銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

サプライチェーン・ファイナンス ~サプライチェーン領域におけるブロックチェーン技術の活用事例~

金融領域においてブロックチェーン技術の活用が拡大してきています。 その中でも、銀行の大企業取引をかなり変えてしまう可能性のある実証実験が2017年10月からスタートします。 この実験は銀行の法人取引の将来像が見てとれます。 今回はサプライチェ…

ブロックチェーンによる本人確認の共有化とその将来像

金融機関がブロックチェーンを利用し、顧客情報を共有して顧客の利便性向上、事務負担の軽減を目指す動きが出てきています。 今回はこのブロックチェーン技術の活用事例と、今後の展開について考察します。 ブロックチェーンによる本人確認の共有化実証実験 …

AIスコア・レンディングについて

みずほ銀行とソフトバンクがAIスコア・レンディングを日本で初めて開始しました。 今回はこのAIスコア・レンディングについて考察します。 AIスコア・レンディングとは AIスコア・レンディングの評価 他企業との競合 AIスコア・レンディングとは AIスコア・…

業務自動化と今後の仕事の方向性(MUFGの事例/デジタルフォーメーション戦略)

三菱UFJフィナンシャル・グループの平野社長が国内の事務作業の自動化やデジタル化で「9,500人相当の労働量の削減を実現したい」「従業員をよりクリエーティブな仕事に振り向ける」と述べたと報道されています。 今回はこの自動化、デジタル化、クリエーティ…

ATMは本当に銀行のお荷物なのか

2017年9月8日の日経新聞には「銀行ATM 今やお荷物」という記事が掲載されました。 内容としては、コンビニや駅ナカなどに新規参入ATMが急増してきたことから、コスト削減のために自前のATM網を無くしたり縮小したりする銀行が増えていると伝えています…

基準地価の動向

2017年9月19日に地価調査(2017年7月1日時点)が発表されました。 マスコミの報道では土地の価格が上昇しているイメージを持たれている方もいるのではないでしょうか。 今回は地価調査について考察します。 地価調査とは 全国平均 三大都市圏 …

地方銀行の苦境と金融庁の監督指針

金融庁は金融機関の財務(B/S)から損益(P/L)に監督の焦点を移行していくと表明しています。そして画一的な検査・監督ではなく金融機関の自主性に重きを置く監督方針に変更していくとしています。 足元の動きは本当に金融「処分」庁から金融「育成」庁に変…

ビットコインは生き残るのか

ビットコインについて連日で様々な記事が出ています。 筆者はビットコインは専門外ですが、ビットコイン・仮想通貨ついては非常に興味があるため、今回の記事で考察します。 直近の報道 仮想通貨とは ビットコインの現状 ビットコインの今後 直近の報道 直近…

機関投資家の株式議決権行使にかかる誤解

ダイヤモンドオンラインに、三菱UFJ信託が三菱自の社長人事にNO!議決権行使「仁義なき個別開示」という記事が掲載されていました。三菱UFJ信託が三菱自の社長人事にNO!議決権行使「仁義なき個別開示」 | Close-Up Enterprise | ダイヤモンド・オンライン …

MiFIDⅡの衝撃~証券アナリストは存在しなくなるのか

AI

AIの開発・進化により証券アナリストという職業は消滅するとの懸念が様々な記事等で出されています。 しかし、AIの普及前に証券アナリストが激減するのではないかとの予測がなされるようになってきました。その理由はMiFID2(ミフィッド2)です。 今回は証…

機関投資家の株主総会における議決権行使結果の開示

機関投資家が守るべき行動規範であるスチュワードシップ・コードが2017年5月に改定されたことに伴い生命保険会社、信託銀行が株主総会における議決権行使結果について開示をしています。 今回は、この議決権行使結果の開示について背景・今後の影響を考…

積立NISAについての整理

2018年1月より積立NISAがスタートします。銀行の営業店では積立NISAについて特段盛り上がっていないでしょうが、資産運用会社では商品設定にかなりの労力をかけたと思われます。 結果、当初の発表から積立NISAの対象として認定される投資信託の数が増加…

投信等の回転売買問題

金融庁が主要行に立ち入り検査を実施するとの記事が出ていました。 www.bloomberg.co.jp 金融庁が国内の主要な銀行などを対象に、顧客本位の投資商品を提供しているかどうかに焦点を当てた立ち入り検査を実施する方針であるとのことです。 金融庁は銀行の投…

退職給付会計と年金財政決算の違い

退職給付会計や年金制度は銀行員にはあまりなじみのないものです。 しかし、退職給付会計は実質的には従業員からの借入といえます。企業の財務内容を今後評価していくならば退職給付会計面も勘案しなければなりません。 今回は、用語が似ていることもあり混…

LTCMから得る教訓の重要性

かつてLTCM(Long Term Capital Management)という世界で最も有名なヘッジファンドがありました。 このヘッジファンドは結果として破綻してしまいましたが、このファンドの破綻劇から得られる教訓は今でも重要です。 今回はLTCMから得る投資原則の重要性に…