銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ソフトバンクGの10年間の経営を単純化して評価する

(出所 ソフトバンクグループWebサイト/海援隊旗「 二曳(にびき)」) ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)ほど、日本で業績がニュースになる企業も少ないでしょう。 ソフトバンクGは、孫正義氏の投資先企業に対する圧倒的な目利き力で成長してきた投資…

日銀が中央銀行デジタル通貨の発行に向けて動く理由

デジタル通貨の検討のため、日本銀行(日銀)がグループを新設したと報道されています。 デジタル通貨を導入するとどのような良いことがあるのでしょうか。 Suicaと何が違うのでしょうか。 そして、なぜ日銀はデジタル通貨を検討するのでしょうか。 今回はデ…

別ブログ「銀行員はお嫌いですか」が60記事を超えました

2020年4月下旬に立ち上げた新しいブログ「銀行員はお嫌いですか」の記事が60本を超えました。 直近の記事では、万年筆について取り上げています。 www.doyoulike-banker.site 当ブログ「銀行員のための教科書」よりはゆるく発信しています。 もしご興味があ…

銀行の建物が立派である理由はビジネスモデル

テレビドラマ「半沢直樹」が始まってしまいました。 この半沢直樹に出てくる銀行の建物が随分と立派だと感じたことはないでしょうか。 なぜ、銀行の建物は見栄えが良いものにしているのでしょうか。 なぜ、銀行の本店は巨大なのでしょうか。単純に勤務してい…

小説「帝国銀行、人事部」が25話目に突入しました!

コロナ禍の中始めた、連載中の銀行員小説「帝国銀行、人事部」が25話目に突入しました。 文字数では24,000字まで来ています。 100話ぐらいまで連載する構想です。 筆者にとっては、まだまだ長い道のりです(勝手に執筆を始めただけですが)。 www.business-n…

消化仕入というアパレルメーカーと百貨店を壊す商慣習

新型コロナによる休業や営業時間の短縮で、アパレル企業の在庫が過去最高水準まで膨らんでいると報道されています。 この要因は、アパレルメーカーだけの問題ではなく百貨店やショッピングセンターの商慣習にあるとも指摘されています。 今回は、アパレルメ…

銀行の不良債権問題はこれから

日本銀行が金融システムレポート別冊シリーズ「2019年度の銀行・信用金庫決算」を発表しました。 このレポートにおける銀行の決算の状況、本業の利益の推移、貸出利鞘・利益の推移については、前回の記事で確認してきました。 今回の記事は、前回の記事の続…

銀行の2019年度決算と銀行が構造不況業種であるという事実

日本銀行が金融システムレポート別冊シリーズ「2019年度の銀行・信用金庫決算」を発表しました。 日本の銀行業は低金利下で構造不況に陥って久しいとされていますが、2019年度の業績はどうだったのでしょうか。あまり注目されることのない信用金庫の決算含め…

インパクトファイナンスという新潮流は無視できない

環境省が「インパクトファイナンスの基本的考え方」と題する報告書を公表しました。 財務的リターンだけではなく環境社会・経済にポジティブなインパクトをもたらそうとする投資は、世界的な潮流となりつつあります。 今回は環境省がこの投資、すなわちイン…

日銀の中央銀⾏デジタル通貨に関する技術的課題認識

日本銀行が「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」というレポートを発表しています。 このレポートでは、中央銀⾏デジタル通貨(CBDC: Central Bank Digital Currency)の技術的な課題について焦点を当てています。具体的には「誰もが…

小説「帝国銀行、人事部」が21話目に突入しました!

コロナ禍の中始めた、連載中の銀行員小説「帝国銀行、人事部」が21話目に突入しました。 文字数では20,000字まで来ています。 100話ぐらいまで連載しないと終了しないと思われますので、筆者にとっては、まだまだ長い道のりです。 www.business-novel.site …

在宅勤務の常態化は企業のコスト削減に有効〜富士通の事例〜

富士通が国内全従業員に在宅勤務を推奨することになりました。 これに伴い、オフィスの削減がなされると富士通から発表されています。 今回はこのオフィスの削減に焦点を当て、在宅勤務のコスト削減効果について、簡単に考察してみたいと思います。 新聞記事…

銀行から投資信託・外貨建保険などの運用商品を買ってはいけない

金融庁が「投資信託等の販売会社による顧客本位の業務運営のモニタリング結果について」を発表しました。 金融庁は、日本国民が、金融事業者の「顧客本位の取組み」の状況を比較でき、より自分にあった金融事業者を選択し、自身の資産形成に取り組めるような…

GPIFの2019年度運用実績~足元の大幅赤字だけに注目すべきではない理由~

公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(通称GPIF)が2020年1~3月期の運用実績を発表しました。 このGPIFの運用実績が3ヵ月間で過去最大の18兆円弱の赤字となったとして話題となっています。 今回はGPIFの公的年金資金運用について見ていくこと…

金融庁のレポートに見る地銀のシステムに関する課題

金融庁が「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」を公表しました。 このレポートはほとんど話題になっていませんが、地銀が業績改善に苦しむ要因の一つを指摘しているように思われます。 今回は、金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レ…