銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

地方銀行

日本銀行 金融システムレポート(2018年4月号)はミドルリスク貸出が焦点

日本銀行(日銀)が金融システムレポートを公表しました。 今回のレポートでは、銀行が「ミドルリスク」企業向けの貸出を増加させてきたことに焦点があたっています。 この日銀の問題意識についてポイントを絞り、みていくことにします。 金融システムレポート…

長崎の地銀統合についての公取と金融庁の争い~金融庁有識者会議~

公正取引委員会が長崎県におけるふくおかFGと十八銀行との統合統合に「待った」をかけています。 この公取の動きに問題意識を持っているのが金融庁および日本銀行です。 金融庁は日本銀行の協力を得て2018年4月に有識者会議の議論をまとめた報告書を発表しま…

金融庁から地銀への主な要請は金利上昇とマネロン対策

2018年4月に金融庁が「業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点」を公表しました。 この中には地方銀行(地銀)への要請事項が含まれています。 今後、金融庁がどのように地銀を監督していくかの問題意識が表れており、地銀の業務にも影響がで…

ゆうちょ銀行の預入限度額撤廃は本当に悪いことなのか

全国銀行協会(全銀協)の会長就任会見で、全銀協としてはゆうちょ銀行の預入限度額の撤廃議論について明確に反対と語ったと報道されています。 銀行業界にとってゆうちょ銀行の預入限度額撤廃は、明確に反対するほどの問題なのでしょうか。 今回の記事では…

ゆうちょ銀の他行ATM置き換えは有効な戦略

ゆうちょ銀行の預入限度額の撤廃(現状1,300万円が上限)についての議論がなされています。 銀行業界からは反発の声が強まっているようです。 一方で銀行業界とゆうちょ銀行とは様々な提携関係にもあります。 今回の記事ではゆうちょ銀行の他行ATM置き換え戦…

みずほと静岡銀との提携~地銀の「何でもあり」の提携合戦の幕開けか~

みずほFGと静岡銀行(静銀)の提携が発表されました。 みずほと静銀が住宅ローンや資産承継・資産運用で役割分担をするというものです。 しかも静銀は、三菱東京UFJ銀行と親密な地銀です。 今回の記事では、このみずほと静銀の提携について考察します。 報道…

日銀考査方針(2018年度)にみる地銀の問題点

日本銀行(日銀)が2018年度の考査方針を発表しました。 今回の記事では、この日銀の考査方針について確認し、地銀に対して日銀が度のような問題意識を持っているか、すなわち地銀の問題点について考察します。 報道記事 日銀考査とは 日銀考査方針(2018年…

金融庁の検査・監督基本方針に対する地銀の懸念

2017年12月15日に金融庁は「金融検査・監督の考え方と進め方(検査・監督基本方針)(案)」を公表し、この案につき意見募集を行っていました。 「金融検査・監督の考え方と進め方(検査・監督基本方針)」(案)への意見募集(2月14日まで)について 今回…

スマートデイズ「かぼちゃの馬車」をめぐるトラブルはスルガ銀行を窮地に追い込むか

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」への投資に関する問題でスルガ銀行への批判等が強まっています。 この「かぼちゃの馬車」の問題では、大半の所有者に物件の取得資金を貸し出していたのがスルガ銀行であること、そのスルガ銀行に対して物件のオーナー…

商工中金の民業圧迫とは結局のところ何か~今後のビジネスモデル~

商工中金の危機対応業務における不正行為は2016年10月に発覚し、2017年10月に2度目の業務改善命令が主務大臣から出されました。 そして、今回、会計検査院が政府系金融の民業圧迫について異例の調査に乗り出す旨の報道がなされています。 ここで改めて商工中…

地銀でのスマホ決済への取り組みは早い者勝ちの可能性大

近時、地銀(およびりそな銀行)のスマホ決済サービス導入のニュースが相次ぎました。 今回の記事では地銀のスマホ決済サービスへの取り組みについて考察します。 地銀等の近時の動き 【背景と概要】 福岡銀のスマホ決済開始(日経新聞記事) クレジットカー…

商工中金に優る民業圧迫は住宅金融支援機構では?

商工中央金庫(商工中金)が国の制度融資「危機対応業務」で不正を繰り返し、低利で顧客を増やす「民業圧迫」を批判されています。 この事象が起きた背景は、民間の資金需要に国・政府の関与の必要性がないからこそ、貸出量確保のために不正な融資がなされた…

地方銀行には人材紹介ではなく、不動産売買の仲介を解禁すべき

地方銀行(以下地銀)の業績苦戦が続いています。 地銀は地盤地域の人口・企業数減少等がこれからも想定され、既存業務だけでは業績が反転するのは難しい思われます。 www.financepensionrealestate.work 2018年1月23日には金融庁が金融機関向けの監督指針の…

銀行の貸し手責任は変わっていく可能性大~アパート建築案件を事例に~

先日、ガイアの夜明けという番組でレオパレス21の強引な営業等が取り上げられました。 筆者はそれに関する記事を掲載しています。 www.financepensionrealestate.work この記事に対して様々なご意見を頂きました。 このご意見の中では「銀行の貸し手責任」を…

