銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

その他

スマートデイズ「かぼちゃの馬車」民事再生法申請にかかる留意点

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開していたスマートデイズが民事再生法を申請しました。 本事案はスマートデイズに対してオーナーの提訴がなされ、アパートローンの提供をしていたスルガ銀行に対しても責任追求の動きがでるなど社会問題化してい…

ゆうちょ銀行の預入限度額撤廃は本当に悪いことなのか

全国銀行協会(全銀協)の会長就任会見で、全銀協としてはゆうちょ銀行の預入限度額の撤廃議論について明確に反対と語ったと報道されています。 銀行業界にとってゆうちょ銀行の預入限度額撤廃は、明確に反対するほどの問題なのでしょうか。 今回の記事では…

ゆうちょ銀の他行ATM置き換えは有効な戦略

ゆうちょ銀行の預入限度額の撤廃(現状1,300万円が上限)についての議論がなされています。 銀行業界からは反発の声が強まっているようです。 一方で銀行業界とゆうちょ銀行とは様々な提携関係にもあります。 今回の記事ではゆうちょ銀行の他行ATM置き換え戦…

裁量労働制についての正確な知識と銀行における問題点

今回の記事は裁量労働制についてです。 政府が導入対象を拡大しようとしている裁量労働制は「定額働かせ放題」の制度であるとの批判が多くなってきているようです。 今回は、裁量労働制についての正確な内容を確認するとともに、特に銀行における問題点につ…

【余話】銀行は「前株」か「後株」かという、どうでもいい話

(画像出典 レッツエンジョイ東京 大手銀行です / 豊洲駅 / レッツエンジョイ東京) 今回の記事では、銀行業界の小ネタとして、銀行の商号における「前株(まえかぶ)」「後株(あとかぶ)」について記載します。 銀行という商号を使う際の法規制 銀行は「前株…

将来予測は人口関連統計に基づくもの以外は信用しないのが鉄則~世帯数推計~

読者の皆さんは、年末から年始にかけて2018年の様々な予測をマスコミ等でご覧になったのではないでしょうか。 有名なエコノミスト等が「今年の日経平均株価は○○円になる」「ドル円は○○円になる」等々と予測をしています。 もちろん金融機関も、年末年始とい…

銀行の「お客様本位の業務運営」は「実現しない」という想定される未来

筆者は「お客様第一」「カスタマーファースト」というような言葉があまり好きではありません。 少なくとも銀行でこの言葉が唱えられるということは、 銀行は「お客様第一ではない」行動をしているからであり、それを変革するためにお題目にされるのです。す…

「美術品信託」という面白い試み

2004年に信託業法が改正されて信託可能な財産には制限がなくなっています。 そのような状況下、日経新聞の記事によるとSMBCグループが「美術品信託」というサービスを開発したようです。 筆者は、この美術品信託は非常に面白い試みだと思います。 今回は、こ…

外債の為替ヘッジを代行するサービスは良い目のつけどころでは

先日、日経新聞に興味深いサービス開始の記事が掲載されていました。 筆者としては銀行が提供するサービスとしては久しぶりに納得感のあるものでしたので今回の記事で取り上げます。 日経新聞の記事 為替ヘッジ付外国債券とは 為替ヘッジ付外債投資ニーズの…

メガバンクの手数料引き上げにかかる考察~結果的に自らの首を絞める怖れも~

2017年12月20日の日経新聞に3メガバンクが両替手数料の引き上げを行うとの記事が掲載されました。 収益が低下している銀行が今後も他の業務で手数料引き上げに動くことは当然想定されます。 この動きがどのような背景によるものなのか、そして今後どのように…

信用金庫の業績動向(2017年3月期の復習)

(ロゴは信金中金のもの) このブログでは近時、地方銀行の業績動向について考察してきました。 今回は頂戴したコメントにもありましたので、信用金庫の業績について簡単にみていくことにします。 ただし、信用金庫は上場していないこともあり、業績開示が限ら…

【余話】銀行員の連続休暇はうらやましい制度か

銀行員がうらやましい(?)と言われる銀行の制度に、「年に一回、自由な時に、5営業日連続で休暇が取れる」というものがあります。 一般の企業なら、お盆休みや年末年始など、長期休暇の日程が決まっていることが多いでしょう。そのような時は他の会社も休み…

地銀の店舗はリストラで外部賃貸できないという規制の無駄

銀行の業績が厳しいというニュースを至るところで見る機会が増えています。 特に地方銀行(以下地銀)は、マイナス金利政策の影響により貸出の金利が低下する一方で、銀行の資金調達・商品仕入れにあたる預金金利はこれ以上の低下余地がないことから、地銀の…

メガバンクの2017年9月中間決算での実力をはかるポイントは有価証券の含み損益

メガバンクの中間決算が出そろいました。 各メガバンクからは、機械化投資による業務量削減、実際の人員数削減、店舗削減等の話題も出た中間決算発表となりました。 今回のメガバンクの中間決算で筆者が最も注目すべきだと認識しているのは「有価証券の含み…

おそらく誰も注目していない「銀行の休日緩和」の動き

近時、銀行のリストラについての報道が多くなっています。 長引く低金利の影響により銀行の本業収益が厳しくなっていること、機械化投資により○○○人分の業務量を削減すること、人員数そのものを減らすこと等がメガバンクの名前と共にマスコミから解説されて…

