く」が5.0%、「レストランなどでパーティーをする」が3.3%でした。

この調査だけを見ると、クリスマスは「外出するよりも家で過ごす」という人が圧倒的に多そうです。

次に、「自宅でクリスマスディナーを食べる」と回答した人の中で、「あなたは、今年のクリスマスの飲食に、どのくらいの金額を使いたいと思いますか。それぞれの場面について、一人あたりの平均予算をお答えください。」という設問の答えが以下となっています。

(出所 ファミリーマート「クリスマスに関する意識調査」)

「自宅でクリスマスディナーを食べる」と回答した人の中で、「あなたは、今年のクリスマスの飲食に、どのくらいの金額を使いたいと思いますか。それぞれの場面について、一人あたりの平均予算をお答えください。」という設問に対しては、約60%が一人あたりの予算は5,000円未満と回答し、クリスマスをオトクに楽しみたいと考える意向が高まっていると推測されるとファミリーマートでは解説しています。

 

松屋の意識調査

次に銀座の松屋の意識調査も公表されています。

こちらは、松屋銀座メールマガジン会員約4万4千人を対象に、ウェブアンケートを実施していますが、有効回答数は469名(23歳~82歳 平均年齢:54.7歳)となっており、ファミリーマートの調査よりは規模が小さいこと、松屋銀座を利用する方は比較的所得が高い層であることが想定されることに特徴があります。

まず、クリスマスの過ごし方については以下の回答となっています。

(出所 松屋「クリスマスに関する意識調査」)

昨年と比べて大きな変動はなく、8割以上が自宅で過ごすと回答しています。これはファミリーマートの調査と傾向として一致しています。

次にクリスマスケーキについての設問では、今年のクリスマスケーキ購入については、購入する予定の人が8割を超えています。やはり自宅で過ごすことを示しています。

(出所 松屋「クリスマスに関する意識調査」)

クリスマスケーキの予算については、平均すると増加しており、以下の通りとなっています。

(出所 松屋「クリスマスに関する意識調査」)?

 

今年のクリスマスは?

先日は、リクルートブライダル総研が恋愛・結婚の実態について詳細を把握するため、今年9月、全国の20歳から49歳までの未婚の男女1200人を対象にインターネットで行った「恋愛・結婚調査2023」が話題になりました。

全体で「恋人がいる」人の割合は29.7%。「現在恋人がいない(付き合ったことはある)」は36.2%、「現在恋人がいない(付き合ったことがない)」は34.1%で、7割が「恋人がいない」という結果が出ています。

一昔前は、クリスマスと言えば独身者は恋人とのクリスマスデートの日であり、家族がいる人は家族と祝う日でしたが外食も相応にあったという印象があります。

現在の日本は、コスパの概念が染みついているのか、割高なクリスマスディナーは敬遠し、自宅でお得に過ごす人が増加しているように思われます。

一人の消費者としては賢い行動なのかもしれませんが、全体で見ると消費低迷に拍車をかけていることになります。

筆者としては賢い消費者が増えたことを喜ぶ一方で、景気が悪い、実質的な手取りが低下している時代を嘆き、そして恋人がいない若者が増えた今の時代を寂しく思う点もあります。

これからの日本のクリスマスがどのように変質していくのか、興味深く、楽しみであり、そして同時に怖くもあります。