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日経平均株価は既にバブル期の最高値を超えている

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2021年1月8日の日経平均株価は600円以上値上がりし、およそ30年5か月ぶりに2万8000円台まで上昇しました。ニューヨーク市場でダウ平均株価が最高値を更新するなど株高が続いている流れを受けていると言えるでしょう。

米国のバイデン新政権発足後に大型の経済対策が実現するという期待から、幅広い銘柄に買い注文が集まりました。

日経平均株価2021年1月8日の終値は前日比648円90銭高い2万8,139円3銭です。終値としては1990年8月以来、およそ30年5か月ぶりに2万8000円台まで上昇しており、マスコミも報道しました。

日経平均株価は、バブル崩壊以来の最高値と報道されていますが、今回はこの最高値について少しだけ確認してみたいと思います。

 

日経平均株価の推移

日経平均株価とは、日本を代表する225銘柄の平均株価で、日本の株式市場の代表的な株価指標の一つです。

日経平均株価は、東京証券取引1部に上場する銘柄のうち、日本を代表する225銘柄を元に算出されていますが、その銘柄を選定しているのは日経経済新聞社です。

日経平均株価の構成銘柄は、取引が活発で流動性の高い銘柄であり、時価総額の分布の変化などにより、適宜入れ替えられています。

以下は、1949年5月1日から2021年1月8日までの日経平均株価の推移です。

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(出所 https://www.kabutore.biz/

 日経平均株価のピークは1989年12月の3万8,915円です。1989年の大納会(年末の最終取引日)に最高値をつけました。株価としては1989年の大納会が株価バブルのピークで、この日を境に日本はバブル崩壊が始まりました。

2021年1月8日に日経平均株価はバブル崩壊後の最高値を更新しましたが、それでも日経平均株価は当時の最高値を超えてはいません。

尚、バブル崩壊後の日経平均株価の最安値(終値)は、2009年3月10日の7,054円98銭です。

 

株式時価総額の推移

日経平均株価の推移は上述の通りですが、参考までに東証1部の株式時価総額の推移についても確認しておきましょう。日経平均株価はあくまで225銘柄の株価ですので、東証1部全体だとどのような状況にあるかを把握するためです。

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(出所 日本取引所グループ統計資料) 

このグラフは1949年5月から2020年12月までの月末時点の東証1部の株式時価総額の推移です(単位百万円)。

バブル最高値の時点における東証1部の株式時価総額は591兆円でした。

そして、2020年12月末時点の東証1部の株式時価総額は667兆円です。

東証1部の時価総額だけで見れば、日本の株式市場は既にバブル時点を回復しています。

 

ドル建て日経平均株価

では、次にドル建ての日経平均株価を確認しましょう。

ドル建て日経平均とは日経平均株価をドル円で割った値であり、ドル換算の日経平均株価といった方が分かりやすいでしょう。ドル圏の投資家が日本株に投資する際に参考する指標です。

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(出所 ファイナンシャルスター https://finance-gfp.com/?p=12627

上記のグラフを見ると冒頭の日経平均株価とは異なる印象を持つのではないでしょうか。

ドル建て日経平均株価の最高値は1989年12月の270.82ドルでした。

そしてついに2021年1月8日にこのバブルの最高値を更新するタイミングが来ました。

2021年1月8日の終値は270.828ドルです。

 

まとめ

東証1部は、投資部門別の株式売買状況を見ると、株式数でも売買金額でも、2020年通年で7割以上を外国人投資家に占められています。

そして上場企業全体の株式保有割合では約3割を外国法人等が占めています(出所 日本取引所グループ/2019年度株式分布状況調査の調査結果について)。 

誤解を恐れずに言えば、日本の株式市場は外国人投資家が最大の勢力なのです。

我々日本人からは、日経平均株価はまだバブル最高値を更新していません。しかし、ドル建ての日経平均株価はバブル最高値を更新したのです。外国人投資家がどちらの指標を見ているかは、説明する必要もないでしょう。

物事は一面からしか見ないと理解できないことがあるように思います。相手からどのように見えるかを考えるクセの必要性を、ドル建て日経平均株価の推移から改めて意識させられます。