三菱UFJの中間決算は余裕あり

三菱UFJフィナンシャル・グループの2018年3月期中間決算が発表されました。 詳細は11月21日に発表されるのでしょうが、現段階で開示されている資料をもとに三菱UFJの業績状況について今回は分析することにします。 メガバンクトップの三菱UFJでも本業は厳し…

三井住友FGの中間決算評価~あえて危機感を演出されているのでは?~

三井住友FGの2018年3月期中間決算が発表されました。 この中間決算については、日経新聞等マスコミが「銀行の本業が厳しい」と報道しています。 筆者はメガバンクを含む銀行業界の置かれている状況が厳しいとは考えていますが、今回の銀行決算についてのマス…

みずほFGの中間決算にみる苦境と裏の目的

(画像はみずほFGのホームページより) みずほFGが2018年3月期の中間決算を発表しました。 この中間発表においてグループの構造改革も発表しています。 報道では長引く低金利の影響により収益力が低下したことが要因とされています。 (報道例)http://www3.nhk.…

金融庁の金融行政方針(平成29年度)のポイント~地方銀行への影響~

2017年11月に金融庁が金融行政方針を発表しました。 この金融行政方針は今後の金融行政が何を目指すか、その方向性を捉える資料となり、銀行経営にも多大な影響があります。規制業種である銀行は「官」を無視できないのです。今回はこの金融行政方針の内容を…

接待の帰りに事故にあったら労災になるのか~理不尽だけど現実~

接待がなぜ労働時間=残業にならないのかという記事をアップした際に、「では接待の帰りに事故にあったら労災にならないのか」という趣旨のご質問をいただきました。 今回は、この接待と労災の関係について整理します。 (前回記事) www.financepensionreal…

メガバンクの店舗リストラの背景を簡単に解説する

2017年11月8日の産経新聞ホームページにはみずほフィナンシャルグループが全国の拠点の半数を小型店に切り替える検討に入った旨の記事が掲載されました。 www.sankei.com また、同日の読売新聞ホームページには三菱東京UFJ銀行が今後5年程度でフルバンク型の…

接待はなぜ労働時間=残業にならないのか

今回は会社員とって非常に納得感がないであろう「接待」について考察します。 会社員にとって(もちろん銀行員にとっても)、接待は残業や休日出勤には通常該当しません。 これは特に若手のうちは納得のいかないことではないでしょうか(歳を重ねると、慣れ…

残業問題を解決するには三六(サブロク)協定破棄が交渉材料になるという暴論

近時の働き方改革の議論をみていると少々違和感を感じずにはいられません。 企業も労働組合もスタートの立ち位置から議論した方が良いように感じます。 銀行員にとっても残業問題は他人事ではありません。自身の働き方にも影響しますし、取引先企業で問題が…

解雇の法的位置付け~正社員は簡単にリストラされないという事実~

前回までの記事でメガバンクのリストラについて考察してきました。 その中で繰り返し触れましたが、日本では正社員は簡単には解雇されません。 今回は、この「解雇」について法的な位置付けを考察します。 これは、正社員(銀行員含む)自身にとっても重要な話…

【余話】メガバンクの3.2万人リストラ報道について考える~皆様のコメントから~

今回は先日アップした「メガバンクの3.2万人リストラ報道について考える」という記事(文末にリンク掲載)に対する皆様からのコメントについて、自分のできる範囲でお答え致します。 本当に多くのコメントをいただきありがとうございました。 はてなブックマー…

メガバンクの3.2万人リストラ報道について考える③~三菱東京UFJ銀行の事例~

マイナス金利政策の影響による収益減、国内人口減等を背景に、店舗閉鎖によるコスト削減、AI活用による業務量削減への対応としてメガバンクが人員を削減すると発表・報道されています。 今回はシリーズでこのメガバンクの人員リストラ問題について考察してき…

メガバンクの3.2万人リストラ報道について考える②~みずほ銀行の事例~

前回、メガバンクのリストラ報道について内容を確認した上で、三井住友銀行についての状況を確認・想定しました。 www.financepensionrealestate.work 一方で、みずほ銀行は今後10年で1.9万人の「業務量」を減らすとしています。 今回は、みずほ銀行について…

メガバンクの3.2万人リストラ報道について考える~三井住友銀行の事例~

「3銀行大リストラ時代 3.2万人分業務削減へ」(日本経済新聞、2017年10月28日記事)という記事をご覧になった方も多いのではないでしょうか。 マイナス金利政策の影響による収益減、国内人口減等を背景に、店舗閉鎖によるコスト削減、AI活用による業務量削…

金融庁の金融レポートにみる銀行の運用商品販売の今後

今回は2017年10月に公表された金融庁の金融レポートから、金融庁が問題意識を持つ「銀行の顧客本意の業務運営」等についてみていきます。 この金融庁の問題意識を確認することにより銀行の個人・リテール部門における販売商品・販売方法の将来的な方向性等が…

邦銀、そのなかでも地銀にこれから何が起きるか~日銀レポートからの考察~

2017年10月23日に日銀が金融システムレポートを公表しました。 主な内容としては、邦銀(日本の民間銀行)の低収益の背景に過剰競争があるとの分析となっています。 今回はこの日銀の金融システムレポートの内容を確認し、今後の邦銀の動向について考察しま…