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インデックス運用拡大にかかる懸念


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日本証券アナリスト協会が2017年4月に開催したセミナーで、金融庁の森長官が積立NISAの対象となりうる投資信託について、アクティブ型株式投信でわずか5本、インデックス型株式投信で50本弱にとどまると述べたことが話題となっています。

インデックス運用が非常に優れているとの印象を持たれている方も多いと思います。今回はインデックス運用の拡大がもたらすものについて考察します。

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インデックス運用とは

インデックス運用とは、目安となる指数(ベンチマーク)に連動した運用スタイルのことです。例えば、日本株で運用する投資信託の場合、日本株の代表的なインデックス(指数)である日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などのインデックスをベンチマークとして、それに連動した値動きをするよう運用します。
パッシブ運用とは、資金委託者から与えられたベンチマークと同様のリターン・リスクをできるだけそのまま実現することを目指す運用であり、インデックス運用とほとんど同じものです。
インデックス運用は個別銘柄の調査を行わないことから調査コストが安くすみ、結果として運用者が得る報酬が低い=コストが安いことが特長です。
日本で公募販売されている投資信託では、インデックスファンドの残高は5兆円を超え投資信託全体の残高の約1割を占めているようです。

 

アクティブ運用とは

インデックス運用と対比されるアクティブ運用とは、目安となる指数(ベンチマーク)を上回る成績を目指す運用スタイルのことです。 例えば、日本株で運用する投資信託の場合、日本株の代表的なインデックス(指数)である日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などのインデックスをベンチマークとして、それを上回る成績を目指す運用です。
ただし、多くの実証研究では、アクティブ運用者の多数が市場平均に負けていることが示されており、インデックス運用が資金を集め規模を拡大してきた理由となっています。

 

金融庁の意向

冒頭に述べた金融庁はインデックス運用を推奨し、アクティブ運用を否定しているとお感じになられている方もいるかもしれません。
ただし、これは個人が購入する積立NISA用商品ではインデックス型が優位と述べているにすぎません。
他方、金融庁総務企画局が作成した資料(日本の市場・取引所を巡る動向と今後の課題)には、経済産業省が作成した 「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト(伊藤レポート) 「最終報告書」 が引用されています。この報告書では日本株を保有する機関投資家(年金基金等)の多く(70~80%)がパッシブ・インデックス運用に偏重していることが問題として指摘されています。インデックス運用への偏重により、変革しようとする企業がその他企業に埋もれてしまい、投資比率が市場平均に近いリスクを避けた機関投資家が多数を占めることになります。日本市場は、出来高と比較して長期的な視点から主体的判断で投資を行う層の厚みが薄くなっていると結論付けています。これはコーポレートガバナンスの観点からの記載・論点でしょうが、金融庁はアクティブ運用を否定しているわけではないと認識しています。

 

インデックス運用増加にかかる問題点

アクティブ運用の投資額とアクティブ運用者の数が減り、アクティブ運用にコストを掛けられなくなると、株価等の資産価格を評価するプロが減り、資本市場の「価格発見機能」が損なわれるおそれがあります。本来は上場市場から退場すべき会社であっても時価総額が大きければインデックス運用から多額の資金が集まることになります。また、インデックス運用はアクティブ運用が付けた価格にただ乗りしており、そのアクティブ運用が細ると、ただ乗りすべき価格が劣化するという意見もあります。
加えて、上記に記載したようにインデックス運用では、企業へのガバナンスが効かなくなる可能性があることも問題点です。指数全体=銘柄をスクリーニングせずに全ての銘柄を購入しているためです。
単純に言えば、右向け右の運用が拡大しすぎると株式市場の機能が果たされなくなり、ガバナンスも守られなくなるということです。

 

AI運用に期待するところ

アクティブ運用はコストが高いことがネックですが、株式市場に厚みを持たせるには非常に大きい役割を果たしています。
現在、拡大が想定されるAI投資はインデックス運用ではありません。AIが独自に売買銘柄を選定するのです。
このAIファンドは通常のアクティブ運用商品よりも手数料水準は低めです。AI投資が拡大することにより既存のアクティブ運用商品の減少をカバーしてくれることを期待しています。
もちろん私としては、スカッとするぐらい素晴らしい運用成績をあげる、人間が運用するアクティブファンドも立ち上がって欲しいと心から希望しています。

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