銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

その他

信用金庫の業績動向(2017年3月期の復習)

(ロゴは信金中金のもの) このブログでは近時、地方銀行の業績動向について考察してきました。 今回は頂戴したコメントにもありましたので、信用金庫の業績について簡単にみていくことにします。 ただし、信用金庫は上場していないこともあり、業績開示が限ら…

地銀の店舗はリストラで外部賃貸できないという規制の無駄

銀行の業績が厳しいというニュースを至るところで見る機会が増えています。 特に地方銀行(以下地銀)は、マイナス金利政策の影響により貸出の金利が低下する一方で、銀行の資金調達・商品仕入れにあたる預金金利はこれ以上の低下余地がないことから、地銀の…

メガバンクの2017年9月中間決算での実力をはかるポイントは有価証券の含み損益

メガバンクの中間決算が出そろいました。 各メガバンクからは、機械化投資による業務量削減、実際の人員数削減、店舗削減等の話題も出た中間決算発表となりました。 今回のメガバンクの中間決算で筆者が最も注目すべきだと認識しているのは「有価証券の含み…

おそらく誰も注目していない「銀行の休日緩和」の動き

近時、銀行のリストラについての報道が多くなっています。 長引く低金利の影響により銀行の本業収益が厳しくなっていること、機械化投資により○○○人分の業務量を削減すること、人員数そのものを減らすこと等がメガバンクの名前と共にマスコミから解説されて…

金融庁の金融行政方針(平成29年度)のポイント~地方銀行への影響~

2017年11月に金融庁が金融行政方針を発表しました。 この金融行政方針は今後の金融行政が何を目指すか、その方向性を捉える資料となり、銀行経営にも多大な影響があります。規制業種である銀行は「官」を無視できないのです。今回はこの金融行政方針の内容を…

メガバンクの店舗リストラの背景を簡単に解説する

2017年11月8日の産経新聞ホームページにはみずほフィナンシャルグループが全国の拠点の半数を小型店に切り替える検討に入った旨の記事が掲載されました。 www.sankei.com また、同日の読売新聞ホームページには三菱東京UFJ銀行が今後5年程度でフルバンク型の…

【余話】メガバンクの3.2万人リストラ報道について考える~皆様のコメントから~

今回は先日アップした「メガバンクの3.2万人リストラ報道について考える」という記事(文末にリンク掲載)に対する皆様からのコメントについて、自分のできる範囲でお答え致します。 本当に多くのコメントをいただきありがとうございました。 はてなブックマー…

メガバンクの3.2万人リストラ報道について考える③~三菱東京UFJ銀行の事例~

マイナス金利政策の影響による収益減、国内人口減等を背景に、店舗閉鎖によるコスト削減、AI活用による業務量削減への対応としてメガバンクが人員を削減すると発表・報道されています。 今回はシリーズでこのメガバンクの人員リストラ問題について考察してき…

メガバンクの3.2万人リストラ報道について考える②~みずほ銀行の事例~

前回、メガバンクのリストラ報道について内容を確認した上で、三井住友銀行についての状況を確認・想定しました。 www.financepensionrealestate.work 一方で、みずほ銀行は今後10年で1.9万人の「業務量」を減らすとしています。 今回は、みずほ銀行について…

メガバンクの3.2万人リストラ報道について考える~三井住友銀行の事例~

「3銀行大リストラ時代 3.2万人分業務削減へ」(日本経済新聞、2017年10月28日記事)という記事をご覧になった方も多いのではないでしょうか。 マイナス金利政策の影響による収益減、国内人口減等を背景に、店舗閉鎖によるコスト削減、AI活用による業務量削…

金融庁の金融レポートにみる銀行の運用商品販売の今後

今回は2017年10月に公表された金融庁の金融レポートから、金融庁が問題意識を持つ「銀行の顧客本意の業務運営」等についてみていきます。 この金融庁の問題意識を確認することにより銀行の個人・リテール部門における販売商品・販売方法の将来的な方向性等が…

邦銀、そのなかでも地銀にこれから何が起きるか~日銀レポートからの考察~

2017年10月23日に日銀が金融システムレポートを公表しました。 主な内容としては、邦銀(日本の民間銀行)の低収益の背景に過剰競争があるとの分析となっています。 今回はこの日銀の金融システムレポートの内容を確認し、今後の邦銀の動向について考察しま…

投信会社のネット直販開始にみる裏の理由

三菱UFJ国際投信が2018年度上半期にインターネット経由で投資信託を直接販売するとの報道がなされています。 これは一見すると、投信会社が販売会社(銀行や証券会社)を中抜きすることにより安いコストで商品購入者に商品が届くため、購入者にとってメリッ…

【余話】三菱UFJ信託銀行の貸出業務移管(三菱UFJ銀行への貸出業務統合・一本化)について

2018年4月に三菱UFJ信託銀行の貸出業務が三菱UFJ銀行に統合されるとの発表がありました。 この統合は三菱UFJ信託銀行の貸出12兆円を三菱UFJ銀行(2018年4月に商号変更)に移管し、三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFG)内での各社の機能別再編を果た…

コミットメントラインの契約期間は、なぜ364日が多かったのか

銀行が融資を確約するコミットメントライン契約では期間が「364日」となっているものが多数ありました(近時は減少しました)。 コミットメント契約は、1年毎に更新されるのが一般的ですから毎年期限が1日ずつ前倒しになっていきます。例えば12月30日だった…