銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

シェアハウス融資問題でスルガ銀行にこれから起きる法律のこと

スルガ銀行のシェアハウス向け貸出の問題は、連日のように報道がなされ、未だに納まっていません。 そして、直近では、スルガ銀行の行員が業者からキックバックをもらっていたことが報道されています。 このような一連の報道等を受け、スルガ銀行は破綻する…

テスラ(Tesla)の決算(2018年1Q)を冷静に見る

Elon Musk(イーロン・マスク)氏率いるTesla,inc.(テスラ)について、先日の決算会見対応のまずさや業績不振が伝えられています。 先日、Teslaの展示をみましたが、かなりのスタイルの良さでした。Musk氏のカリスマ性とTeslaという企業自体の先進性もあり…

働く意欲をそぐ在職老齢年金とは

在職老齢年金という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。 現役世代には耳なじみのない用語かもしれません。 今回は、この在職老齢年金について確認していきましょう。 在職老齢年金とは 報道記事 労働力人口の推移 在職老齢年金の計算方法 所見 在職…

日銀ワークショップ「ビッグデータと人工知能を用いたファイナンス研究の展開」

日本銀行が開催したファイナンス・ワークショップの内容が公表されました。 同ワークショップでは、ビッグデータと人工知能が金融に活用されている事例や、金融政策の参考となる研究報告等がなされています。 今回は、この日銀のワークショップの内容につい…

仮想通貨に対する各国当局者の発言まとめ

金融庁が 「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第3回)を開催しました。 この研究会では、金融庁の事務局が提示した資料に、仮想通貨および関連技術について、各国当局者によってなされた指摘がまとめられています。 今回の記事では、この各国当局者の仮想…

旧村上ファンドのようなアクティビストは悪か

旧村上ファンド(通称)が近時活発に活動しているようです。 この旧村上ファンドのようなアクティビストと呼ばれる投資家に嫌悪感をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。 「金の亡者」「強引」「敵対的」「企業・秩序の破壊者」等のようなイメージがあるかも…

みずほFGの2018年3月期決算はこれだけ押さえておけば良し

メガバンクの2018年3月決算が出揃いました。 メガバンクの決算が苦戦していることは皆様も報道でご承知かもしれません。 今回はメガバンクの中で最も収益確保に苦戦しているみずほFGの決算内容を確認します。 みずほFGの決算については、中核である銀行ビジ…

買収防衛策には意味があるのか~近時の動向~

日本の上場企業で買収防衛策の廃止が相次いでいます。 導入企業がピークだった2008年と比べると約3割減となっていますので、導入を取り止めた企業が相次いでいるのが分かります。 今回は、買収防衛策を導入した意味、廃止する背景、本当に廃止してよいのか等…

スルガ銀行の決算は冷静に見るべき ~2018年3月期決算のポイント~

シェアハウス業者スマートデイズ関連融資問題で注目を浴びているスルガ銀行が2018年3月期の決算を発表しました。 同時に発表された危機管理委員会の調査内容はマスコミに取り上げられていますが、一方で、スルガ銀行が発表した決算自体についてはあまり報道…

【速報】結構やばいスルガ銀行~シェアハウス問題の内部調査結果等~

スマートデイズ等シェアハウス業者に関係する融資問題で渦中にあるスルガ銀行が、自行が設置した危機管理委員会の調査結果等を発表しました。 内容は事前に報道されていたものがほとんどではありますが、今回新たに分かった事実もあります。 今回はスルガ銀…

【余話】AmazonのKDPで発刊した電子書籍

すごい時代になったと実感します。 例えば、ブログで個人の意見、解釈等を世の中に発信することができるようになりました。 そして、書籍の出版についても垣根が低くなりました。 AmazonのKindleダイレクト・パブリッシング(KDP)であれば、原稿さえあれば…

限界に近づく大塚家具 ~2018年12月期1Q決算のポイント~

大塚家具が2018年12月期1Q(2018年1~3月)の決算を発表しました。 非常に注目すべき内容となっていますので、今回は大塚家具の1Q決算について考察します。 決算概要 大塚家具の最大の問題点は資金繰り 今後の想定 決算概要 大塚家具の決算概要については以…

銀行が平日も休むようになるという近い未来

(写真と本文は関係ありません) 銀行の休日規制が緩和される方向となりました。 このニュースは銀行の単なる休日の話ではありますが、銀行のビジネスモデルを考えるきっかけともなります。 今回はこの銀行の休日規制緩和について考察します。 金融庁の発表 報…

AIの銀行への導入実験~社員監視も可能に~ 

金融庁が「FinTech実証実験」の3件目の認定案件を公表しました。 この実験では人口知能(AI)が、金融業界における人材の課題や働き方改革の推進に対してどの程度貢献できるかが実験されます。 今回はこの実証実験の内容について考察するとともに、金融機関…

もう新築分譲マンションを買うのを止めにしては?

新築のマンション価格が上昇しています。 この水準だと、普通にサラリーマンとして働いていても、なかなか東京都内で新築のマンションを購入するのは難しくなってきています。 今回はこの新築マンション価格(首都圏)の民間調査について確認します。 概要 2…

私募投信が増加するのは銀行経営が厳しいことの裏返し

私募投信といわれている投資信託の残高が増加しています。 一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、今や資産運用会社各社の売れ筋商品です。 今回は、この私募投信の販売増加が「銀行の苦境を表している」ことについて考察します。 [:contents] 報道内容…

「やりすぎた」スルガ銀行にこれから起こること

スルガ銀行がスマートデイズ(シェアハウスかぼちゃの馬車運営企業)問題で揺れています。 スルガ銀行はこのスマートデイズの投資主(オーナー)に対する貸出の大部分を担っており、この融資の経緯についても問題視されています。 今回は、スルガ銀行の現状…

キャッシュレス化阻害要因と今後の日本における政策の方向性

キャッシュレス化を政府が推進しようとしています。 2018年4月には経済産業省を中心として「キャッシュレス・ビジョン」がまとめられ、公表されました。 キャッシュレス化は日本の産業育成にとっても、インバウンド消費の拡大や旅行地としての魅力を高めるた…

なぜキャッシュレス化を国は進めようとしているのか

キャッシュレス化への取り組みが様々な業態等で進められています。 そして、キャッシュレス化という言葉は便利なもの、良いもののように感じられます。 一方で、日本では諸外国に比べてキャッシュレス化が進んでいないともいわれています。 今回は、日本にお…

ICO普及に向けたルール制定への研究会提言~ICO普及は日本の閉塞感を突破する一助では~

2018年4月にICO ビジネス研究会が提言レポートを出しています。 ICOビジネス研究会は、多摩大学大学院教授でルール形成戦略研究所長の国分教授を座長にし、産業・専門分野の会員や有識者らで構成されています。 当該レポートは2017年11月から2018年3月にかけ…