外債の為替ヘッジを代行するサービスは良い目のつけどころでは

先日、日経新聞に興味深いサービス開始の記事が掲載されていました。 筆者としては銀行が提供するサービスとしては久しぶりに納得感のあるものでしたので今回の記事で取り上げます。 日経新聞の記事 為替ヘッジ付外国債券とは 為替ヘッジ付外債投資ニーズの…

第二地銀の中間決算動向~第一地銀からは一周遅れ~

第二地方銀行協会(略称第二地銀協)の会員である第二地方銀行(41行)の中間決算の概要が、第二地銀協から発表されています。 前回の記事では第一地銀が会員となっている地銀協(64行)の決算について考察しました。 今回は、第二地銀協の決算について考察します…

地銀の2017年9月中間決算の概要と特徴~問題は「債券含み益顕在化経営」の限界~

全国地方銀行協会(地銀協)から加盟地方銀行(64行)の中間決算についての概要が発表されました。 地方銀行(地銀)の業況は厳しさが加速しているといわれていますが、本当にそうでしょうか。 今回は第一地銀の2017年9月中間決算状況について考察します。 …

地銀の中で異彩を放つスルガ銀行の決算状況(2017年9月中間)

複数の記事にわたり地方銀行(以下地銀)の苦境について考察してきました。 今回は、地銀の中で異彩を放つスルガ銀行の決算について確認します。 スルガ銀行は静岡地盤の地方銀行ですが、他の地方銀行と同列では投資家も評価していないでしょう。それぐらい…

地銀の統合・再編に関する公取委の方針とマスコミとの質疑応答

地銀の業績苦戦が伝えられており、金融庁の金融行政方針や日銀幹部の講演等でも地銀の統合・再編の必要性について述べられています。 その中で、近時批判を浴びるようになったのが公正取引委員会です。 公正取引委員会(以下公取委)が再編を認めないとして…

日銀副総裁の講演からみる地銀の問題点

今回は、日本銀行の中曽副総裁が2017年11月29日に講演した内容についてご紹介してみたいと思います。 講演内容は、地銀が金融システムに与える影響と、その業績不調要因等についてでした。 講演のタイトルは「マクロプルーデンス政策の新たなフロンティア―銀…

地銀の本来の収益が浮き彫りになった事例~栃木銀行の2017年中間決算~

前回、銀行が「投資信託の運用で決算を作る」ことの問題点についてご説明しました。 www.financepensionrealestate.work 今回は、投資信託での運用および国債を中心とした債券運用で利益を出せなくなった場合、地銀の決算がどのようになってしまうかについて…

中間決算事例でみる地銀の「投資信託で作る決算」の問題点

銀行、中でも地方銀行(以下地銀)の業績が厳しいとの報道等がなされています。 これは全体でみるとその通りなのですが、地銀の決算が具体的にどのように厳しいのかを説明している報道はあまり見かけません。 一般的には、日銀のマイナス金利政策の影響で貸…

地銀の中間決算(2017年)における本業赤字の事例~島根銀行を題材に~

地方銀行(以下地銀)の決算が厳しい状況にあることはご認識の方も多いと思います。 今回は「本業赤字といわれる地銀の決算はどのようなものか」について島根銀行の事例を挙げて考察していきます。 なお、地銀の有価証券運用における損失事例については以下…

苦戦する地銀の中間決算事例(2017年)~外債投資の失敗、池田泉州の例~

地方銀行(以下地銀)の経営が厳しいという報道等が相次いでいます。 金融庁も問題提起を様々に行っています。 ただ、報道でも「地銀」とひとくくりにされており、本当に個々の地銀において経営が厳しいのか、何が問題なのかについては認識がしづらいのでは…

地銀の店舗はリストラで外部賃貸できないという規制の無駄

銀行の業績が厳しいというニュースを至るところで見る機会が増えています。 特に地方銀行(以下地銀)は、マイナス金利政策の影響により貸出の金利が低下する一方で、銀行の資金調達・商品仕入れにあたる預金金利はこれ以上の低下余地がないことから、地銀の…

金融庁の金融行政方針(平成29年度)のポイント~地方銀行への影響~

2017年11月に金融庁が金融行政方針を発表しました。 この金融行政方針は今後の金融行政が何を目指すか、その方向性を捉える資料となり、銀行経営にも多大な影響があります。規制業種である銀行は「官」を無視できないのです。今回はこの金融行政方針の内容を…

金融庁の金融レポートにみる地方銀行の未来

2017年10月に金融庁が金融レポートを発表しました。 金融レポートは毎年公表している金融行政方針の進捗状況・実績等を評価し、現状分析・問題提起を行う目的で金融庁が公表しているレポートです。 今回はこの直近の金融レポートにおいて示された金融庁の特…

邦銀、そのなかでも地銀にこれから何が起きるか~日銀レポートからの考察~

2017年10月23日に日銀が金融システムレポートを公表しました。 主な内容としては、邦銀(日本の民間銀行)の低収益の背景に過剰競争があるとの分析となっています。 今回はこの日銀の金融システムレポートの内容を確認し、今後の邦銀の動向について考察しま…