銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

仮想通貨に対する各国当局者の発言まとめ

金融庁が 「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第3回)を開催しました。 この研究会では、金融庁の事務局が提示した資料に、仮想通貨および関連技術について、各国当局者によってなされた指摘がまとめられています。 今回の記事では、この各国当局者の仮想…

旧村上ファンドのようなアクティビストは悪か

旧村上ファンド(通称)が近時活発に活動しているようです。 この旧村上ファンドのようなアクティビストと呼ばれる投資家に嫌悪感をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。 「金の亡者」「強引」「敵対的」「企業・秩序の破壊者」等のようなイメージがあるかも…

みずほFGの2018年3月期決算はこれだけ押さえておけば良し

メガバンクの2018年3月決算が出揃いました。 メガバンクの決算が苦戦していることは皆様も報道でご承知かもしれません。 今回はメガバンクの中で最も収益確保に苦戦しているみずほFGの決算内容を確認します。 みずほFGの決算については、中核である銀行ビジ…

買収防衛策には意味があるのか~近時の動向~

日本の上場企業で買収防衛策の廃止が相次いでいます。 導入企業がピークだった2008年と比べると約3割減となっていますので、導入を取り止めた企業が相次いでいるのが分かります。 今回は、買収防衛策を導入した意味、廃止する背景、本当に廃止してよいのか等…

スルガ銀行の決算は冷静に見るべき ~2018年3月期決算のポイント~

シェアハウス業者スマートデイズ関連融資問題で注目を浴びているスルガ銀行が2018年3月期の決算を発表しました。 同時に発表された危機管理委員会の調査内容はマスコミに取り上げられていますが、一方で、スルガ銀行が発表した決算自体についてはあまり報道…

【速報】結構やばいスルガ銀行~シェアハウス問題の内部調査結果等~

スマートデイズ等シェアハウス業者に関係する融資問題で渦中にあるスルガ銀行が、自行が設置した危機管理委員会の調査結果等を発表しました。 内容は事前に報道されていたものがほとんどではありますが、今回新たに分かった事実もあります。 今回はスルガ銀…

【余話】AmazonのKDPで発刊した電子書籍

すごい時代になったと実感します。 例えば、ブログで個人の意見、解釈等を世の中に発信することができるようになりました。 そして、書籍の出版についても垣根が低くなりました。 AmazonのKindleダイレクト・パブリッシング(KDP)であれば、原稿さえあれば…

限界に近づく大塚家具 ~2018年12月期1Q決算のポイント~

大塚家具が2018年12月期1Q(2018年1~3月)の決算を発表しました。 非常に注目すべき内容となっていますので、今回は大塚家具の1Q決算について考察します。 決算概要 大塚家具の最大の問題点は資金繰り 今後の想定 決算概要 大塚家具の決算概要については以…

銀行が平日も休むようになるという近い未来

(写真と本文は関係ありません) 銀行の休日規制が緩和される方向となりました。 このニュースは銀行の単なる休日の話ではありますが、銀行のビジネスモデルを考えるきっかけともなります。 今回はこの銀行の休日規制緩和について考察します。 金融庁の発表 報…

AIの銀行への導入実験~社員監視も可能に~ 

金融庁が「FinTech実証実験」の3件目の認定案件を公表しました。 この実験では人口知能(AI)が、金融業界における人材の課題や働き方改革の推進に対してどの程度貢献できるかが実験されます。 今回はこの実証実験の内容について考察するとともに、金融機関…

もう新築分譲マンションを買うのを止めにしては?

新築のマンション価格が上昇しています。 この水準だと、普通にサラリーマンとして働いていても、なかなか東京都内で新築のマンションを購入するのは難しくなってきています。 今回はこの新築マンション価格(首都圏)の民間調査について確認します。 概要 2…

私募投信が増加するのは銀行経営が厳しいことの裏返し

私募投信といわれている投資信託の残高が増加しています。 一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、今や資産運用会社各社の売れ筋商品です。 今回は、この私募投信の販売増加が「銀行の苦境を表している」ことについて考察します。 報道内容 私募投信と…

「やりすぎた」スルガ銀行にこれから起こること

スルガ銀行がスマートデイズ(シェアハウスかぼちゃの馬車運営企業)問題で揺れています。 スルガ銀行はこのスマートデイズの投資主(オーナー)に対する貸出の大部分を担っており、この融資の経緯についても問題視されています。 今回は、スルガ銀行の現状…

キャッシュレス化阻害要因と今後の日本における政策の方向性

キャッシュレス化を政府が推進しようとしています。 2018年4月には経済産業省を中心として「キャッシュレス・ビジョン」がまとめられ、公表されました。 キャッシュレス化は日本の産業育成にとっても、インバウンド消費の拡大や旅行地としての魅力を高めるた…

なぜキャッシュレス化を国は進めようとしているのか

キャッシュレス化への取り組みが様々な業態等で進められています。 そして、キャッシュレス化という言葉は便利なもの、良いもののように感じられます。 一方で、日本では諸外国に比べてキャッシュレス化が進んでいないともいわれています。 今回は、日本にお…

