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DCの運用改善に関する改正法の影響

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2016年6月に確定拠出年金法等の一部を改正する法律が交付されました(施行日は公布より2年以内)。

この法改正により金融機関においても営業のチャンスとなる点、留意すべき点等が出てきています。

今回はDC法改正による金融機関への影響について考察します。

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DC法改正の概要

2016年5月に成立したいわゆる改正 DC 法により、個人型 DC(iDeCo)の加入対象者の大幅拡大と、DC の運用に関する制度改革が実施されました。

運用制度改革の主な内容は、①継続投資教育の強化、②運用商品の品揃えの規制の見直し、③指定運用方法(デフォルト運用商品)の制度の導入です。

運用商品の品揃えの規制の見直しのうち、運用商品数の上限の具体的な数、指定運用方法の基準は政省令で定められることとされました。

これを受け、2017年6月、社会保障審議会企業年金部会(以下、年金部会)の下に設置された「確定拠出年金(DC)の運用に関する専門委員会」(以下、専門委員会)より、報告書が公表されています。この専門委員会の報告書が年金部会で報告・承認されれば、報告書の内容を基に政省令等が整備されます。

金融機関にとっての営業チャンス

DC商品の新規採用

報告書ではDC商品の上限を35本とされました。これにより金融機関は採用しているDC商品が35本以下の企業に対して新たな商品採用のアプローチを行うことができます。

継続投資教育

改正DC法により今までは配慮義務だった加入者への投資教育が努力義務となりました。

実施しないからといって罰則があるわけではないですが、継続投資教育をしないことが許されなくなってきています。

加入者への教育はDCの運営管理機関が通常は行いますが、他社が提供することも当然ながら排除されていません。

DC加入者への投資教育機能を持つ金融機関ならば、企業にアプローチしてみるのも良いでしょう。

労働組合との接点拡大

改正DC法は労使の協議を必要とします。
例えば運営管理機関のモニタリング、デフォルト商品選定、採用商品の除外、継続投資教育の実施等今まで以上に労働組合が関与してくることが想定されます。

運営管理機関に対するモニタリングでは企業側から見た場合に、労組を絡めておいた方が客観性を担保する意味で良いでしょう。デフォルト商品選定・商品除外を開始するためには規約に定める必要があり、規約の変更は労使合意が必要です。継続投資教育は努力義務になったのだから実施すべきと労組から主張されたら否定はしづらいでしょう。

このように労組とDCの事業主である企業の接点・協議事項は拡大します。当然、専門家である金融機関にも同席が求められることが増えます。

これは金融機関と労組との接点拡大をもたらしますので、金融機関側には多額の預金を保有していることが多い労組との距離を縮め、預金の預け入れ、運用商品の申し込みを受ける可能性が増えてくることになるでしょう。

また、デフォルト商品の選定や採用商品の除外には、運営管理機関ではない第三者としての投信評価会社が選定される可能性が高くなってきています。投信評価会社もしくはその機能が系列にあるような金融機関であれば案件獲得のチャンスが増えます。

金融機関にとっての逆風

元本確保型商品

今までは銀行にとってDC商品の中に自行の定期預金を加えてることは当たり前でした。

しかし、改正DC法では元本確保商品を採用することが義務ではなくなっています。企業も元本確保型商品をただちに除外することはないでしょうが油断は禁物です。利回りだけでみると生保の元本確保型商品の方が銀行が提供する定期預金よりも加入者メリットがあるためです。

運営管理機関のモニタリング

改正DC法により運営管理機関のモニタリングは事業主である企業の義務となりました。
サイクルは5年に1回です。

今までは運営管理機関が交代することなどあり得ないことでした。

しかしこれからは交代が前提ではないとはいえ、運営管理機関の業務・機能等を評価することになるのです。当然、企業のDC担当者は運営管理機関以外の複数の金融機関から情報を得ることになるでしょう。

まとめ

改正DC法は企業のみならず金融機関にも多大な影響を及ぼします。

この動きをチャンスに変えることができれば金融機関にとってはビジネスチャンスとなります。

系列に運営管理機関、投信会社等がある銀行は戦略に漏れがないか見直してみてはいかがでしょうか。

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