銀行員のための教科書

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ESG投資という古くて新しい投資手法

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年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国内株を対象としたESG指数の公募を行い3指数の採用を決定したと発表しました。注目を集めるESG投資とはどのようなものか、今回はみていきます。

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ESG投資とは

ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別して行う投資方法です。
同じような概念として社会的責任投資(SRI投資)があります。SRI投資は、従来の投資判断基準である財務分析に加えて、その企業が「社会的責任を積極的に果たしているか」を判断材料として行なう投資方法です。
SRI投資は、1920年代の米国で、武器、ギャンブル、タバコ、アルコールなどに関わる企業へは投資しないというネガティブ・スクリーニングから始まったと言われています。
社会の価値観は時代とともに変遷し、現在は環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮した企業が社会的責任を果たしており持続可能な投資対象となりえるということです。

 

GPIFがESG投資に取り組む理由

GPIFは説明するまでもなく巨大であり、かつ超長期の投資家です。
運用金額が大きいためマーケットでは鯨に例えられることもあります。
運用金額が巨額であるため上場企業の大多数に投資しているのが現状ですし、GPIFが株式を売却するとなったら需給バランスが崩壊し株価の大暴落を招きかねない規模です。
すなわち、GPIFという投資家は日本市場から簡単には逃げられませんし、身動きもとりにくいのです。
GPIFが保有する一部の企業が短期的な収益拡大を狙い環境を破壊しながら大幅な増収増益を果たしたとします。この企業の株価は短期的には上昇するかもしれませんが、持続性にはかけるものと想定できます。また、この企業が引き起こした環境破壊はGPIFが投資する他の企業等にマイナスの影響を与えることになります。よって、巨大で超長期で運用をしなければならず簡単に株式を売れないGPIFにとって、ESG投資を通じて企業に行動を促していくことは合理的なのです。
誤解を恐れずに言えば、GPIFは日本のマーケットから逃げられないため、日本経済の持続的成長を果たすことによってしか運用収益を確保できないのです。ESG投資はベンチマークであるTOPIX構成銘柄からESGというフィルターを通して銘柄を選定したインデックス運用(パッシブ運用)ということができるかもしれません。

 

まとめ

ESG投資はSRI投資であり古くて新しい投資スタイルです。単純に言えば、社会から求められている、存在を許される企業に投資をするという手法だということであり、難しく考える必要はありません。

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