ICO普及に向けたルール制定への研究会提言~ICO普及は日本の閉塞感を突破する一助では~

2018年4月にICO ビジネス研究会が提言レポートを出しています。 ICOビジネス研究会は、多摩大学大学院教授でルール形成戦略研究所長の国分教授を座長にし、産業・専門分野の会員や有識者らで構成されています。 当該レポートは2017年11月から2018年3月にかけ…

「現金取扱」こそ地銀にとっての強み~間違えてはいけないもの~

銀行の店舗閉鎖、ATM他社委託、各種手数料の引上等のニュースが相次いでいます。 この動きは、銀行が預貸(預金金利と貸出金利の差額で儲ける)業務では利益が確保できなくなってきている影響です。 銀行は、人手がかかる現金の取り扱いを少しでも減らしてい…

仮想通貨交換業者に対しての金融庁の検査結果は「かなりの闇」

金融庁はコインチェックの仮想通貨流出事件を契機に仮想通貨交換業者への立ち入り検査等を実施しました。 2018年4月27日に開催された「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第2回)では、金融庁の立ち入り検査の結果について概要が報告されています。 今回は…

銀行の口座開設時におけるネット完結の解禁~既存のルール確認~

一部報道で、警察庁や金融庁などが金融機関の口座開設時に義務付けられている顧客の「本人確認」を、ネットで完結できるようにする調整に入ったと報じられました。 今までは、最終的に郵便物を送って本人か確かめる必要があったものを、例えば「ネット上のビ…

個人型確定拠出年金(iDeCo)のデフォルト商品を投信とする流れ

りそな等が、個人型確定拠出年金(iDeCo)の基本(デフォルト)商品を投資信託(投信)にする方針との報道がありました。 これは非常に面白い取組です。 今回はiDeCoのデフォルト商品をなぜ投信とするのか、その背景について考察します。 記事 りそなのプレスリリ…

TLAC(総損失吸収力)とは

TLACという言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。 巨大金融機関の経営破綻時に公的負担を回避すべく導入された新規制です。 2018年4月に野村ホールディングスが規制対象になりました。 今回はこのTLACについて確認していきます。 TLACとは 報道・プレ…

中央銀行発行デジタル通貨は既存の銀行システムを破壊するか

日本銀行(日銀)が、雨宮副総裁がスピーチをした「デジタル時代と中央銀行(IMF・金融庁・日本銀行共催 FinTechコンファレンスにおける挨拶)」の邦訳を公表しました。 このスピーチには中央銀行が法定通貨のデジタル化をどのように考えるかの示唆が含まれ…

日本銀行 金融システムレポート(2018年4月号)はミドルリスク貸出が焦点

日本銀行(日銀)が金融システムレポートを公表しました。 今回のレポートでは、銀行が「ミドルリスク」企業向けの貸出を増加させてきたことに焦点があたっています。 この日銀の問題意識についてポイントを絞り、みていくことにします。 金融システムレポート…

個人型確定拠出年金(iDeCo)の銀行窓販解禁について

一部報道で、個人型確定拠出年金(iDeCo)の銀行窓販解禁が報道されました。 2018年4月20日に厚生労働省が社会保障審議会企業年金部会を開催し議論をした後、2018年度中に関連規制の改正を目指すとされています。 今回はこのiDeCoの銀行窓販解禁について確認し…

ICO(Initial Coin Offering)の状況まとめ(2018年4月)

2018年4月に金融庁主催の「仮想通貨交換業等に関する研究会(第1回)」が開催されました。 上記研究会には、みずほ証券がICO(Initial Coin Offering)についての解説資料を提出しています。 出典 金融庁ホームページ (みずほ証券資料) https://www.fsa.go…

仮想通貨についての現状(2018年4月)

2018年4月に仮想通貨交換業等に関する研究会(第1回)が開催されました。 この研究会は仮想通貨交換業をめぐる諸問題について制度的な検討をするために金融庁が設置したものです。 今回は、この研究会に報告された日本仮想通貨交換業協会の資料から仮想通貨…

長崎の地銀統合についての公取と金融庁の争い~金融庁有識者会議~

公正取引委員会が長崎県におけるふくおかFGと十八銀行との統合統合に「待った」をかけています。 この公取の動きに問題意識を持っているのが金融庁および日本銀行です。 金融庁は日本銀行の協力を得て2018年4月に有識者会議の議論をまとめた報告書を発表しま…

【余話】Amazon KDP で本を出してみました

今回の記事は、単なる宣伝です。 神をも恐れぬ暴挙かもしれませんが、どうしてもやってみたくてAmazon Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)で本を出しました。 もちろん、お金も知名度もないため、無料で出せる電子書籍です。 こんなに簡単に出せるとは…

長寿リスク移転(LRT)は次の新しい投資対象になり得る

人口の高齢化現象は、多くの国において、社会政策や規制・監督上の重要な課題をもたらしています。 高齢化現象は、単に人々が長生きをするということを意味するだけではなく、高齢化による長寿リスク(longevity risk:想定以上の長期にわたる年金支払いが発生…

スマートデイズ「かぼちゃの馬車」民事再生法申請にかかる留意点

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開していたスマートデイズが民事再生法を申請しました。 本事案はスマートデイズに対してオーナーの提訴がなされ、アパートローンの提供をしていたスルガ銀行に対しても責任追求の動きがでるなど社会問題化してい…