元衆院議員のタレントである杉村太蔵氏がデート代は男性が出すか割り勘かの議論で出演者から総攻撃を受けたと報道されていました。
共働きが当たり前の時代になり、割り勘が当たり前の時代が来ているのかもしれません。
今回は、若者のデート代事情について、確認してみたいと思います。
杉村氏の意見
デイリースポーツによると、杉村氏は「デート代は男性が払うべき。デートに行くまでの服装は圧倒的に女性の方がコストがかかっている。デートをよりよい物にするってことは、本番は男性が払った方がトータル的に割り勘になっているというのが僕の理論」とテレビ番組で主張したとされています。
筆者は、これと全く同じ説を相方に力説されておりましたし、全く違和感がありません。
これに対して同番組では、デートへ行くために新しい服を買いそろえ、化粧品を買って、初めてデート代を出してもらう権利が出るのか、という反対意見が出たり、このような考え方自体が、プレッシャーになり、上から目線であるとの意見が出たようです。
デートで「ごちそうさまでした」と言われるために男が頑張るという杉村氏の主張に対しては、常に上からの昭和的感覚と反論されていたようです。
割り勘意識調査
割り勘の意識調査では、最も参考になりそうなのはLINEによる「割り勘に隠された本音を調査!割り勘に関する意識調査結果」です。コロナ感染症拡大前であり、我々が日常的に飲み会に行っていた時期の調査であり、対象者数も多くなっています。
2018年11月25日~26日に実施された同調査は、「LINE Pay」のLINE公式アカウント登録ユーザー35,915名(20代男性6,953名、20代女性9,116名、30代男性11,076名、30代女性8,770名)から有効な回答を得ています。
この調査で示されたのは以下です。
(出所 LINE「割り勘に隠された本音を調査!割り勘に関する意識調査結果」)
この調査では、以下の傾向が示されています。
- 男性は意中の人とデートで食事をする際、自分が全額/多めに支払う人は全体の9割
- 男性はその半数がデートでの食事代を全額出す
- 女性は、これまでの経験で意中の人とデートで食事代が「割り勘」になることに対し「割り勘でも良い」と回答した方が全体の7割存在する
もう一つ、異なる調査も見てみましょう。
以下はSMBCコンシューマーファイナンスの「20代の金銭感覚についての意識調査」です。
(出所 SMBCコンシューマーファイナンス「20代の金銭感覚についての意識調査 2018」)
未婚者で、かつ、現在恋人がいる人(281名)に、デートは割り勘にすることが多いかを聞いたところ、「そう思う(計)」は54.4%、「そう思わない(計)」は45.6%となり、割り勘派が多数派であるとの調査結果が出ています。
男女別にみると、デートは割り勘にすることが多いかという質問に対して「そう思う(計)」は男性51.5%、女性57.0%となっています。「デートの支払いは男性にお任せ」と考える女性は、20代では少数派となっているようです。
今回ご紹介した二つの調査で分かることは、少なくとも「女性はデート代を男性に任せたい」と考えている人が少数派になってきているということです。
男性側は、まだまだ昭和の感覚が残っている方も多いかもしれません。
所見
今回は「デート代を男女がどのように払っているのか、払いたいのか」という意識について確認してきました。
筆者は会社の若手の方とこのような話をすることが少なかったので、自分の感覚がずれてきているとはあまり考えておりませんでした。
どうやら冒頭の杉村氏の主張は、今の世の中では女性から共感されない可能性が高いようです。
当たり前だと思っていたことが当たり前ではなくなる、そんな事例の一つを見たような気がしました。